生活保護の相談③2017/11/06

 朝一で地下鉄に乗車、市バスに乗り換えて徒歩で区役所へ向かう。待ち合わせ場所で依頼人と合流し、区の相談窓口で予めアポをとってあったS係長と相談した。様々な切り口で相談して依頼人の生活困窮を少しでも解消する方策を引っ張り出したかったが、結果は生活保護費の受給は出来ないこととなった。
 そうかといって現時点で生活費の不足はいかんともしがたく、何らかの方法をださねばならない。市営住宅入居とか、困窮者向けの融資制度の紹介もしてもらった。或いはリバースモゲージの紹介もあったがこれは意外だった。その中で融資の窓口は社会福祉協議会ということなので区の方は一旦引き上げて社会福祉協議会に同行した。
 融資制度の紹介から話を引き出したが、結果はノーだった。そこで内職の勧めがあった。こんな窓口でも内職の斡旋があるのは意外だった。融資は利息をつけて返済せねばならない。小額でも労賃であれば返済はしなくとも良い。
 何でも当って砕けろというごとく、話はして見るものである。これで結論が出たことにはならない。それでも依頼人が自分の頭で窮状の打開策を考えるヒントにはなった。

 人生は自己責任である。どう生きるか、それは本人の意思に任されている。生活保護の申請にも至らなかったのは残念だが、自助努力で打開できればそれは大いなる自信になる。

 豊かな国・アメリカではフードスタンプが知られている。ウィキには「フードスタンプ (Food Stamp) とは、アメリカ合衆国で低所得者向けに行われている食料費補助対策。公的扶助の1つ。」「形態は、通貨と同様に使用できるバウチャー、金券の一種。一般のスーパーマーケットでも使用できる。対象は食料品であり、タバコやビールなどの嗜好品は対象外となる。」ということで、生きてゆくためには食料は絶対なので食べ物を買う費用を金券で支給している。比較すると日本は現金なので不正受給が後を絶たない。収入をごまかして詐取するニュースを時々、目にする。アメリカの金券でも売買があるらしく似たような問題はある。
 大切なことは行政の相談窓口をオープンにして、生活困窮者に対して冷たい対応や門前払いの無きよう切に願う。
 当職としては今、考えられるだけのことはやった。精一杯の知恵を絞った。何とか生活再建を果たして欲しいと願う。