森口朗『自治労の正体』(扶桑社新書)を読む2017/11/10

 今、急速に話題になっている本だ。アマゾンでも労働組合のカテゴリーで1位になっている。これを読むと、民主党がなぜ消費税増税に賛成したのか、はっきり分かった。実は一部が地方消費税になり、地方自治体へ還流してくるのである。したがって税の減収を理由に給与の減額にならずに済むからだ。
 チャンネル桜のコメントからコピペすると
「自治労、連合が消費増税に賛成するからくりがあるわけだ。
消費増税を認めさせる代わりに財務省などが地方自治体らに甘い汁を吸わせる。
それが奴らの更なる資金源や給与アップに。
自治労、連合が政党をうごかす。
保守派の政治家も屈せざるを得ない地方自治体の構造。
地方消費税は都道府県の収入でその2分の1が市町村に交付。それを上げる。
軽減税率で新聞を取り込む。
イオン岡田民進党が10%増税に固執した理由はこれか。
財政云々、本気で消費税を増税しないと日本が財政破綻すると思っているように喧伝しているのも目くらましか。
このカラクリを完全に暴けば、他のサヨクやルサンチマン渦巻く国民は怒り心頭だろう。
庶民の味方のふりをしながら、結局はてめえたちの利権拡大だったとなれば、えらいことだ。
これは政治的空白を埋める戦える保守系政党を作る大チャンスでは?浮動票、無党派層も取れるのでは?
介護報酬削減、農協解体、診療報酬削減、種子法廃止等々、自民党のグローバリズム政策、新自由主義構造改革で痛い目に遭っている業界、安倍自民に落胆している保守層。
民泊などのインバウンド政策に嫌気がさしている国民も増えている。
移民の増加にもだ。
反緊縮、反グローバリズム、反消費増税、反移民等々を掲げ、マスゴミや反日野党が指摘しない、事実真実、建設的かつ具体的政権批判をする、一億総中流を掲げる保守政党が出来れば、自民党の相当の脅威になるのではないだろうか。問題は選挙戦で戦える知名度と資金か。
なにか大きな流れがやってきていると考えるのは楽観すぎるだろうか。」
以上のコメンテーターの通りですね。そういう政党ができれば参加したいと思う。
 1まず給料からの天引き廃止  資金源を断つ

 2公共施設の無償利用中止  当然の出費として資金を出させる

 3さらに言えば、事業の民営化促進  公務員数の削減、学校給食の廃止、等など多々ある。

 公務員は第四の富裕層だがそうさせたのは自治労だったのか。貧困対策の前に自治労を解体しないと様々な政策の反対に会いそうだ。学校給食で働くおばさん、交通整理のおばさんも年収800万円と促聞した。組合さまさまなのである。 
 私の山の友人でも愛知県職員は60歳の平で年収800万円、郵便局員でも60歳で年収800万円だった。勤務先で800万円といえば課長級であったから公務員の優遇ぶりが分かる。
 自治労には加入していないだろうが、名古屋市中区の区長は退職後、外郭団体を1年ごとに異動するたびに退職金1000万円をもらったと自白され、怖くなって3年で辞めたそうだ。「私は小心者です」と言われたが、堂々と税金を食んでいる公務員もいるのだ。
 河村市長よ、しっかりしてくれ。知らぬは納税者ばかりでは馬鹿みたいだ。

宮脇淳子『日本人のための世界史』(KADOKAWA)2017/03/23

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)3月3日(金曜日)通算第5206号 <前日発行>から転載。
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 書評 BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 世界史から抹消されている二つの帝国
  だから世界史はつまらない暗記学問として人気がないのだ

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宮脇淳子『日本人のための世界史』(KADOKAWA)
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 世界史の教科書がおかしい。
 ま、日本史の教科書がまるでおかしいから、世界史教科書がまともであったらへんなことになるのだが、歴史を解釈する大事な視点が異なると、欧米の改竄史観が、日本史でも世界史でも、応用され、ただしい歴史観は片隅に追いやられるか、消される。
 世界史から消された「二つの帝国」がある。
 真実をしれば、世界史の真実が見えてくるのだが、その前に簡単な序説として、たとえばコロンブスのアメリカ大陸の前にカリブ海にいた先住民族の歴史はどうなるというのか、英国人探検家がヴィクトリア瀑布を発見したと言うが、ずっと以前から当該地区には先住民が暮らしていた。
 コロンブスはジェノバで鄭和艦隊の海図をみて、大航海を思い立った。だからコロンブスが大航海時代の先駆者という西欧歴史学評価は、あまりに西欧先制主義である。
 マルコポーロは日本が黄金の国であると世界に吹聴した。マルコポーロは甘粛省に一年以上留まっているが、日本に来たことはなかった。
 消された文明はマヤ、インカ。。。。シュメールも、スキタイも詳しいことは判っていないし、ホメーロスの歴史は、シュリーマンがトロイの遺跡を発見したことによって、神話ではなく、本当の話であることがようやく判った。

