英国のEU離脱2016/06/24

 英国のEU離脱が決まった。これでドイツもフランスも離脱しEUはバラバラに崩壊か?EUは槿花一朝の夢だったのか。

 EUはポーランド人の発案だった。国際共通語もポーランド人のザメンホフの考案で広まったが限定的に終わった。エスペラントの文法の40%が英語を手本にして相互に母国語でない言語にした。今は英語が事実上の国際共通語の地位を占めている。血を分けた兄弟でも生活環境が違い、結婚で違う価値観の相手に影響されて考えが合わなくなってくる。民族は家族の集合体だから彼我の違いが出てくる。習俗や言語も違ってくる。バラバラになるのが普通と思う。

 そこを思想でグローバル化を進めればどこかに無理が出る。第一に共産主義の破綻がある。共産圏は多民族、中小の国家を銃と火薬で囲い込んで一つの経済圏(ソ連)を形成したが70年で崩壊した。EUは合意で一大経済圏を形成してきたがその一角が崩れる。ロシア以外のヨーロッパの旧共産国がEUに加盟したことで繁栄の道を歩むかに思われたが移民政策で躓いた。

 原因は移民の自由なEU間の移動ということにある。EU圏外からの大量の移民が失業につながることで英国の離脱の主因となった。

 国際移住機関(IOM)という世界的な人の移動(移住)の問題を専門に扱う国際機関のサイトを見ると

「もう一つはEUの国以外からEUの国への移民がありますが、制限はあるにしても圏内の移民は自由であるにもかかわらず、圏外からの(第三国からの)移民の数の方が多いのは大変興味深いことです。考えられる理由は何でしょうか。国連の公用語は、英語、スペイン語、フランス語、中国語、ロシア語、アラビア語の6ヶ国語であるのに対し、EUの公用語は23ヶ国語、全ての加盟国の言語が公用語となっています。ヨーロッパは文化的な共通性はあるにしても、非常に多様な地域であって、特に言葉に関してはその壁は非常に高いということが言えます。

 EUの移民政策

EUは、移民政策においても共通の政策をとろうとしていますが、最も遅れている分野です。理由としては、各国でそれぞれ失業率の問題など事情が違うということがあります。産業構造も違うので、移民に対する受入能力も違っています。今の時点で、共通移民政策が確立されているのは、難民対策、人身取引対策、不法移民対策、家族呼び寄せで、「就労目的の移民労働者」、「社会統合」の二つは非常に遅れており、各加盟国の独自の政策に任されている分野です。EUでは、この「社会統合」が近年大きな課題になってきているので、共通基本原則というものを出しています。移民が受入国に対して最も貢献するものは、労働です。その社会貢献を目に見える形にすることによって移民に対する反感を無くしていこう、ということです。また移民の側は受入国の言語、歴史についての知識を持つことが極めて重要といえます。 」

 日本でも経済団体が移民を積極的に推進する。日本人労働者の賃金の低下を促すためであろう。この20年間給与が上がらない原因の1つと考えられる。

 移民を弱者、気の毒な人として人道的に扱う時代は終わった。少数なら人権問題も鑑みて救済された。増えれば多文化共生にも無理がある。移民先で「郷に入りては郷に従え」とはならない。それは日本の在日韓国人を見ても分かる。
 GHQに丸腰にされて暴力の手段が無くなった。怖くなくなると朝鮮人の横行が始まった。また朝鮮戦争で半島から多数の不法入国もあったが日本は対応できなかった。彼らの子孫が、民主党を支持し、或いは帰化して、国会議員に、司法に、メディアに入り込み支配されている。外国人参政権を要求するなど日本の支配を強める動きと知って民主党政権は否定された。

 さて、東洋経済オンラインの記事を一部転載する。
「スコットランドは英国から独立した場合、(1)英ポンドをそのまま利用するか、独自通貨を発行するか、EUの共通通貨ユーロを採用するか、(2)独立後にEUに再加盟することが可能か、(3)英国政府の資産や債務をどう配分するか、(4)北海油田の原油収入やエジンバラに拠点を置く金融業に依存して経済的に自立できるかなど、不透明要素が多かった。

それに対して英国がEUから独立した場合、(1)既に英国は独自の通貨を採用している、(2)域内での査証なし渡航を認めるシェンゲン協定を締結していない、(3)スイスやノルウェーなどのように他のEU諸国との間で自由貿易協定を結び、関税面でのメリットを享受し続ける可能性が高い、(4)金融業の国外移転が懸念されるが、EU内にシティに代わるだけの金融センターがないことなどを理由に、離脱後もこれまでと同等の経済的な地位やメリットを享受できる可能性がある。英国の場合、独り立ちへの不安はスコットランドほど大きくない。」

 いろいろ、離脱のデメリットばかり並ぶが英国にも勝算はあるとの結論で最終的には

「こうしてみると、英国民投票で離脱派が上回った場合の最大のリスクは、金融業を巻き込んだ世界的な金融市場の動揺や景気後退の引き金になる恐れがあることだろう。」

 この予測は中国の経済崩壊を言外に含めている。日本と英国、EUとの関係よりも中国の崩壊がいよいよ現実のものになる。ジャーナリストの福島香織氏の警告。

福島香織 ‏@kaori0516kaori 6月15日
私が中国の駐在員だったら、とりあえず家族を日本に帰国させているレベル。あと、中国の銀行においてある資産をどう脱出させるか悩む。最悪の事態にならないと思うけれど、それくらいはする。

日中記者協定で中国に不利な情報は報道することができない。日本の新聞では分からない情報が入っているのだろう。最近は爆買が減ったという。これが指標かどうかは不明だが何かが起きそうだ。