「美味しんぼ」はどうなるのか?2014/05/13

WEB版朝日新聞から
人気漫画「美味しんぼ」の東京電力福島第一原発事故をめぐる描写について、福島県の佐藤雄平知事は13日の定例記者会見で、「全体の印象として風評を助長する内容になっており、誠に残念で極めて遺憾だ」と不快感を示した。

「美味しんぼ」の描写に波紋

 県はすでに「断固容認できず、極めて遺憾だ」とする見解をホームページに載せており、掲載誌「ビッグコミックスピリッツ」の発行元である小学館にも正式に抗議している。

 福島市の小林香市長も同日、12日発売号で福島大学准教授が「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんてできない」と語る場面について、「きわめて無責任な発言だ。何を根拠にあのような発言をされたのか全く理解に苦しむ」と話した。

 この号には、大阪府と大阪市が受け入れた東日本大震災のがれきを処理する焼却場付近の住民が健康被害を訴えている、との内容もある。府と市は12日、小学館に抗議文を送った。橋下徹市長は同日、記者団に「漫画の世界なので基本的には自由にやってもらっていいが、根拠に基づかないであそこまでやるのは行きすぎだ」と述べた。
以上

 昨年も中沢啓治 『はだしのゲン』が話題を集めた。今回の騒動とあわせて、どうも漫画家の反逆的精神にあおられているかに思う。どちらも天皇を批判する。あえて日本の伝統文化に逆らう。そのことで彼らの作品が成り立つ。あの騒動でどんな作品なんだ、と読みたい人が続出し、『はだしにゲン』は増刷して出版社は儲かったようだ。
 今回も小学館はにんまりかな。批判する立場の人も読まないと出来ない。しかし、言論の自由とはいえ、福島県の被災者の人権を傷つける自由まではない。日本の世の中を良くしたい、という批判ならば受け入れられよう。ペン1本で食べている人はペンの恐さを自覚して欲しいものである。
 漫画が大衆の読み物からいつしか左翼(現在の社会を転覆し革命を起こす)の表現の手段に変質してしまった。今後は警戒されながら読まれてゆくのだろうか。