 世界史の教科書から消された「二つの帝国」とは、モンゴル帝国と日本が世界史のプレイヤーだった「大日本帝国」である。
 「戦前の西洋史と東洋史はいちおう、それぞれ古い時代から近代に至るストーリーがあり、話の辻褄も合うものでしたが、それを合体させた戦後の世界史は、西洋史と東洋史を年代ごとに輪切りに並べた」(中略)。このため「人気がなくなった」。
 しかも「現在の世界史のもとになっている、戦前の西洋史、東洋史そのものにも大きな問題があります」と宮脇淳子氏は最初に言う。
 「現在の中国やロシアは、十三世紀にはモンゴル帝国の一部でした。ドイツやハンガリーもモンゴル軍の侵略を受け、モンゴル軍はもう少しで、ヨーロッパ全土を征服する」筈であった。
つまりモンゴル軍はウィーンまで行っていれば、いまごろ西欧は学校でモンゴル語を教えていただろう。
 ちなみにシベリアの語源であるシビルは鮮卑である。鮮卑は隋、唐を開いたが、漢族ではない。
 こうした真実の歴史が消されたのは、中国にとってもロシアにとっても、インドも、イランもモンゴル軍に占領された事実を隠したいからで、とくに日本の歴史教科書にいたっては「戦後の日本は自らの視点で歴史を構築することなく、他国から言われたものを世界史として受け取ってきたからです。中国や韓国にとって大日本帝国の位置づけはつねに悪であり、世界の主要プレーヤーではありません。だからこそ日本人自身も」、自虐的史観の罠に嵌ったのである。
 したがってモンゴル帝国と大日本帝国という二つの帝国が、「人類の歴史にほんとうに大きな役割をはたしたにもかかわらず、いまの世界史では無視されています」と宮脇氏はまとめるのだが、歴史の真実を私たちは、そろそろ知っておく必要がある。

事大主義2017/03/13

 宮崎正弘の国際ニュースから
・・・宮崎氏は足で情報を稼ぐタイプの評論家である。まめに各国を歩いて見聞をものしたアップツーデートな書籍が好評。その宮崎氏が3/15発売に先駆けて書評を著した。
 
書評:余命三年時事日記『共謀罪と日韓断交』(青林堂)
ソース:http://melma.com/backnumber_45206_6499270/
 全文はソースにアクセスしていただくとして、最後の方のみ転載する。
「明治以来、日本は「(朝鮮を)近代化させようと様々な援助を行ったが、朝鮮人は独立心に目覚めることなく、これまで事大していた清の代わりに、こんどはロシアに事大する」
 すなわち「朝鮮人とはいうのは有史以来の筋金入りの属国民であり、常に大国に事大していないと落ち着かないのである」
 つまり、韓国とは断交してしかるべきであり、経済制裁を加えることから始めよう、むしろ日本が今後構えなければいけないのは核武装する朝鮮半島が目の前に出現するという恐怖のシナリオではないのか、としている。
 日本の世論、静かなところで、大きく変わっている。」

 分かっているようで分からない事大主義とは何か。事は「つかえる」と読む。大につかえるから事大の漢語になった。
 
 つくづく朝鮮半島は地政学的に難しい地域である。

 検索で深堀してみると
 IRONNNAで宮家邦彦氏の論考「事大主義とは何か」がヒットした。
「日本の嫌韓派の人々が韓国を批判する際によく使う言葉が、「事大主義」の弊害なるものだ。事大主義といっても若い読者はあまりピンと来ないだろうが、北東ユーラシアの地政学を理解するうえで、「事大主義」は「華夷思想」「冊封体制」「朝貢関係」などとともに、必須の概念だといえよう。
 事大主義とは、「小」が「大」に事える、つまり、強い勢力には付き従うという行動様式であり、語源は『孟子』の「以小事大」である。国語辞典によれば、「はっきりした自分の主義、定見がなく、ただ勢力の強いものにつき従っていく」という意味で、たとえば次のように使われる。
 事大主義とは朝鮮の伝統的外交政策だ。大に事えるから事大。この大というのはむろん中国のことなのだが。つまり中国は韓国の上位にある国だったから、そこから侵略されても、ある程度仕方がないとあきらめる。しかし、日本は韓国より下位の国だ、だから侵略されると腹が立つ。上司になぐられても我慢できるが、家来になぐられると腹が立つ、という心理だ。(2013年12月16日付『NEWSポストセブン』)

