小堺桂悦郎『新版なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』2011/09/28

 またまた表題の搦め手で書かれた会計の本が出版された。フォレスト出版。2011.9.16。単行本は2006年に出版されて当時の書籍の広告欄でよく目に付いた。ベストセラーになったらしい。
 この本も以前に紹介した会計本の内容とそんなに変わりない。正統な会計の解説書は山ほどとあるがどれも難しい。それを分かりやすく解説した内容が受けた。何より、ベンツの4ドア云々は耳目を引く。
第1章 なぜ社長のベンツは、中古の4ドアなのか? 資産の経費化と耐用年数
第2章 なぜ、年商の四倍の借金のある旅館が潰れないのか? 資金繰りと決算書
第3章 なぜ、イケイケの会社が倒産してしまうのか? 資金繰りと決算書
第4章 なぜ、借金社長は税金を払いたがるのか? 粉飾決算
第5章 なぜ、ラブホテル経営者は税金を払わないのか? 税金と税務署
第6章 なぜ、社長は生命保険が好きなのか? 経費
第7章 なぜ社長は失敗しても投資を続けるか・・投資と設備投資の話
 他、経営者が気になる、気にしている項目を並べて解説。ライバル書も大体似た内容になるのは当然だろう。
 少し前の中小企業経営者の奥様である相談者も主人は失敗しても投資ばかりしてる、と嘆く。第7章には「そう経営者は投資が好きなんです」とある。地味な経営では飽きがくる。リスクを背負っていないと生きている気がしない。それが経営者の性というもの。
 投資の好きな言わばチャレンジ精神旺盛な経営者を苦しめる敵役としていたるところに耐用年数と減価償却のことが絡めてある。これも稲盛会計学の他の本と同じ。

 これの解決策としてファブレスメーカーという形態が生まれた。WIKIのファブレスから引用すると「具体的には、製品の企画設計や開発は行うが、製品製造の為の自社工場は所有せず、製造自体はEMSに全てか大半を委託し、製品はOEM供給を受ける形で調達し、自社ブランドの製品として販売する。ファブレスの形態でも自社工場を所有しているメーカーは存在するが、この場合は修理工場としての機能に特化していたり、製造機能を持っていたとしてもEMSに委託しにくい特殊な少量受注生産の製品等極小規模な生産機能に限定される。」とある。
 開発・企画・設計は自社で行い、生産は委託し、販売は代理店に委託すれば開発・企画に特化できる。会計的には非常にシンプルになる?
 会計学的に言えば工場を構えて生産する会社は大変だって事、営業網を整備して売ることはもっと大変なこと。
 経営に王道はないのですね。だから会計の仕組みを知っておくことは大変有意義であるわけです。本書の狙いもそこにあるわけです。