後見事務2016/09/01

 被後見人の年金受給額の知らせの再発行が届く。事務所でスキャンしてデータを保存。経費を一部追加して本人収支予算表を修正した。ともに監督人へメールで送信した。
 午後、顧問先で顧問税理士に会う。今回の決算を以って会計業務を正社員に引き継いだことを報告した。

財産調査2016/09/02

 終活ともなると依頼主の心も千路に乱れるのであろう。
 公正証書遺言の話から遺産分割協議書の案へと依頼主の考えが変わった。まだ死んでもいないのに遺産分割協議書はない。その心は財産目録の作成であった。財産は基本的にはこのまま順調に自分が死ねば妻に渡したい。子には保険もあるし、現金は若干で良いとしたい。何分、女性の寿命は男性より5年以上も長い。しかし、90歳に近付けば、どちらでもせいぜい1年以内に死んでしまう。身近にもそんな事例があった。女性の寿命の長さを実感するのは夫が80歳前後で亡くなる場合である。
 世に喧伝される争う相続も夫(父)の死まではそんなに深刻ではない。妻、つまり母の死後、子供たちだけになると連れ合いからの助言も入り混じって争う相続が予想される。
 それに、順調に順番に死ねるかどうかは誰にも分からない。妻や子に先立たれることもある。自宅が焼失、損壊することもある。その変更の余地を残しておきたいのである。それなら自分でやれそうなものであるが、法的に有効な文書を整えたい希望で行政書士に依頼された訳である。
 それで財産調査の書類が整ったので見せてもらうと増築部分の未登記の物件が出てきた。更に固定資産税が旧家屋のままの課税であった。非常にまめに屋外調査をしているように見えるが有能な公務員でも見落としもあるのだ。
 かつて、奥三河の落目山に登った。山名の由来は山麓の田地田畑が検地の際に役人の目から落ちたので年貢を納めていなかった。地元では目落ちとダイレクトに言えないので隠語として落目山と呼んだという。寿司ネタのネタは寿司だねのことというごとく。
 不動産登記法では表示登記を義務付け、罰則まである。ザル法とまでは言えないが、法令順守のやかましい現代でもまさに役人の目から落ちた不動産があると知って驚く。教科書的には未登記物件ということになる。ググってみるとこれが案外多いことに二度びっくりした。幸い大工に聞いてもらうと図面は残っていたので、未登記として別記してそのデータを転記することになる。
 但し、子らはすでに自宅を構えている。親と同居することはないだろう。未登記の建物を残したまま転売することは所有権移転登記の手続きもあるので出来ない。古いので土地の評価しかない。建物を解体して更地にして売却すれば登記は逃れられる。
 しかし、これも本人が認知症になれば子に正確に伝えられず、トラブルのタネを残すことになろう。相続後、子がうっかり役場に事の子細を打ち明けると藪蛇になる。役場に相談すると煩雑な手続きと余計な出費で苦労することになる。そんなわけで登記を勧めているのだが。

後見事務2016/09/08

 8/22の年に1度の監査事務から、9/2には不備、不足書類を整えたり、数字を若干修正したりして送信しておいた。先週は2度3度メールで疑問や要望に応答。その後特に連絡はなく収束したらしい。
 昨日は清掃人から請求書が届き、送金手続きをしておく。後少し、通帳記入があるが10月初旬までは一応一段落する。
 前年まで6月末締めがひと月延びたが3か月に1度の監査のスケジュールは変わりないのでまた9月末で締めて10半ばに報告する流れが正常化する。

後見事務2016/09/12

 9/7に名古屋家裁から審判書が来た、と連絡があり、9/8に受領。9/12は病院の請求書が来信したので銀行で相当額を引き出し支払う。同時に後見の報酬を受領した。丸の内で停滞していた事務を処理した。終活の方は増築の未登記部分を処理することと納得してもらったので動き出す。