 朝鮮は、中国に貢ぎ物をささげる朝貢国として存続してきた。大国に事える事大主義の伝統が抜きがたくある。日本が近代化に懸命に汗を流しているころも、官僚らは惰眠をむさぼり、経済も軍事力も衰亡していた。その朝鮮を国家として独立させ、西洋の進出に備えようというのが日本の姿勢だった。(2014年7月19日付『産経新聞』WEB版)
以下略
全文はhttp://ironna.jp/article/563

 朝鮮半島に核武装した統一国家が誕生するシナリオは当然描かれていると思う。今でさえ、皇居や東京駅に焦点を当ててミサイルをぶち込まれないか心配だ。ネット上ではスカイタワーに照準を当てている説もあった。
 日本は懐が深すぎるように思う。韓国名を堂々名乗る政治家もいて当然反日である。それよりも日本人の親韓派であろう。マスコミの20%は韓国系という説もある。日本の内部が相当侵略されている。
 帰化日本人でも3代までは被選挙権を制限するとか、マスコミには帰化日本人は入社させないとかの対応が必要である。なぜか大学教授にも韓国人を多く採用している。
 日本の大企業の定年退職者も韓国、中国の企業には再就職を制限する必要がある。ノウハウや技術のキャッチアップを防止するためだ。一衣帯水の国との幻想は捨てるべきだ。教えてもらってありがとうと感謝される期待は無理だった。日韓断交はやむなしだ。

『失敗の本質』ブームに思うこと2017/01/23

 2016.11.17のFBから転載。
 今日、丸善に行ったら、中公文庫『失敗の本質』が3X3列で平積みされていた。破格の扱われ方だ。東北大震災後、池田信夫氏が紹介してブームになって以来、又してもブームか、とググると小池都知事が9/23の定例記者会見で豊洲問題の報告として「座右の書」を引用したらしい。アマゾンで検索するとベストセラー1位にランクされた。30年前の本がベストセラーかつロングセラーになっている。
 読売新聞からコピペすると「私の座右の書が『失敗の本質』というタイトルで、日本軍がいかにして負けたかという本です。楽観主義、それから縦割り、兵力の逐次投入とか、こういうことで日本は敗戦につながっていくわけですけれども、都庁は敗戦するわけにはいきませんので」と述べた。
 しかし、本書は店頭で手には取るがいつも置いた。
 積読でも買うことの多い私であるがなぜか、拒否反応がある。それは日本軍の組織論的研究という副題である。
 戦争を知らない学者たちが後講釈から学ぶことはあるか。囲碁でも将棋でも岡目八目というように当事者でなければ欠点を指摘しやすい。ましてや日本軍の責任者は絞首刑になった。反対尋問はあったというが通らなかっただろう。始めに処刑ありきだ。
 執筆陣は戸部良一(1948~)は歴史学者、寺本義也(1942~)は経営学者、鎌田伸一(1947~)は経営学者、杉之尾 宜生(1936~)は戦史研究家、村井友秀(?)、野中 郁次郎(1935~)は経営学者の6名。
 日本の敗戦を一方的に失敗と決めつけているところに引っかかる。 戦前の日本は人種差別撤廃を主張した。アジアの植民地解放を願った。
 個々の戦いの戦略はあいまいではっきりしなかったが大東亜戦争の目的は達成したのである。
 識者はアメリカが経済制裁で仕掛けてきた戦争という。この本の巧妙さはここまで踏み込まなかったことだ。
 歴史に「・・・たら、・・・ればはない」という。
 そんなわけでいつも立ち読みで終る。
追記
 後でふと浮かんだ。この本の研究手法はメディアの考え方そのものではないか。つまり、歴史、日本とアメリカの民族の気質即ち狩猟民族と農耕民族の違い、当時の政治経済の状況、外交の状況といった要素をすべて排除して負け戦だけを針小棒大に追及する。
 相手の弱点だけをとらえてメディアで拡散すると分かりやすいから受けるのだ。
 この本をツイッターで紹介した池田信夫氏は元NHKで当時の民主党政権の震災の対応ぶりの拙劣さを攻撃する文脈で用いている。
 9月に愛読書と紹介した小池百合子氏は元テレビのキャスターだ。豊洲の問題で前任者の責任追及の文脈で用いた。
 なるほどメディア受けするわけだ。
 おそらく企業の幹部研修のテキストでも多用されているにちがいない。幹部研修といえば、新田次郎『八甲田山死の彷徨』もウィキに「企業研修や大学において、リスクマネジメントやリーダー論などの経営学のケーススタディに用いられることがある。」とある。
 書名でググるとこれで研修テキストにするサイトがあった。そこでは後知恵の講釈を排したと断っている。この小説も成功と失敗の対立を描いて成功した。史実とは違うが新田次郎はあるいは編集者が読者受けを狙って脚色したのだろう。
 民主党政権以前の自民党の政治家も失言をとらえて前後の文脈をカットして攻撃されて辞任に追い込まれた。
 読者受けする本の書き方はこうすると売れるという見本になる。
 一方、同じ著者グループが姉妹編として書いた『戦略の本質』は余り部数が出ていない。コメント数で類推すると28件、『失敗の本質』は280件とかなり多く、1984年と2005年の時間差もあるが受けなかった。出版界には正編に優る続編はないというジンクスがあるという。その通りだね。
 追記の追記
 前任者の責任追及は良いが、自分を神のごとき立場に見ての、裁断は政治家の考え方ではない。まして都庁は地方自治体である。現実的な対応がいる。女性がもつ細かさ、思い切りの良さは良いが、組織を壊してしまうことがある。雌鶏(女)が時の声を告げると国が亡ぶという。日本社会党は土井党首からおかしくなったごとしだ。消滅寸前である。都庁は消滅させるわけにはいかない。
 敗戦は失敗ではない。勝利は成功ではない。70年後のアメリカは散々ではないか。戦勝国の欧州も散々である。戦勝国側に立つ中国も消滅寸前である。
 いくつかのアメリカ側からの研究により、日本を滅ぼそうという計画があったことが分かってきた。アメリカは太平洋の覇権をにぎるために、パナマ運河を掘り、ハワイを乗っ取り、フィリピンを侵略し、準備万端整えて日本を戦争におびき寄せた。日本はアメリカへの憧憬があった。一部の軍人を除いて敵とは見ていなかった。日本人の考え方は完璧に研究し尽くされていた。暗号も解読されて手に取るように出方が分かっていた。石油禁輸の挑発に乗り、準備なきまま挑戦したのだ。アメリカはやる気満々だった。戦略があいまいなのはそのせいだ。外交努力の破綻、それが戦争と言うものだろう。

