坂東忠信『新・通訳捜査官』を読む2012/06/20

2012.6.7刊行。経済界・経済界新書シリーズ。特異な経歴をもった外国人雇用防犯コンサルタントとして活躍中の人。
プロローグ 天国から地獄と化すガサ入れ
 ある日の夕方、名古屋市錦の繁華街の一角を歩いていると、八頭身のスレンダ-な体型の中国人女性が携帯電話を片手にたむろしていた。会話の断片で中国語と分かったからだ。彼女らには出勤の時間のようだ。ある日の新聞には、偽装結婚で来日し、錦で売春で働いているという報道も見た。きっと彼女らか、と思った。
 見出しのガサ入れとは違法営業の現場に踏み込んで、現行犯逮捕すること。著者は元「通訳捜査官」という余り馴染みのない職業である。ここに書かれたのは中国人の管理売春の現場なので当然、堪能な中国語を駆使してのガサ入れとなる。まるでドラマのようだが、現実である。
 日中関係がおかしくなっているという。尖閣諸島ばかりではなく、日本の繁華街も中国人が偽装結婚してまで、侵略し、稼いでいるようだ。夜遅く、事務所を出て、丸の内駅に向かうと、携帯電話片手に中国語で話しながら、片手運転する女性も見かける。深夜まで営業する中国料理店は大抵、本場の中国人が営業している。コンビニでも中国人のレジが日本人と変わりない対応をする。
 在日中国人の急増とともに犯罪も急増するのは道理である。
 本書は中国語専門の通訳捜査官として活躍された時代の貴重な体験を叙述された。
第一章 通訳捜査官が見た中国人
 「調べ室という密室の中に、刑事と被疑者と通訳(通訳捜査官)の三人しかいない。ただし、通訳捜査官は警察官だから、相手の言い分に突っ込みも入れずに通訳だけやっているわけにはいかない。」そうだ。「語学の他、被疑者の国の文化風習、習慣、なども参考にしながら、普通の刑事が気にもとめないような被疑者の矛盾点もほじくり返して、真実解明のため鋭い突っ込みを入れるというオプションがついていなければいけない」そうである。
中国人の感覚はこんなに違う例として
1.約束とは守らせるべきものらしい。
2.反省とは相手に求めるものらしい
3.謙虚:「中国人はつねに自己主張の中でぶつかり合いの中で生きている」ので謙虚な人は滅多にいないとか。
4.「彼らの歴史に関する参考資料は、情報統制を受けたTV,検閲を受けた本、そして根拠のないネット情報であり、しかも本を読む習慣はほとんどない。」「実際に中国の家庭では本のない家も多く、歴史問題に関して自分で勉強したとはとても言い難い」
5.「中国共産党の黙認(扇動)によって大規模に展開された反日運動ひとつとっても、運動に参加した中国人はお祭り気分で、日本車をコピーした国産車をひっくり返して気勢を上げているレベルだ。」
6.ウソ:自分の負い目は棚に上げ、相手のウソや些細なミスには徹底した突込みを入れるのが常」これは駆け引きという。
 P57には「都会で生活する中国人の場合、中国にはない日本の住みよさを手放したくなくなり、不法滞在を手助けする行政書司(士のミス)の法的裏技に頼ったりすることも多い。」は気になります。「出入国管理及び難民認定法」略して「入管法」は、こうした密入国者や不法滞在者を逮捕の対象としている。しかし、今や、この法律にもひっからない合法的不法滞在者が増えているのだ。それが「なりすまし」である。
 以下は購入されて、お読みいただきたい。絶句してしまいます。

坂東先生自身が登場するユーチューブです。
http://yukokunissi.seesaa.net/article/272117418.html
2012年7月9日からの改正入管法
「外国人住民登録制度の落とし穴」①と②

第二章 リトルチャイナの拠点を作った密航者たち

第三章 追い詰められた犯罪者たち

第四章 取調室の戦い

第五章 危ない国・日本