韓信の股くぐり2018/06/14

 「故事ころわざ辞典」から
【意味】 韓信の股くぐりとは、将来に大志を抱く者は、屈辱にもよく耐えるというたとえ。
【注釈】 「韓信」とは、漢の天下統一に功績のあった名将。
韓信が若い頃、町のごろつきに喧嘩を売られたが、韓信は大志を抱く身であったからごろつきと争うことを避けた。言われるまま彼の股の下をくぐらされるという屈辱をあえて受けたが、その後韓信は大成し、天下統一のために活躍したという故事から。
将来に大望のある者は、目の前の小さな侮りを忍ぶべきという戒めである。
「感心なことだ」の意味で相手を褒める際、「韓信」と「感心」をかけて「感心の股くぐり」と洒落て使うことがある。
【類義】 堪忍辛抱は立身の力綱/堪忍の足らぬ人は心の掃除の足らぬ人/堪忍の忍の字が百貫する/堪忍は一生の宝/堪忍は万宝にかえ難し/堪忍は無事長久の基/ならぬ堪忍するが堪忍/なる堪忍は誰もする/忍の一字は衆妙の門/忍は一字千金の法則
【対義】 -
【英語】 -
【用例】 「小さな怒りやトラブルに心をとらわれるのは、大きな志がないからだよ。韓信の股くぐりということわざを知っているかい?君に大きな夢や目標があるなら、韓信の股くぐりを座右の銘として小事にとらわれることはやめなさい」
以上

 どんな文脈で使われたか?
【Front Japan 桜・特別討論】米朝首脳会談とこれからの日本[桜H30/6/13]
https://www.youtube.com/watch?v=BOoJm4FMAZU&t=1235s

の西岡氏の発言の19:22辺りで話された言葉。安倍総理の対北朝鮮への考え方に沿って、北朝鮮への日本の経済援助を「韓信の股くぐり」の比喩を用いた。すなわち、拉致被害者を取り戻すためには被害者である日本の立場で、屈辱的な経済援助は絶対に回避したいところだが、あえて大きな目標を達成するためには止む得ないという意味。

 これに似た言葉は他にもある。類義にはないが、臥薪嘗胆もその1つ。ウィキでは「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)とは、復讐を成功するために苦労に耐えるという意味」。