社長の考え一つ2016/09/13

 早朝7時30分から母校OBの経営者の話を聞く会合に出席。リサイクルトナーのKTK社長の土岐勝司氏だ。赤字企業の再建体験談であるが、結局、特別な秘策はなく、経営とは地道な仕事の積み重ねと知る。
 中部経済新聞朝刊の養蜂業アピ会長野々垣孝さんも祖父から「そんな良い商売はないよ」と突然の大量注文に疑義を呈した。詐欺に引っかかったのだった。以来これを自戒とする。
 日産自動車や日本航空は大企業病に罹り経営不振になった。トヨタは儲かっていても常に社員や下請の尻を叩き、コストダウンに余念がない。豊田社長は現場主義を標榜する。この違いは何なのか。リーダーたる者率先垂範は真理である。
 行政の分野でも名古屋市の河村市長のひそみに倣い小池都知事も報酬を半額に下げて都政改革に挑む。社長は自ら汗を流す姿勢を社員に見せることで会社の経営改革を成し遂げる。
 私が住宅ローンを交渉した際、信金の担当者が言った。会社は社長の考え一つなんですよ、と堅実経営の勤務先を信用して融資してくれた。「社長の考え一つ」という言葉、これに尽きる。
著作
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E2%80%95%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E9%83%A8%E5%86%8D%E7%94%9F%E3%81%AE2%E5%B9%B410%E3%83%B6%E6%9C%88-%E5%9C%9F%E5%B2%90-%E5%8B%9D%E5%8F%B8/dp/4478082502

コスモスあいち総会2016/09/15

 9/14は午後からコスモス愛知の総会だった。行政書士による成年後見制度の取り組みの別組織である。成年後見に必要な専門知識を得て業務につくために教育も実施している。発足時は約70名くらいだった。中々増えなかったが今年は94名になった。
 コスモスあいちは全員が徒手空拳の素人集団ではなく、尾張一宮地区のアイサポが母体となって発足している。当初から手慣れた運営ぶりはそういうことだったのだのだ。しかし、広報の成果は思わしくなかったから退会者も多かった。
 特に名古屋地区の広報が手つかずと知ったのは今年3月ころだった。同業の民法研究会で知己になった人の中に広報担当がいた。若くもあり積極性を買って4月から応援をし始めた。伝手を頼って講習会用に施設利用を交渉したり、メディアにも力を入れた。これらは今までにみな実現している。
 今後は広報の成果が現れる。具体的にはコスモスの会員全員が仕事を得ることになる。
 2025年問題もあり、世の中は急速に高齢化が進んでいく。すでに生まれる数より死ぬ人の数が増えている。政府の医療費支出も増加中である。死亡する前に病気があり、認知症も含まれる。医師だけでなく、葬儀関連、福祉関連も人は不足する。成年後見人も不足する。つまり個人的な才覚を生かすビジネスとしてでなく、他人のサポートを必要とする社会的要請が背景にあるからだ。
 かつては介護も本来は家族で助けあってやるべき、として社会的な介護制度に反対する意見も多かった。今はすっかり浸透した。親の長命化は家族のリスクになり、自分の人生を生きられないことになる。儒教的な社会観は捨てられたのだった。
 成年後見制度はドイツの模倣の域を出ていないように思うので日本的な改良が必要だろう。親族の横領が多いが士業の横領も多く、高額化して心が痛む。悪事が多発する、しかもばれると分かっていてやるのは制度の欠陥である。課題は多い。

完全シカト2016/09/20

 あるブログで見た言葉。シカトは聞いたことがあるような無いような言葉。カタカナ語だから外来語と思ったが意外や若者の隠語という。

ヤフー知恵袋の回答の1つ
「「シカト」は若者の俗語で、「無視」の意味です。
「フル」は英語の"full"。

つまり、「完全(に)無視(する)」意味です。」

ソース:http://fundo.jp/33517

「【シカトの語源・由来】

シカトは、花札の十月の絵柄「鹿の十(しかのとお)」が略された語。
十月の札は、鹿が横を向いた絵柄であるため、そっぽを向くことや無視することを「シカトする」言うようになった。警視庁刑事部による『警察隠語類集』(1956年)には、「しかとう とぼける。花札のモミヂの鹿は十でありその鹿が横を向いているところから」とあり、この頃はまだ「シカト」ではなく「しかとう」で、賭博師の隠語であったことがわかる。
その数年後には、不良少年の間で使われ、「しかとう」から「シカト」に変化している。
やがて、一般の若者にも「シカト」は使用されるようになった。(語源由来辞典より)」

