終活を考える~平成28年度なごやかクラブ天白友愛活動研修会に出席して2017/02/16

 2/15、午後1時30分から表題の会合があり、応援に出席した。場所は原駅の天白小劇場4F。主催はなごやかクラブ天白(天白老人クラブ連合会)天白区役所福祉部。司会は区労連理事の土井政一氏。1時半、開会の言葉が区労連副部長の宇佐美昭諦氏ではじまり、区労連会長の柏原賢次氏が主催者としてあいさつされた。また区役所福祉部長の川岸義親氏が続いた。
 1時40分からは講演がはじまった。演目は「遺言書と任意成年後見制度を利用しよう」である。講師は一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター・愛知県支部(コスモスあいち)の広報部長で特定行政書士の伊福泰則氏が務めた。遺言書は行政書士の業務体験とコスモスが取り組む成年後見制度のあらましを述べた。特に任意後見と法定後見の違い、自由度の有り様を強調された。
 休憩をはさんで、野嵜義雄氏から笹山クラブ(野並学区)の活動発表が行われた。土井政一氏から八事山年輪会第三クラブ(表山学区)が続いた。閉会の言葉は区労連副会長の安江春彦氏が閉められた。
 冒頭からの諸氏のあいさつの中で天白区の人口は163000人で65歳以上は22%の35000人と言われた。女性の数が多い、という。男性の方が数年早く死亡することが原因だろう。高齢化が進むと女性の数はもっと増えるだろう。また、クラブの入会者でも女性が多く、男性は少ないとか。男性の入会者数を増やすのが課題という。様々なシニア関係の書籍からも男性は定年退職後、地域社会に溶け込みにくいことが指摘された。女性は子育ての関係で学区単位の人間関係が生まれるのに対し、男性は定年後は人間関係を絶たれる。趣味のサークルでもないと家の中に埋没することになる。
 戦後日本は五六協定で労使協調が叫ばれ、会社員の生活の安定化がはかられ、多くが会社員化してきた。それが健康保険と厚生年金や企業年金の充実である。企業に長く勤めるほど有利な仕組みが作られたわけだ。会社員の妻にも年金が支給される仕組みもできたわけだ。男は会社に人生を捧げ、妻は子を産み、育て、銃後の守り=家庭を支えよ、というわけである。当時は55歳で定年で、70歳くらいが寿命であった。退職金で貸し家を建てて、人に貸し、家賃のあがりを年金代わりにして老後の生活費にした。健康知識と医療の充実、食事の豊かさ、生活環境の充実で寿命が延びて男性でも80歳前後まで存命する時代になった。定年は60歳に延び、年金支給も65歳からとなって今は65歳まで働くことが常態化した。約70%は65歳まで働く。しかし、年金は国家負担の軽減で減額される傾向にある。死ぬまで働く社会になり、国もそれを呼び掛ける。つまり、地域社会は今後も男性の参加が増えることはないだろう。年金の多い大企業OBと公務員の退職者以外の90%くらいは働き口を求める。
 私も60歳で定年後、天白区で俳句会を結成した。中日新聞販売店発行のミニコミ誌で会員を募ると70歳代の女性4名、大企業の定年退職者の男性1名(当時70歳)が集まったことでも分かる。70歳を超えてやっと老後が訪れるのだ。そこから十数年後が余生である。老人クラブには区役所からも町内会を通してイベントに1人9000円余りの補助金がでるという。
 話は変わるが、40歳から45歳まで所属していた短歌の結社がつい最近解散状態になった。主宰(所属していた頃は男性で女性に代わり、その後は男性)の高齢化で短歌の投稿雑誌の発行が困難になったようだ。歌人(短歌)は女性が90%以上と言う女性社会である。また、もっと以前には女性だけの300人以上の会員を擁して、ハイキングのガイドブックを発行していていた山の会も会長の高齢で解散状態に追い込まれている。中国の俚諺に雌鶏が時の声をあげると国が亡びるというのがある。韓国は崩壊寸前だ。ドイツもおかしい。女性優位はいびつな社会を作り出す典型であろう。男性復権が望まれる。
 話を戻すと人工過密の都市における地域社会は中々に難しい。価値観の多様化でまとまるのは無理である。それでもこのような老人の組織化も大切なんだろうとは思う。私自身がもう少し枯れないとよく理解できないかも知れません。