佐藤優氏の講演を聞く2016/11/29

 時事通信社系の一般社団法人内外調査会から佐藤優氏の講演への招待状が届いた。どんな経緯で招待されたのかは分からなかったがすぐにメールで申し込んだ。
 佐藤氏は元外交官であった。近年はメディアの露出も多く著作も連続して出されている。私が読んでいるのは『日米開戦の真実・・・大川周明著『米英東亜侵略史を読む』である。佐藤氏はまだ56歳と若くこれからも出版されるだろう。

 いわゆる外交官の著作は杉原千畝の妻の杉原幸子 『六千人の命のビザ』 (新版) 大正出版、元ウクライナ大使の馬渕睦夫『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く・・・日本人が知るべき「世界史の真実』(悟空出版)、東亜局長の石射猪太郎『外交官の一生』(中公文庫)など。激動の近現代史の中で活躍された外交官のリアルである。

 11/29は講演の日で場所はキャッスルプラザ4Fの鳳凰の間。愛知会が賀詞交歓会や総会をやるのと同じである。会場入りして関係者にごあいさつする。12時から14時までで講演前に軽い昼食が出された。

 佐藤氏の講演はやや難解であった。近現代史の歴史観を期待していたが日露外交の現場にいた外交官の内幕になるのは致し方ない。話は北方領土の返還をめぐる交渉であるが現在進行形の出来事だけに抑えられれているように思えた。ロシアは日本に敗北した過去があるがWW2では日本は侵略された立場と説明された。米軍基地が日本にある限り、安保条約が継続する限り、北方領土返還は難しい気がした。以下は私の妄想である。
 アメリカにとって日本列島は太平洋の覇権を握るための砦になっている。ロシアが凍らない港を欲しがって戦前は朝鮮半島を南下するうごきがあった。それを阻止するために清朝を目覚めさせようと画策するが動かず、日清戦争になった。続いては日露戦争になった。これらは防衛戦争であった。アメリカが日露の間に入って講和を介在すると同時にオレンジ計画を立てて日本を警戒し始めた。オレンジとは黄色人種の謂いだろう。
 日本がアメリカとつながっていると中国もロシアも太平洋に出られない。ロシアは簡単には領土返還に応じない。中国は太平洋にでるため尖閣を狙い沖縄の帰属を日本から奪いたがっている。こうした複雑な国際政治の中で外交官らは探り合っている。世界が腹黒いのは常識と知っている。日本には外交がない、外交が下手とかの批判が多いのも頷けるが動きづらい立場ではある。
 トランプが大統領になる来年はどうなるか。とりあえず12月半ばプーチンが来日する。朴韓国大統領がこの時期に狙うかのように辞任表明に追い込まれた。リークしたのはアメリカか。在韓米軍は2016年で撤退という観測は前からありそのお膳立てなのだろうか。
 撤退すると北が南下してくるのは必至。第二次朝鮮戦争になる。自衛隊が在韓米軍に協力する形で肩代わりするのだろうか。北にはミサイルや原爆がある。韓国が北の原爆やミサイルを保有すると更に厄介なことになる。安倍政権が韓国に対してあいまいなのは外交のパイプを持続させたいのだろう。戦前はアメリカが公館を閉鎖する形で撤退した。そこへ日本が出て行かざるを得ないようになった。罠にはめられたと思う。アメリカは計画的だが日本はその場その場の対応しかできない。韓国の軍備は北に対応する以上に過剰とも言われる。それは基本的には日本への侵略の意図があるからだろう。すでに危機に陥ったと思われる。

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