信託はユズリハ型相続2016/09/25

 ブログ「ゑれきてる」のユズリハを読むと「ユズリハは正月の縁起植物で、ウラジロやダイダイとともに正月のしめ飾り、床飾りや鏡餅の飾りにする習慣が古くからある。新葉と旧葉が互いに譲り合って交替するさまを、新旧交代、子の成長に従い親から子へと世代を譲ることにたとえ、子孫繁栄、新春を寿ぐにふさわしいめでたい木(縁起木)とされた。」とある。その通り、俳句歳時記でも春ではなく、新年の季語に入る。

 依頼人から電話があった。これで登記が完了する見込み。いろいろ考え直すと、過去の相談者にも信託を勧めたことはあるが乗り気ではなかった。今の依頼人も遺言書に乗り気ではない。結局、自分の死をもって断続する資産の継承に不安がある点が共通心理である。するともう少し丁寧に具体的に家族信託なるものを説明してみようと思う。前例が少ないから疑心暗鬼だが信託なら継続的な相続になる。ユズリハは新しい葉が生えてから古い葉が落ちる。例えてユズリハ型相続と言える。つまり委託者は不動産の名義を受託者たる子に書き換えて後に死ぬ。生きている間は受益者である。只、専門家でさえ仕組みの理解に不慣れであり、いわんや家族の受託者においておや。

居抜き物件2016/09/26

 今日の産経ニュースの大見出しにあった語彙。不動産関係者にはなじみの言葉と思われる。
 ウィキペディアには「居抜き出店(いぬきしゅってん)は、出店において、主として同業種の閉店した地に、その旧店舗などの設備類をそのまま利用して出店する、という出店形態である。」
 近辺にも似たような例が多い。緑区にあったイトーヨーカドーの跡に食品スーパーの平和堂が出店している。また緑区にあった家具店の跡に平和堂が入った。

やればできる2016/09/28

 この9月は4月以来のコスモスあいちの名古屋市における広報活動の成果がポッと芽を出し始めたことを確認した。すでに10月には既存の自治体の施設やイベントに参加するのみならず、新たに民間企業の施設を利用してセミナーを開催することが決まった。コスモスあいちの名称が見知らぬ市民の目に触れる機会が急増することだろう。
 9月17日の大原会のイベントもそうだし、メディアに掲載してもらったスクラップを手にした参加者もいた。熱心に質問する参加者もいた。これは動員をかけた人ではなく、明らかにメディアの力で増えたのだろう。
 名駅前の電光掲示板への広告もI先生の尽力で実現した。あっと驚かせた。当面は愛知会のみだが来春はコスモスあいちもやる。
 先週もさる筋に情報源を求めて赴いた。今までにやったことはすべて無駄足にならず、みな実現し、期待以上の速さで進行中である。逆に今までなぜ動かなかったのかと思う。1つは発足時の役員会が尾張地区でNPO法人として活動実績があり、運営自体手慣れたものだと感じて様子見していたからだ。すぐにでも成果があるかの期待があったが何も進展せず空回りが続いた。但し役員の多い尾張地区だけは成果を上げつつあった。要するに名古屋では何も動かなかったから進展もなかったわけだ。そこで4月から動き出したのである。
 受任の実績の成果としてはまだこれからであるが何もないことはないだろう。任意後見契約が増加、市民後見人は振るわず、後見制度の促進などメディアの掲載の頻度が多くなってきた。
 来年は団塊の世代の先頭が70歳に達する。一斉に75歳の後期高齢者に雪崩を打ってゆく時代が近い。すると判断力があるうちに終活を考えることなろう。その受け皿は多いほどいい。
 現在は弁護士と司法書士の独占業務の申請も規制緩和して税理士、行政書士や社会福祉士、社労士にも門戸を拡大するべきだろう。この地盤づくりにはまず地道な広報活動で実績をつくり知名度をアップするしかない。既得権は中々離さないだろうが、しかし、やればできる。