『日本人に謝りたい・・・あるユダヤ人の懴悔』を再読2017/01/03

 昨年、トランプさんが米国大統領の選挙で勝った。なぜ勝利したのか、何を期待されているのかを考えているうちに『ユダヤ人・・・ なぜ、摩擦が生まれるのか』の新刊が目に付いた。目次を読むと似たような内容のこの本の書名を思い出して読んだのである。
 アマゾンで調べると丁度4年前の2013年1月3日に購入。当時は1501円だったが、今は何と、8000円から10000円に跳ね上がっていた。
 今の時代、なぜ生きにくいのか、頑張って働いているのに報われないのはなぜか。グローバル主義は幸せになれないのか。なぜデフレが続くのか。日本国としてまとまろうというときになぜか邪魔が入ったり、思いとは反対の方向に向かう。
 中国と韓国はなぜ反日でしかまとまれないのか。ソ連が崩壊して、マルクスレーニン主義を掲げた日本社会党は社民党や民進党に分裂して消滅に向かっているが、日本共産党はなぜ潰れないのか。
 そんな疑問が湧いてきて、読んでみるとなるほどユダヤ人の思想とカネが世界に妖怪としてうごめいていることを知るのである。
 白人優位のアメリカの白人でさえ、グローバリズムの進展の陰で犠牲を強いられていたのだった。グローバルはアメリカの利益とばかり考えていたが、実は国単位の分析では世界はよく見えないのであると知った。トランプさんはアメリカに浸透する国際金融資本と戦った。背景には正直者が馬鹿を見る善良なアメリカ市民がいたわけだ。
 世界史はユダヤ教、キリスト教の確執で推移してきた。複雑なはずである。
 本書の内容説明は「日本国憲法の元となったワイマール憲法は、ユダヤ人が迫害されてきたヨーロッパでユダヤ人政府のワイマール共和国ができたときに、大多数のドイツ人の中に生きるユダヤ人が復権するために作った人民飼い殺し用の憲法らしく、どうせなので日本でもその写しを戦後の日本でも使ってやれ、と適用されたそうです。
 (ちなみにドイツではその危機にドイツ人が感づき、反発でナチズムが横行してユダヤ人が迫害された)
 で結果、日本では物質的豊かさと反比例して、日本人の精神・家族・国家をここまでぐちゃぐちゃにしてしまった。
 で、このユダヤ人の老人モルデカイ・モーセさんは日本人にはいろいろよくしてもらったのに申し訳ない…最後に謝りたい、とこの告白をしたのがこの本というわけです。
 憲法の内容とその効果、資本主義と共産主義をの両方を道具として生き残るための使ってきたユダヤの歴史などを詳しく紹介されています。」とあるようにユダヤの思想に翻弄されてきたのが近代日本だった。
 流浪する民族・ユダヤ人を日本人は差別するでもなく、杉原千畝のようにむしろ人道的に助けたのではなかったか。人種に無頓着な日本人だった。
 敗戦後の占領軍の中にユダヤ人のベテア・シロタ・ゴードンなる22歳の若い女性の身で日本国憲法の人権条項の草案に関わらせていたことを知って驚かされる。日本では明治維新までは男女混浴だったこと、尾張藩の朝日文左衛門は3回も離婚と結婚を繰り返している。妻は持ち物ではなく奴隷でもなかったことまで調べたんだろうか。知るわけない。
 内容の中で、もっともはっとさせられた記述は
 P154の「ロシア革命の実像」である。ロシア革命はロシア・クーデター」だという指摘。
 P157の「ロシア政変というものはユダヤ人解放運動だった」という。
 P158の「アメリカはソ連の助産婦だった」という。
 P165の見出し「社会主義は本質的に侵略性をもつ」だった。
 「日本共産党が外交面で最も強く主張するのは日米安保条約の破棄である。この考えは、アメリカを筆頭とする資本主義国は、一方、社会主義国はもはやそのような要素は止揚されている、とするところからきている。
 それが虚構であることはレーニンの帝国主義論に関する部分をご参照いただきたいが、最近の社会主義国の骨肉相争う戦争について考えててみるに、本来、社会主義国と言うものは疎外の社会経済体制であり、その経済的生産活動は、自由競争原則を奪っているため停滞の極に達しているものである。
 しかも、一握りの独裁者の意のままにすべてが動かされるのであるから、侵略性を秘めている危険性は多分にある。以下略」と喝破する点。
 今まさに、中国が日本を侵略せんと毎日のように尖閣の海に押しかけてきている。尖閣を盗ったら、次は沖縄にくることは指摘されている。
目の覚めるような話。それではどうするか、その答えはない。現実対応するしかない。米中戦争から集団的自衛権を論拠に日本が参戦する。大東亜戦争の清算が始まるのか。波乱の年になるぞ。

