裁量労働制2018/03/01

ソース:https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201802280000214.html
裁量労働制とは?厚労省の不適切データとは?/メモ
与野党で27日、裁量労働制をめぐる厚生労働省の不適切なデータ処理問題をめぐり、安倍晋三首相が第1次政権で苦しんだ「消えた年金問題」になぞらえる声が出始めた。厚労省には、野党だけでなく自民党からも批判が強まっており、裁量労働制を盛り込んだ首相肝いりの「働き方関連法案」の行方も、不透明になってきた。

 ◆裁量労働制とは 実際の労働時間にかかわらず、事前に決めた分だけ働いたとみなし、残業代を含めた賃金を支払う仕組み。時間配分を自身で決められる場合に適用される。政府が今国会に提出を目指す「働き方改革関連法案」の柱。政府は一部営業職への拡大を目指すが、野党は過労死を増やすとして猛反対。

 ◆問題発覚の経緯 厚労省の「13年度労働時間等総合実態調査」に、1日の平均労働時間が、裁量労働制で働く人は9時間16分、一般労働者は9時間37分と記載。安倍首相は先月29日、このデータを根拠に裁量労働制による労働時間の短縮効果を訴えたが、この数値は、裁量労働制の人が「1日の労働時間」、一般労働者は「1カ月に最も働いた日の残業時間」に、法定労働時間の8時間を足したもの。異なる条件の比較結果が根拠になっており、首相は今月14日、答弁を撤回し、謝罪に追い込まれた。

 ◆厚労省のずさん対応 現場は今月1日、担当局長は2日に事態を把握したが、大臣報告は7日、首相報告は14日と後手に回った。27日までに判明した「疑義データ」は300件以上。加藤氏が国会で「なくなった」と答弁した調査原本は、厚労省の地下倉庫で発見され、野党は「隠蔽(いんぺい)」と批判。
以上

 以前から議論されてきた問題ですが解決策は見つからない。検索すると記事にもあるように過労死を増やすとの警戒心がある。なぜ過労死するのか。人様々であるが、悪い労働環境でも適応し過ぎるからだと思われる。なぜ適応するのか。
主観的には
1 家族を養うため
2 住宅ローンなど負債の返済があるため
3 一流企業ゆえに退職するのは損
4 なぜ辞めたのかと問われるのが嫌で無理する
5 見栄を張る

客観的には 
1 健康保険は病気になるまで使役できる仕組み
2 会社が保険料を全額負担する労災保険は死ぬまで使役できる仕組み
3 会社への奉仕(残業代なしの労働)は社会への貢献と教育する
4 会社は運命共同体になっている
5 能力判定の基準はあいまいであって労働時間で計る
6 表面では恩情主義、実態は奴隷』的酷使
などが考えられる。

 会社は大小を問わず、早めに結婚を奨励し、子供が出来ると一時金を出して祝う。能力と関係なしに昇進昇給させる。
 これは実際には会社に定着させて社員の人生を囲い込むことになる。本来なら妻帯者、独身などは仕事には何の関係もないはずである。
 (家族を養う負担の無い)経済的自由な人間は扱いにくいのである。社員を服従させるには家族持ち重視の価値観を強制するしかないわけだ。おカネが否でも不足するように仕向けて、稼がざるを得ないようにする。会社(仕事)に服従させたい。つまり家族は人質と同じである。税制も家族には有利に仕組まれている。
 例えば、あるプロ球団は猛練習で有名だった。猛練習で倒れても、「お前が死んでも家族の面倒は俺が見る。心配するな」と激励し、力の出し惜しみをさせないように指導していた。死ぬまでやれということである。会社員とプロの野球選手とは違いすぎるが、悪の人間管理学であろう。
 そのことが分かっている社員は自分を犠牲にしてまで働かない。責任感や使命感の強い社員だけが燃え尽きてしまう。そんな人が過労死したり自殺に追い込まれる。
 限界だと思えば退職する選択肢はある。前述したように退職するには大きな決断が必要である。家族と負債があればなおさらだ。実際再就職に成功しても減収してローン返済できなくなる事例はある。再び退職すると今度は再就職が難しい。妻にも見はなされて離婚、放浪という事例もある。
 過労死、自殺だけではない。70歳までに癌などで亡くなる男性の元会社員も相当数あると思われる。癌の原因はストレスであるから、家族のために住宅ローンで家を買い、返済のためにも残業に応じる。賃金体系も残業して世間よりちょいと良い水準に設計される。こうして蛇の生殺しのように定年まで働き、やれやれと思った65歳から70歳直前までに死んでしまう人の何と多いことか。
 人間は環境に合わせて生きようとする。環境から離れて生きられるほど強くはない。裁量労働制は確かに被雇用者には不利である。
 儒教的な人間支配の仕組みや思想を学ぶが良い。つまり雇用する側の手口や考え方の真意を見抜いた上で人に使われるが良い。知らないままだとホントに死ぬまで酷使される。
 以上は経験と社会観察に基づいて書いた。課長職以上、会社役員まで含む。課長以上の人は皆戸建住宅に住んでいたが70歳までに亡くなった。知人の友人であった大企業の副社長も70歳までに亡くなった。