一日相談員 ― 2019/09/11
成年後見制度や相続、遺言書の法律相談会を開催した。ある地銀の支店の応接間を提供されてチラシで募った相談者の相談に応じる。これで5回以上はやった。
朝早くバスで支店のある地区へ移動。自転車でも良かったが参考書籍があり荷物が2個のためにバスにした。地下鉄の連絡が悪いのでバスのみになった。最寄の地下鉄駅もあるが支店へは坂道を歩かねばならない。
午前9時過ぎに最初の女性の相談者と面談。老親の財産管理全体にかかる心配事の解消である。まだ認知症かどうかまでは把握されていない。しかしこの9月には父を老人施設に入居させたと申し訳なさそうに話された。母(妻)の手に負えなくなったらしい。そこで両親とも入居する事態になったという。すると自宅は空き家になる。
まずは成年後見制度の仕組みから解説。法定後見と任意後見の違い、類型の意味など。60分たっぷり話して帰られた。まだ聞きたそうなので連絡先を書いてもらい、アフターにも対応することとした。
二番目の男性は遺産分割の心配事である。しかし3人兄弟(相続人)で均等に分割するものの未精算の金融財産や土地もあるので弟等に盗られないか、という心配。聞くと父の死後遺産分割協議をしていないと分かった。銀行が父の死を知る前に金融財産をみな引き出してしまったらしい。
要するに遺産分割の途中なのである。しかも通帳のコピーを送ってきたのを見せてくれたので悪意はないですね、とアドバイス。土地の保有、売買にはおカネがかかるし、山林の相続の際には境界の測量費もかかる。それで簡単には進めないと考えられた。山林は相続しないというのだが無関心では居られない。もし山林が高く売れたら自分はもらい損ねたことになる。司法書士も付いているので単なる心配事の様子。
午後は相談者は無く、15時の閉店をもって支店を出た。するとすぐ大粒の雨が降ってきた。蒸し暑い外気だが降るなら降ってくれると少しは涼しくなる。
朝早くバスで支店のある地区へ移動。自転車でも良かったが参考書籍があり荷物が2個のためにバスにした。地下鉄の連絡が悪いのでバスのみになった。最寄の地下鉄駅もあるが支店へは坂道を歩かねばならない。
午前9時過ぎに最初の女性の相談者と面談。老親の財産管理全体にかかる心配事の解消である。まだ認知症かどうかまでは把握されていない。しかしこの9月には父を老人施設に入居させたと申し訳なさそうに話された。母(妻)の手に負えなくなったらしい。そこで両親とも入居する事態になったという。すると自宅は空き家になる。
まずは成年後見制度の仕組みから解説。法定後見と任意後見の違い、類型の意味など。60分たっぷり話して帰られた。まだ聞きたそうなので連絡先を書いてもらい、アフターにも対応することとした。
二番目の男性は遺産分割の心配事である。しかし3人兄弟(相続人)で均等に分割するものの未精算の金融財産や土地もあるので弟等に盗られないか、という心配。聞くと父の死後遺産分割協議をしていないと分かった。銀行が父の死を知る前に金融財産をみな引き出してしまったらしい。
要するに遺産分割の途中なのである。しかも通帳のコピーを送ってきたのを見せてくれたので悪意はないですね、とアドバイス。土地の保有、売買にはおカネがかかるし、山林の相続の際には境界の測量費もかかる。それで簡単には進めないと考えられた。山林は相続しないというのだが無関心では居られない。もし山林が高く売れたら自分はもらい損ねたことになる。司法書士も付いているので単なる心配事の様子。
午後は相談者は無く、15時の閉店をもって支店を出た。するとすぐ大粒の雨が降ってきた。蒸し暑い外気だが降るなら降ってくれると少しは涼しくなる。
公正証書遺言の相談 ― 2019/09/13
午後から遺言書の相談。100歳近い遺言者なので最寄りの公証人役場に遺言能力の有無を電話で確認した。結果、公証人と遺言者が直接面談することとなった。
蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男 ― 2019/09/18
今朝は早起きして、シャワーを浴びたが擦過傷の患部への刺激は減少した。薬が効いたのか。皮膚科でもらった薬を塗布した。
朝7時過ぎ、通勤者のマイカーで混雑する道をナビに振り回されながら地方都市の地銀の支店へ行く。成年後見制度や相続、遺言書などの相談員の1人として。遠くても手を挙げたのは地銀が広告と会場を貸与するという好機を生かしたいためだ。
相談者は1名だけだった。前回はゼロだったそうだ。それで手を挙げたのは地元の行政書士1名のみ。1名では銀行の好意に背くので名古屋の私でよければと、手を挙げて相談員として赴いた。内容は遺産分割のもつれである。現行民法は法定の均等割を強いるが祭祀継承者への配慮をしてあげることへの理解を求めた。