佐藤優氏の講演を聞く2016/11/29

 時事通信社系の一般社団法人内外調査会から佐藤優氏の講演への招待状が届いた。どんな経緯で招待されたのかは分からなかったがすぐにメールで申し込んだ。
 佐藤氏は元外交官であった。近年はメディアの露出も多く著作も連続して出されている。私が読んでいるのは『日米開戦の真実・・・大川周明著『米英東亜侵略史を読む』である。佐藤氏はまだ56歳と若くこれからも出版されるだろう。

 いわゆる外交官の著作は杉原千畝の妻の杉原幸子 『六千人の命のビザ』 (新版) 大正出版、元ウクライナ大使の馬渕睦夫『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く・・・日本人が知るべき「世界史の真実』(悟空出版)、東亜局長の石射猪太郎『外交官の一生』(中公文庫)など。激動の近現代史の中で活躍された外交官のリアルである。

 11/29は講演の日で場所はキャッスルプラザ4Fの鳳凰の間。愛知会が賀詞交歓会や総会をやるのと同じである。会場入りして関係者にごあいさつする。12時から14時までで講演前に軽い昼食が出された。

 佐藤氏の講演はやや難解であった。近現代史の歴史観を期待していたが日露外交の現場にいた外交官の内幕になるのは致し方ない。話は北方領土の返還をめぐる交渉であるが現在進行形の出来事だけに抑えられれているように思えた。ロシアは日本に敗北した過去があるがWW2では日本は侵略された立場と説明された。米軍基地が日本にある限り、安保条約が継続する限り、北方領土返還は難しい気がした。以下は私の妄想である。
 アメリカにとって日本列島は太平洋の覇権を握るための砦になっている。ロシアが凍らない港を欲しがって戦前は朝鮮半島を南下するうごきがあった。それを阻止するために清朝を目覚めさせようと画策するが動かず、日清戦争になった。続いては日露戦争になった。これらは防衛戦争であった。アメリカが日露の間に入って講和を介在すると同時にオレンジ計画を立てて日本を警戒し始めた。オレンジとは黄色人種の謂いだろう。
 日本がアメリカとつながっていると中国もロシアも太平洋に出られない。ロシアは簡単には領土返還に応じない。中国は太平洋にでるため尖閣を狙い沖縄の帰属を日本から奪いたがっている。こうした複雑な国際政治の中で外交官らは探り合っている。世界が腹黒いのは常識と知っている。日本には外交がない、外交が下手とかの批判が多いのも頷けるが動きづらい立場ではある。
 トランプが大統領になる来年はどうなるか。とりあえず12月半ばプーチンが来日する。朴韓国大統領がこの時期に狙うかのように辞任表明に追い込まれた。リークしたのはアメリカか。在韓米軍は2016年で撤退という観測は前からありそのお膳立てなのだろうか。
 撤退すると北が南下してくるのは必至。第二次朝鮮戦争になる。自衛隊が在韓米軍に協力する形で肩代わりするのだろうか。北にはミサイルや原爆がある。韓国が北の原爆やミサイルを保有すると更に厄介なことになる。安倍政権が韓国に対してあいまいなのは外交のパイプを持続させたいのだろう。戦前はアメリカが公館を閉鎖する形で撤退した。そこへ日本が出て行かざるを得ないようになった。罠にはめられたと思う。アメリカは計画的だが日本はその場その場の対応しかできない。韓国の軍備は北に対応する以上に過剰とも言われる。それは基本的には日本への侵略の意図があるからだろう。すでに危機に陥ったと思われる。

