勝海舟のシナ観2015/03/03

 講談社学術文庫『氷川清話』勝海舟 江藤淳・松浦玲編から

 以前から幕末史をかじってきた。昨夜、以前読んだはずの表記の本を取り出して再読した。あらら、何だ、この活き活きとした文章は。徳川慶喜を読み、八面六臂の活躍の影武者のごとき勝海舟であった。
 四章の日清戦争論と中国観の小見出しを読むと実におもしろい。
おれは大反対だったよ
いま悟ったのか
支那は国の戦争には不向き
支那は平気でいるよ
支那は国家ではない
実力はみな支那人の手に

 上記の見出しをみるだけでも内容は察しられる。

 今日の東アジアの混乱は日本が招いている面もある。
 日本防衛のため、支那保全のために中国大陸まで戦争をしに、遠征してしまった。支那を打ち負かしてしまったために、日本ごとき小国に負けるくらい弱い国だったのか、と列強の付け入る隙を与えてしまい、かえって、日本は追い出される始末である。

 「支那は国家ではない」という視点。今も人民解放軍は国家の軍隊ではなく、中国共産党の毘沙門天(守護神)のごとき、である。天安門事件では多数の中国人民を虐殺している。目からうろこの見方だ。

 「支那を懲らすのは日本のために不利益であった、ということを世間の人は今悟ったのか。」島嶼問題、経済問題など反日で厄介な中国に対して、日本の国民感情は最悪に達している。貧しい中国に手を差し伸べ、謝罪を繰り返し、増長するばかりである。だからといって、戦争は良くない。わざと負けて、日本を大陸におびき寄せて、投資をさせる。支那人は外国に占拠されても平気という。それを支那人は弱い、と見た戦前の日本人の視野の狭さが浮き彫りになる。

 「一体支那五億の民衆は日本にとっては最大の顧客さ。また支那は昔時から日本の師ではないか。それで東洋のことは東洋だけでやるに限るよ。」と言っている。

 平成の日本にも春節の休暇を利用して、日本の商品を大量に購入して行った。爆買いというらしい。関係筋はほくほくだろう。
 勝はアジア主義者だったのか。孫文を随分支援したじゃないか。山田兄弟がいた、梅屋庄吉もいた。それで裏切られた。アメリカは中国を篭絡した。人を垂らしこむ、丸め込むことがうまいのだ。中国人には日本の誠意がよめず、アメリカに靡いてしまい、アジアは今も大混乱している。
 そうやりたい人は多かったのに、アメリカが邪魔してやらせなかった。アメリカは蒋介石軍に大量の軍事支援をして、アジア人同士を戦わせ、消耗させた。孫子の国を手玉にとるなんてアメリカの悪ぶりが理解できよう。

 P340の「苦しくても外債を謝絶」とある。当時ロシアから貧しい日本のふところを見て、(札幌を抵当に)カネを貸そうという話があったが、断ったというのだ。500万円借りて100万円を着服する?するもりなら安楽に隠居できた、と。
 日本の1000兆円を越す国債残高にも中国、韓国等へのODAがかなりあるだろう。バックリベートで金持ちになった日本の政治家もいるだろうな。それと商社も。

 P353の「さすがに支那は大国」の見出しは中国を舐めるな、ということだ。日中の長所短所を考えると支那人の一度決めたら決して退歩しない国民性が恐ろしいと言っている。
 すると、尖閣諸島をかならず奪いにくるだろう。成功すれば沖縄に進出し、太平洋に出てくる。今の日本では、中国の潜水艦の性能の悪さ、空母の運営は難しいなど日本優位の言論が多い。これはいつかは出し抜かれる。日本のような人使いの荒い社会より中国での優遇に甘んじて引っ張られる技術者もいるだろう。すると技術的優位はあっという間にひっくり返る。韓国のサムスンに負けたように。
 するとアメリカに頑張ってもらいたいが、かなり疲労もしている。在韓米軍は2015年末、朝鮮半島から撤退するという。戦前、ルーズベルトが韓国から在韓公館を撤退して、日本の行方を見守った話が彷彿する。今から見れば半島を不安定にして日本を中国大陸に誘い込むのが狙いだったのだ。
 アジア人同士争わない。少なくとも悪賢い欧米の策略に乗せられないようにして欲しい。ここは一つ安倍首相に知略を尽くしていただくほか無い。今、幕末と少しも変わらない激動の世界に生きている気を起こさせる。名著たる所以だろう。