エキスパンションジョイント2016/04/16

JASTニュースから
地震の揺れを分散させたり、吸収したりする

2016年4月14日夜に震度5強の地震に見舞われた熊本市中央区の13階建てマンションは、一夜明けた15日、二つの棟を各階で結ぶ渡り廊下が、1か所を起点に最上階までズレているように見える状態となった。この写真がネット上で拡散され、テレビや新聞などの報道各社も「亀裂が走った」「分断状態になった」と取り上げた。

「震災被害」「マンションの脆弱性」の象徴と見なされそうな写真だが、これは「エキスパンションジョイント」と呼ばれる、地震の衝撃を緩和するための一般的な建築機能によるものらしい。

多くのビルは形や重さの異なる別々の躯体(くたい)をつなぎ合わせて建てられる。メーカー団体「日本エキスパンションジョイント工業会」の発行する「手引き」(14年12月16日版)によると、エキスパンションジョイントは躯体と躯体の間にすきま(クリアランス)を持たせる工法。地震の揺れを分散させたり、吸収したりするため、あえてすきまを作り、躯体の被害を守るわけだ。

外側から見える床には、すきまを隠して建物のデザイン性を保つ金属製のカバー材「エキスパンションジョイントカバー」が取りつけられる。

地震の強い揺れを受けると「カバー」が壊れ、躯体が開いて衝撃を和らげる。これが、遠目から見るとあたかも「亀裂」が入って建物が「分断」しているかのように見えるわけだ。
以上

 地震の揺れで崩壊を防ぐために脆弱な部分を設けて建物全体を保護する設計思想なんですね。
 私の住まいの高層マンション(築43年)では大改修の際、玄関ドアを内側から外側に開くようにし、少しがた付きます。これもドアが変形した際でも開くようにしてあるとか。阪神大震災の教訓と言われます。

コメント

トラックバック