ワカモノよ!日本を語らおう!!~新憲法タウンミーティング~2016/04/07

開催日時:2016年05月01日

ワカモノよ!日本を語らおう!!~新憲法タウンミーティング~

愛知県名古屋市中区栄4丁目1番8号

http://kokucheese.com/event/index/386926/

<テーマ>
近年の国際情勢の変化により、国家のあり方を左右する安全保障関連法案が成立し、今までになく国民の憲法への関心が高まりました。継続的に開催されている本事業においても地域からの期待の高まりも予見されます。またおりしも本年は日本国憲法制定から70年という節目の年を迎えるにあたり、国家の未来を支える若者及び保護者をターゲットと捉え、今一度市民の憲法への理解を深めていただきます。

<第1部:憲法講義>
●講師
小名木 善行 氏(国史研究家)
テーマ:国柄から憲法を考える『十七条憲法とシラス国』

<第2部:パネルディスカッション>
●パネリスト
小名木 善行 氏(国史研究家)
●パネリスト
武村 展英 氏(衆議院議員)
●パネリスト
山尾 しおり 氏(衆議院議員)
●パネリスト
塚田 薫 氏(作家)
●コーディネーター
河本 大成 氏
(公益社団法人日本青年会議所2013年度 国家グループ担当常任理事)
◆テーマ1:日本国の平和と維持について
◆テーマ2:憲法前文へ日本の国土や歴史の明文化について
◆テーマ3:ワカモノの疑問『憲法の役割について』
以上
 
 いわゆる「ワカモノ」ではないが、入場申し込みしました。
 ブログ「ねずさんのひとりごと」で知りました。
ねずさんこと小名木善行氏は基調講演とパネラーとしても参加。日本は欧米的な法治国家ではなく、「シラス国」の政治に特色があります。その話はねずさんのブログに詳しいです。
シラスとウシハク
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2161.html

シラス国を取り戻す
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2946.html

最近、国立大学が国歌を歌わないと話題になりました。フランスの国歌を調べる機会があり、歌詞をみて驚きました。フランスでは軍歌が国歌だったのです。シラスとウシハクの違いは国歌にも歴然と現れているのです。

♪祖国の子どもたちよ、栄光の日がやってきた!
我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた
血塗られた軍旗がかかげられた
どう猛な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?
子どもや妻たちの首をかっ切るために、
やつらは我々の元へやってきているのだ!
武器をとれ、市民たちよ
自らの軍を組織せよ
前進しよう、前進しよう!
我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!♪

ねずさんの話のことは当日を楽しみにしましょう。

 一方で、今、現代政治の最前線にいて、国会で体を張っている愛知7区選出の衆院議員の山尾しおり氏の登壇も注目しています。彼女は共産主義者ではないが、リベラルの旗手です。元検事です。法律の専門家でもあります。中身の濃い話を期待しています。

 私自身、憲法と平和は卒論のテーマに「憲法9条の改正」を選んで書きました。社会と状況が変われば憲法も変わるべし、が核心です。憲法は法律とはいえ、政治の規範です。対外的には無防備そのものです(でした)。卒論以来40年以上経過しても変化なし。韓国に竹島を占拠され、中国には尖閣諸島が脅かされている。友好関係を謳いながらこの様です。日本の危機です。

