名古屋市長選を考える⑥ 河村語録を振り返る2013/04/22

 現役の河村たかし市長が当選された。おめでとうございます。

 NHKオンラインの動画を試聴していたら、インタビューで「パブリックサーバント」の語彙が飛び出してきた。有権者の意思=民意に従うということだろう。政治は政治家は税金のその予算の我田引水の役割そのものなので、中々堂々と表明できるものではない。
 検索で河村語録を拾ってみた。まずヒットしたのが以下。アフォリズム風に読めるように短いセンテンスに編集しました。

[なるぱら]名古屋市政の備忘録 @758watch #ngov から
2012.10.16

前略

さて、現実を見ると今は、中小企業関連の雇用も給料も崩壊状況です。それこそ出世しても500万しかもらえない時代が来るんじゃないかというくらい、本当に給料が下がっています。

逆に言うと、今の日本は税金を払う方が本当に苦労して、税金で食っとる方は「極楽、極楽」と言ってる::なんて言うと怒られますけど、まあ、相対的には極楽だし、少なくとも楽してることには間違いない。税金で食っとる方は「パブリックサーバント」という名前がついている。

納税者をもうちょっと大事にしないといけないのに、そこが完全に逆転しているんですね。本当に困ったもんですよ。商売をやってきた私がこういうことをやっているのは、そういうことに対する一種のリベンジですかね。従業員5人くらいの古紙屋会社というのは、本当に大変ですよ。ものすごい赤字で、リスクリターンもわけわからん。そういう所でやってきて、納税者の商売を盛んにせなあかんと思ったわけです。

なんでこんな状況になってしまったか。これもよく話していることですが、政治をやると言うのはボランティア、ないしは市民並みの給料というのが世界的中常識です。

地方議員でいうとロサンゼルスの市議会議員が年収1500万ぐらいでやっていて、ここはちょっと高いですが4年×3期12年で終わり。連続して立法できないようになっとるわけです。これは、政治を稼業にしてはならないという決まりなんですわ。

私は名古屋市長を給料800万円でやっていて、4年ごとにもらえる退職金も廃止しました。前の市長と4年間で1億2千万収入が違います。自らもらえるもんを減らしてヤケクソですけどね。おかんに怒られて(笑)。

厚生労働省が全国の平均給料を、年代別、職種別、大卒かそうじゃないかなどで出していて、これを基準に考えました。3年前市長として通る時、一応市長だから管理職で、大卒で60歳と見ると、日本平均が798万。だから800万にしました。

さらに、4年ごとに退職金がもらえるような会社は世の中にございませんので、退職金の4220万もなしにしました。退職金があるのは日本だけで、特殊例。世界にないものですから!

そのお金は、皆さんのところに減税も含めて、いろいろ給付になっています。でも、お金を減らしてどうのこうのというよりも市民並みの給料になると、わかることがあります。「自分の思った理想に向けて、世のため人のためにやって、歴史に名前が残ればいい」と。

こんなことを適当に言う人はいますが、本当に本心からそういう気になります。まあ、楽しみは夜に安い「いいちこ」の透明なヤツを水割りで飲むぐらいでね(笑)。

話をテーマに戻します。政治は今のように稼業化されたままでいいのか。政治が稼業になると損にも得にもならん。どっちかというと損になります。そりゃあ第三極の素人が出ると問題も起こしますけど、それより稼業化された政治の方がはるかに恐ろしい。だって、現状維持になるんですよ!

安全保障も大事なことで、今なぜ日本がここまで追い込まれているかと言えば、憲法9条を変えようとか、集団的自衛権の行使を認めて当然だとか。そういうこと言うと、反対する人も多いから、(政治家が)あんまり言わないようになる。

なんで党議拘束があると思います? 飯を食うためにはみんなで渡った方がいい。そういう風に政治の稼業化は、ものすごい国民生活に危害を及ぼすんです。

これを正すのは大変だよ? マスコミもそういうことを言うべきなのに、政権交代の方が、革命よりいいわけですよ。革命されちゃうと、ついていた人がみんな変わっちゃう。まあ、そこらの問題は、別でご議論されたらいいかと思います。以上です。

日本の政治を変えるには、血を入れ替える必要がある

中略

河村:自分が国会議員や秘書になると、こんな美味しい仕事はないと思うわけです。議員でこれだけの給料をもらえる国は他にありません。世襲は絶対良くないです。

イギリスで国王が長いことやると、なんとか宮殿を作ったり税金を使っていろいろやってしまう。そこで、農民から納税者の代表をボランティアで出して、「税金を勝手にあげるな」としたのが、議会の始まりなんです。権力を過剰化させないための工夫だった。

選挙の本質は、「任期制」ですよ。市長は4年、衆議院だったら解散まで、参議院なら6年。任期があるということは、それを稼業としてはならないということです。それが、日本はまるで信任投票のようになっているけど、任期終了で1度辞めていることになるんですよ。そこに人類の発明があって、長いこと権力の座についてはいけないよと、こうしているわけなんです。

稼業化された今でも、約100人の定数のうち5人ぐらい新しい良い人が現れることもある。でも、問題は過半数が変わらないとダメということです。ジュニアとか、世襲議員が全部悪いわけじゃない。そりゃあ安定感はありますが、自民党みたいに全部が二世、三世って。政治は過半数で決まるので、「過半数の人が入れ変わらないと」変わりません。日本は官僚政治ではなくて、職業議員政治ね。

自分の給料が減らされるといかんでしょ?今の制度だと地方税の減税は行革でしかできないので、自分の給料が減るのが嫌だから減税しない。税金が多いほうがいいわけですから。