相続人らを困らせているのは兄弟姉妹の5人のうちの三女で、かつ夫が国立大学の法学部教授とくるから始末が悪い。法定通りじゃないと法に訴えると言っていると困惑された。
戦後GHQがわずか1週間で日本国憲法を制定していった。その影響下で長男の地位が大きく棄損された。最大のものは墓をだれが守るか、という視点である。GHQのメンバーの中心は世界を流浪する民族のユダヤ人らだったから祖先崇拝なんてことは頭にはない。如何に個人として優位に生きるかだけだろう。個人主義の蔓延が争う相続と揶揄されるわけだ。
計算式としては長子は現在65歳なので85歳まで存命すると20年、33回忌は98歳になるので厳しいが、27回忌まではやれる。
一例として
1回数万円の法事負担費×7回+墓の管理費+アルファ=??万円
程度を長子に加増して三女を説得する旨伝えてみた。長子への感謝の気持ちも必要だ。
法事のたびに集まって「兄さんどうお元気?」「お前も腰の痛みはどうだや」「あの子は認知症になったんだわ、後見人が付いちゃってね」などと同胞(はらから、兄弟姉妹)の消息を話し合ういい機会だ。
相談後の感想としては表題の俳句
中村草田男の 蟾蜍長子家去る由もなし を想起した。
ヤフー知恵袋から
「ここは、家を去る理由がない、ではなく
家を去ることができない、というふうにとったほうがいいでしょう。
蟾蜍(ヒキガエル)は、どこにでもいるというものではありません。
すみ易いところが決まっているのか「ヒキのいるような家」という表現があるように、
まるで一匹の蟾蜍がずーっと死なないで取り付いているかのように、毎年毎年、同じ庭に現れます。蟾蜍の方も、代替わりしているかもしれないのですが、はたからみると、何百年たっても同じ蟾蜍です。
旧家の長男というのも、その旧家の伝統を背負って、先代の、先々代の、先々先代の、同じ暮らしを、同じ古屋で、続けていかなければなりません。
旧家の長男の、堂々たる威厳に満ちた悲哀、といったものを、蟾蜍の姿に投影したのでしょう。」ずばり名解説。
相談者は長女でした。作用、句の解説にもあるように長子は逃げられないのです。「じゃだれが墓を守るんだ」とヒキガエルみたいにぼやいているとか。両親が商売で蓄財した財産をとくに不動産を5人で共有だなんて、したくないわと、相談に来られたのだ。亡親も泣いていているでしょうに。幸い現金があるのでそれの一部をツカミ金で縁をつなげたらいいなと思う。家制度は崩壊したが家族で助け合うことは民法でも義務になっていることを忘れてはなるまい。
朝7時過ぎ、通勤者のマイカーで混雑する道をナビに振り回されながら地方都市の地銀の支店へ行く。成年後見制度や相続、遺言書などの相談員の1人として。遠くても手を挙げたのは地銀が広告と会場を貸与するという好機を生かしたいためだ。
相談者は1名だけだった。前回はゼロだったそうだ。それで手を挙げたのは地元の行政書士1名のみ。1名では銀行の好意に背くので名古屋の私でよければと、手を挙げて相談員として赴いた。内容は遺産分割のもつれである。現行民法は法定の均等割を強いるが祭祀継承者への配慮をしてあげることへの理解を求めた。
相続人らを困らせているのは兄弟姉妹の5人のうちの三女で、かつ夫が国立大学の法学部教授とくるから始末が悪い。法定通りじゃないと法に訴えると言っていると困惑された。
戦後GHQがわずか1週間で日本国憲法を制定していった。その影響下で長男の地位が大きく棄損された。最大のものは墓をだれが守るか、という視点である。GHQのメンバーの中心は世界を流浪する民族のユダヤ人らだったから祖先崇拝なんてことは頭にはない。如何に個人として優位に生きるかだけだろう。個人主義の蔓延が争う相続と揶揄されるわけだ。
計算式としては長子は現在65歳なので85歳まで存命すると20年、33回忌は98歳になるので厳しいが、27回忌まではやれる。
一例として
1回数万円の法事負担費×7回+墓の管理費+アルファ=??万円
程度を長子に加増して三女を説得する旨伝えてみた。長子への感謝の気持ちも必要だ。
法事のたびに集まって「兄さんどうお元気?」「お前も腰の痛みはどうだや」「あの子は認知症になったんだわ、後見人が付いちゃってね」などと同胞(はらから、兄弟姉妹)の消息を話し合ういい機会だ。
相談後の感想としては表題の俳句
中村草田男の 蟾蜍長子家去る由もなし を想起した。
ヤフー知恵袋から
「ここは、家を去る理由がない、ではなく
家を去ることができない、というふうにとったほうがいいでしょう。
蟾蜍(ヒキガエル)は、どこにでもいるというものではありません。
すみ易いところが決まっているのか「ヒキのいるような家」という表現があるように、
まるで一匹の蟾蜍がずーっと死なないで取り付いているかのように、毎年毎年、同じ庭に現れます。蟾蜍の方も、代替わりしているかもしれないのですが、はたからみると、何百年たっても同じ蟾蜍です。