 敗戦の結果、アメリカが日本を無防備にしてしまった。軍備破壊、欧米のアジア侵略に関係する書籍の焚書、そして平和憲法の制定。マッカーサーは日本を12歳とこき下ろしましたが、日本が恐れていたソ連の南下を招きました。防共の砦が崩れ、朝鮮戦争が勃発。日本は憲法9条のおかげで命拾いしたというが、アメリカが日本の立場を理解しておれば朝鮮戦争もなかった。米兵3万人の犠牲もなかった。マッカーサーは議会であの戦争は日本の防衛戦争だったと証言しています。血を流してやっと分かったのです。

 この朝鮮戦争で日本へ不法入国した朝鮮人も多い。帰化の支援の仕事をして、韓国戸籍の翻訳を頼んだ韓国人から直に聞いたら、在日韓国人の99%は不法入国者及び子孫という。彼らは今、特に成功者は相続に悩んでいるらしい。手続きが大変複雑ということですね。
 韓国政府の政策は在日韓国人は棄民という。それはブログ「余命三年時事日記」に詳しい。最近は書籍化され、アマゾンで第1位の売れ行きを示す。多くの日本人が事実を知り、覚醒して状況は変わりつつある。

 アメリカは東アジアの平和をぶっ壊したわけです。幸いというか、米・共和党のトランプさんがTPP廃棄、安保条約を廃棄、日本の核保有をそそのかしてくれています。自分の国は自分で守れ、ですって。そんなこと言われなくても分かっている。蛇の生殺しのような米・民主党より分かりやすい。

 トヨタの再建で苦労した石田退三も「自分の城は自分で守れ」というタイトルで本をものにしている。要は銀行からカネを借りると箸の上げ下ろしまで指図される。企業経営の自主性を保つには無借金で、ということを説いたわけです。シャープが借金で苦しむ姿は戦後のトヨタの経営危機にダブります。

 日本もアメリカのお世話になるのは楽でいい。カネもうけだけに専念できる。しかし、良いことはいつまでも続かない。そろそろ観念して自主憲法の制定だ。
 左対右のぶつかり合いから行くべき道が現れる。意義あるイベントであろう。

コスモス愛知勉強会に参加2016/04/01

 18:00~20:30まで東区生涯センターの一室でT先生を中心に議論を交えながら勉強。テキストは遠藤常三郎『改訂版 遺言実務入門』(三協法規出版)。出席者は7名。
1 遺言の内容と方式の決定
2 事情聴取の際に注意すべきこと
3 遺言書作成の動機についてたずねる
4 状況に応じ遺言方式を柔軟に選択する
5 十分な資料を準備した上で遺言書の作成にとりかかる

以上、テキストの記述を読みながら進める。講師を定めて機関銃のように講義されると理解できなくても進行するので消化不良になる。しかし、任意の勉強会では各先生にとって核心部や心の琴線にふれる部分の語彙が出てくると、良い意味での脱線になり、しばし、尽きるまでその話が続く。これは他の先生にとっても無駄話にはならず、有意義な体験談として受け止められる。
 つい最近も、法務相談に当たり、任意後見や遺言書の作成を進めたばかりであった。こうした勉強会でさらに知見が深まる。

参考記事
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160309-OYT8T50045.html?page_no=1

郷原信郎『告発の正義』を読む・・・・焼け野原にならなかった美濃加茂市2015/10/03

 ちくま新書。店頭で見て、平積みの本書のみ残り2冊程度だったのを読んで見た。第5章に美濃加茂市長事件における「告発の正義」があり、購入の動機になった。『検察の正義』につづく2冊目。
 メディアには全国最年少の藤井市長の贈収賄事件として大々的に社会面を賑わせた事件で、世間の耳目を集めたから新聞報道もよく読んでいた。検察主導、愛知県警、メディアも有罪を信じていた事件だった。
 本書を読むと、中林の4億円にものぼる融資詐欺に関して捜査が行われた形跡がない。金融機関側は詐欺に会ったにもかかわらず、被害申告されないとのこと。P166にあるが、悪質融資詐欺の「弁護人による告発」をすることとなった。これにより検察の正義が敗北に追い込まれて、裁判所の無罪判決に導かれた。
 より詳細は本書をお読みいただくことだろう。郷原弁護士のブログもあるので貼り付ける。無罪判決以前は溯れる。

2015年8月26日美濃加茂市長事件控訴審、事実審理開始で重大なリスクを抱え込むことになった検察
https://nobuogohara.wordpress.com/2015/08/26/%E7%BE%8E%E6%BF%83%E5%8A%A0%E8%8C%82%E5%B8%82%E9%95%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E6%8E%A7%E8%A8%B4%E5%AF%A9%E3%80%81%E4%BA%8B%E5%AE%9F%E5%AF%A9%E7%90%86%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%81%A7%E9%87%8D%E5%A4%A7%E3%81%AA/