役人が1番喜ぶのは、税金が増えること。自分の権限が増えますからね。天下りが作れる、自分が出世する。

マッカーサーが昭和22年に世界に1つしかない稀な法律を作りました。国会法第35条に「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より"少なくない"歳費を受ける」となっている。36条は「国会議員は退職金を受け取ることができる」と。

これが地方議員にも広がって行ったんです。食えるようにしたんです、わざわざ日本だけ。戦後の焼け野原の特殊事情があったからそういう風にしたんですが、これが変更できていないと。

これを変えようと、名古屋で私はただひとり挑戦しましたが、去年の震災は痛かったなあ。過半数を取れなかった。

しかし、名古屋は市議の給料を半分にしました。半分にして75人いたから、これで6億円。こんな大都会で中学生までの医療費がタダなんていうのは名古屋だけです。政治ってこういうことですよ。自分の身を削れば色々な事ができる。

それに、こういうことがあると皆も信じられるでしょう? 「俺らと同じ給料でやって、政治をやっている人を尊敬させてくれないか」って思うでしょう。立派な人よ、出て来いと。良い政治を寄付でやれば、悪いことやったらすぐにダメになる。ろくでもない人がぎょ~さん給料もらって、どうしょうもない。とういことで、呪縛のお話でした。
以上

 この他、河村氏は原発に悲観的な発言もされています。

 個人的にも同感です。ただ、日本経済の維持のために時間が欲しい。日本のような地震大国では安全管理が難しい。既に先生役のアメリカの技術を凌駕したのですが、技術や精神の伝承に確信が置けない。
 それに外国に輸出までする動きも不安である。原発の危険の拡散である。日本がうまく制御できていないのに、外国で形だけパクられて事故にでもなったら大変だ。新幹線の脱線は中国内だけの事故で済む。原発事故が起きたら、日本も影響は必至。

 他の候補にも感想を述べておく。まず藤井候補の先端産業の育成を図るという話。亀山市のシャープに三重県は90億円も補助金を出したのにつぶれそうになっている。農業でも漁業でも補助金だのみ。今のエコカー減税でも一種の産業助成の目的がある。

 使える車を下取りに出して新車に換えさせる。行政が補助する需要喚起で自動車会社は潤っている。そして社員は高額のボーナスをもらえる。何だかおかしいなあ。ほっといても力のある企業は自力で這い上がってくるのに。おカネのたっぷりあるトヨタを減税で応援するなんて。

 藤井候補は立候補にするに当たって市議を辞任された。落選して、次は7月の参院選に立候補か?中日新聞で、約2000万円とダントツの選挙資金を使ったと報じられた。知名度は上がったので頑張って欲しい。

 柴田候補は共産党出身。自民党、民主党でも救済されない弱者の立場にたった点は評価できる。しかし、行政の拡大策は結局は、ソ連の崩壊を想起してしまう。お金儲けのうまい少数の人を批判して経済が成り立つ訳がない。
 
 納税で一番痛みを感ずるのがお金儲けのうまい商売人だから、減税では少し、ほっとするだろう。かつて、ねずみ講を考えた某はどんなに知恵を絞って稼ぎ出しても最後に税金でしっかり持っていかれると嘆き、ねずみ講(無限連鎖講)を考え出した。が、これは社会悪。
 行政のムダを排除し、徴収する税金を減らす。税金を回避するために外国へ移住する納税者もいるという。
 減税で浮いたカネで、自由な意思で寄付なり、再投資なりすることが狙いで、金持ちがカネを使えば、貧しい人、求職中の人にも朗報のはず。ところが共産党は弱者にメリットがないと批判を展開された。何をか況や。

 小学校の給食は確か、共産党候補が挙げて、成り行き上、対立候補も追加して実現したと記憶している。これによって低い稼動率の厨房施設や職員の人件費が発生することになった。ものの本によると、交通安全の女性でも年収800万円ということを読んだ。給食の職員も公務員ならば安くはない。こうして選挙の度に人気取りのために固定費的な歳出が多くなる。庶民革命の財源はまだある。

 今回はインタビューにもあったように市民は「質素」を尊ぶ市長を選択した。名古屋市民は堅実で健全な思想といえる。投票率は39%だった。

ヤマダ電機南京店閉店2013/04/22

 昨年5/31にヤマダ電機が南京市に進出したことを書いた。それが、4/22の朝日新聞では南京店のみは閉店と書かれ、早くも撤退の様子。
 日本では中山成彬議員によって国会の予算委員会で「南京事件はなかった」ことが証明された。中国では、南京大虐殺の話はまだ返上していないし、することもないだろう。反日感情が好転する見込みは薄い。

 トップ企業は決断が早い。イトーヨーカドーも国内だが、儲からないと分析するとすぐ撤退している。反対に、メーカーは粘り腰で頑張っているようである。投資規模が流通よりも桁違いに大きいこと、人材を置いてけぼりにはできにくいこともある。
 設備のようなモノではなく、既に売った車、家電などは修理、部品供給などアフターサービスもある。「車は厄介な商品」ということを確か、石田退三が言った記憶がある。簡単に手を引けないのだ。
 この事例は特殊なことだと理解したい。

http://daisyoninn.asablo.jp/blog/2012/05/31/6463960

WEB版朝日新聞から

ヤマダ電機、南京店を5月末閉店 尖閣問題で買い控え

 家電量販最大手のヤマダ電機は22日、中国・南京店を5月末で閉めると発表した。昨年3月に開いたばかりだったが、販売が振るわなかった。尖閣問題で日中関係が悪化し、買い控えがおきた影響もあったという。空き店舗の売却などを検討する。ほかに中国で展開する瀋陽、天津の2店は営業を続ける。

 また、この日、2013年3月期の業績予想を下方修正した。2月時点の想定より、売上高は140億円減らして1兆7040億円、純利益は120億円減らして220億円とした。テレビの売れ行きが鈍かったという。