旧家の長男というのも、その旧家の伝統を背負って、先代の、先々代の、先々先代の、同じ暮らしを、同じ古屋で、続けていかなければなりません。
旧家の長男の、堂々たる威厳に満ちた悲哀、といったものを、蟾蜍の姿に投影したのでしょう。」ずばり名解説。
相談者は長女でした。作用、句の解説にもあるように長子は逃げられないのです。「じゃだれが墓を守るんだ」とヒキガエルみたいにぼやいているとか。両親が商売で蓄財した財産をとくに不動産を5人で共有だなんて、したくないわと、相談に来られたのだ。亡親も泣いていているでしょうに。幸い現金があるのでそれの一部をツカミ金で縁をつなげたらいいなと思う。家制度は崩壊したが家族で助け合うことは民法でも義務になっていることを忘れてはなるまい。
コスモスs/cの総会 ― 2019/09/27
朝10時に遺言書の相談者と打ち合わせ。前回に依頼した2件は1件しかやれてなかった。ダメ押ししておいた。しかし一歩でも前進したのでようやく本文の作成に入れる。
午後は県庁へ電話を入れて進捗を確認した。認証は来月中旬か。
その後愛知会へ。成年後見制度の下支えを目指して発足した同会も員数的には若干の減少が報告された。発足時は80名未満だったが少し増えたな、と思ったら減った。員数的には戻った。これが現実というもの。
存在感を増すようにより一層広報に力を入れてゆくことになる。知恵と工夫が重要である。閉会後は別の会場にて懇親会になった。
帰宅後、捜索ボランティアのため山梨県の道志村へ向かう。
午後は県庁へ電話を入れて進捗を確認した。認証は来月中旬か。
その後愛知会へ。成年後見制度の下支えを目指して発足した同会も員数的には若干の減少が報告された。発足時は80名未満だったが少し増えたな、と思ったら減った。員数的には戻った。これが現実というもの。
存在感を増すようにより一層広報に力を入れてゆくことになる。知恵と工夫が重要である。閉会後は別の会場にて懇親会になった。
帰宅後、捜索ボランティアのため山梨県の道志村へ向かう。
相続(税)の研修 ― 2019/09/30
18時からはY先生による相続の研修に出席。時刻きっかりに始まると1時間30分休み無しでぶっ飛ばされた。講師は機関銃のように早口なので断片的にキーワードのメモを執る。文字を書けばそれが頭の片隅に残る。後で思い出す際のきっかけになる。医師のカルテと同じで患者への問診をメモっているようなものだ。
講師は税務署勤務25年後に退職して相続税専門の税理士事務所を開業した。遺言書、遺産分割協議書、相続関係図などの書類作成は弁護士か行政書士しかやれない。税理士は行政書士も無試験で行政書士登録できるので行政書士事務所も開業された。他に関連する副業も多々あった。中でも遺品整理業に目を付けたのはさすがである。
コンテンツとしては新たな知識を会得したわけではない。何より税務署職員時代に経験し培った顧客を見る目が的確なのである。したがって講義の最後は脱税の手口なるものも開陳された。
税法の知識に疎いので相続税の申告をしないのは源泉所得税に馴らされた会社員と公務員が多いと言われた。中でも公務員が多く、申告の必要を知りながら無申告の事例があるそうだ。また親の死亡を悟り、死亡前に預金を引き出す事例も多いようだ。これは相談会でも聞いた。兄弟の内敏いのが事前に引き出している。また子または孫の名義預金も実は相続財産だから気をつけてと注意喚起があった。
それにしても公務員は税金で食べてきて税金を納めないのは、と批判的になるのは税務署員の考えが抜けないからだろう。全体的にはさらっと(深掘りしないで)相続にまつわる逸話を交えての話は面白かったしためになった。
講師は税務署勤務25年後に退職して相続税専門の税理士事務所を開業した。遺言書、遺産分割協議書、相続関係図などの書類作成は弁護士か行政書士しかやれない。税理士は行政書士も無試験で行政書士登録できるので行政書士事務所も開業された。他に関連する副業も多々あった。中でも遺品整理業に目を付けたのはさすがである。
コンテンツとしては新たな知識を会得したわけではない。何より税務署職員時代に経験し培った顧客を見る目が的確なのである。したがって講義の最後は脱税の手口なるものも開陳された。
税法の知識に疎いので相続税の申告をしないのは源泉所得税に馴らされた会社員と公務員が多いと言われた。中でも公務員が多く、申告の必要を知りながら無申告の事例があるそうだ。また親の死亡を悟り、死亡前に預金を引き出す事例も多いようだ。これは相談会でも聞いた。兄弟の内敏いのが事前に引き出している。また子または孫の名義預金も実は相続財産だから気をつけてと注意喚起があった。
それにしても公務員は税金で食べてきて税金を納めないのは、と批判的になるのは税務署員の考えが抜けないからだろう。全体的にはさらっと(深掘りしないで)相続にまつわる逸話を交えての話は面白かったしためになった。