2015年3月19日組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長
https://nobuogohara.wordpress.com/2015/03/19/%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%81%AE%E9%9D%A2%E5%AD%90%E3%81%AB%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%80%8C%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%8F%B2%E4%B8%8A%E6%9C%80%E6%82%AA%E3%81%AE%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%80%8D%E3%82%92/

2015年3月17日「美濃加茂市長無罪判決に検察控訴の方針」は、「妄想」か「狂気」か
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2015年3月9日「美濃加茂市を焼け野原に」という言葉の意味
https://nobuogohara.wordpress.com/2015/03/09/%E3%80%8C%E7%BE%8E%E6%BF%83%E5%8A%A0%E8%8C%82%E5%B8%82%E3%82%92%E7%84%BC%E3%81%91%E9%87%8E%E5%8E%9F%E3%81%AB%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%A8%80%E8%91%89%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3/

 同時進行で観察してきた事件だった。危うく冤罪になりそうだった美濃加茂市長。私が20代の頃、住んでいた豊橋市でおきた母子焼死事件があり、若い男が犯人にされたが、弁護士のお陰で冤罪が判明した。豊橋事件といわれる。富山事件(氷見事件)も冤罪の記憶を蘇らせてくれる。美濃加茂市の事件も含めて、検察と警察の暴走と言われる。
 最近、知人から娘が検察官になったと父としての喜びのメールをもらったが、気楽におめでとうなどという、返信はできなかった。どうか世間知らずのまま、人を裁いたり、悪事を暴いたり、それを正義と勘違いさせないように人間として導いてやって欲しい。悪人は罪を逃れるためならどんなウソでもつく。涙を流す演技もやる。若い女性検事なんて簡単に騙される。人たらしという。
 本書にも中林の涙を流しながらの証人の態度に女性検事は達成感に溢れて(P176)いるように見えた、とある。検察官は法廷技術だけはしっかり叩き込まれるが、人間としては未熟なまま強大な権限に与えられるから恐い話だ。プライドも高く、何としても立件したい、出世したい意欲が暴走(冤罪)につながる。
 行政書士の当職には関係はないが、一国民として、社会の仕組みと人間の織り成す事件の成立を学ぶために、一読する価値がある本書の読後感であった。

安倍首相「戦後70年談話」のことども2015/08/20

産経新聞から転載

戦後70年の安倍首相談話の全文は以下のとおり。

          ◇

 終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。
 当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

 満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

 そして七十年前。日本は、敗戦しました。

 戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

 先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。
 戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

 何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

 これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。
 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

 ですから、私たちは、心に留めなければなりません。
 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。
しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

 私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

 そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

 私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。
 私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。
 終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

 平成二十七年八月十四日

 内閣総理大臣 安倍晋三
以上

 格調高い安倍談話だった。
 日本が世界史に躍り出た時代はすでに欧米列強の侵略と植民地化、奴隷労働、アヘン戦争などで混沌としていた。まずその事実を述べて日本の置かれた立場を説明した。
 村山談話、河野談話、小泉談話にない幅広い視野に立っての見解は渡邊昇一氏、宮脇淳子氏、日下公人氏らの強烈なバックアップがあったのではないか、と思わせる。
 渡邊氏の深い考察と洞察力で書かれた歴史書は私の愛読するところだ。宮脇氏の東洋史の学究からの中国、韓国の歴史の読物は史実に基づいた考察が息づいている。中国の大きさに飲み込まれていない。
 日下氏の著作はほとんど読んでいる。今回の談話にも日下氏の『優位戦思考で世界に勝つ』(PHP)とその延長にある『日本人がつくる世界史』(PHP)は参考になっていると思わされる。
 欧米のスタンダード、基準、ルールなどに日本は追従するだけであった。だから劣位に置かれるわけだ。劣位で戦うから外交下手にもなる。
 F1レースでもホンダが常勝していると突然ルールを変更する。スポーツでも、何とかの賞でもいじるのは日本を排除したいがためと思われる。欧米は卑劣なのである。腹黒い、汚いといっても良い。ならば日本のルールを作るのが良い。それは人種平等、フェアである。
 以上の三氏に共通するのは巨視的な視点を持っていることだ。渡邊氏は英文学者、宮脇氏はモンゴル史を専門にする歴史学者、日下氏は元は銀行員で実務家であった。政財界の交流も幅が広い。何か1つ専門を持ち、その分野で緻密な研究をしていて歴史分野にもそれを応用する。演繹法よりも帰納法ということだろう。あるいは使い分けが上手い方たちだろう。
 話がまた飛んでしまった。何度も読み返したい安倍談話である。