横領事件が相次ぐ成年後見人 ― 2012/12/22
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更新日時:2012年12月18日
「成年後見人の弁護士が着服か 大阪弁護士会が懲戒請求【朝日新聞】」 カテゴリー:後見関連ニュース
. 「後見実務相談室」から転載。ソースはWEB版朝日新聞。
http://kouken.ne.jp/index.php?itemid=635&catid=5
「大阪弁護士会は17日、成年後見人を務める女性の金約1326万円を着服したとして小幡一樹(おばたかずき)弁護士(44)を同会綱紀委員会に懲戒請求したと発表した。11月15日付。小幡弁護士を選任した大阪家裁は今月13日、業務上横領容疑で大阪地検に告発したという。
同会によると、小幡弁護士は2月、成年後見人として管理していた60代女性の土地や建物を売却。代金約1326万円を自分の口座に振り込ませたという。10月に女性側が家裁に連絡。小幡弁護士は会の調査に「別の複数の民事事件の支払金にあてた」と認め、全額を返したという。
今後、同会の綱紀委員会が「懲戒処分相当」と議決すれば、懲戒委員会が懲戒処分にあたるかを決める。
同会では10月にも、成年後見人を務めた女性の預金約550万円を着服したとして別の弁護士(44)が業務上横領罪などで起訴された。藪野(やぶの)恒明会長は「横領事案が短期間に重なり誠に遺憾(いかん)」との談話を出した。」
法律家の頂点に立つ弁護士の横領事件が絶え間なく続くのはどうしたことか。仕事がないから、おカネ欲しさにということでは成年後見制度への士業全体の信頼が揺らぐ。
記事によると、別の民事事件の支払金に当てたというが、事務所経営がなっていないのではないか。とかく経済犯は罪の意識が軽いと言われる。相手が認知症ゆえに軽い気持ちで横領してしまったように思える。
しかし、今は認知症であっても、過去に苦労して蓄財した人は金銭に対しては目の覚めるような感覚を持っているものである。一代で財をなした創業者が中々トップの座から降りないのはその執着心の現れであり、他の事は、ダメでも金銭のことは死ぬまで目を光らせる。だからどんな人でも嘗めてはいけないということだ。
或いは成年後見人は、その立場は認知症の人から試されていると思うことも大切だろう。かつて、初めて経理事務で零細企業に採用された。すぐに社長からお呼びがあり、行くと当時の金で10万円の現金を銀行へ預けに行ってくれと頼まれた。後でこんな簡単な仕事をなぜ、と考えて、試されているな、と思ったことがある。別の会社では暴力団の高利金融に頼っていたが、大金を返済に行くと親分が3万円ほどを無造作に抜き取って私にくれようとするので、断った。会社から給与をもらっているので、親分からもらういわれはない、と。そうしたら大層怒られ、子分が追いかけてきて、ああいうときはもらっておくものだ、と追い討ちを掛けに来た。怖くなって早々に帰った記憶がある。
会社に戻ると社長が笑いながら、その件を話す。親分から電話があったらしい。もらわずに良かったのである。カネに弱いかどうかを試したのである。札びらをちらつかせてすぐに飛びついて来る人間ならば「あいつには気をつけよ」と警戒されたかも知れない。ならず者を手なずけるにはカネが一番ということだ。
逆に無欲の人間は扱いにくい。
要するに世間は人を見ている。日々試されている。信頼は中々築くのが難しい。だが一瞬にして壊れる。弁護士は高度な法律知識があるからではなく、世のため人のために人一倍頭をいじめるからこそ信頼されてきたのではないか。同業の信頼を裏切るな、といいたい。改めてそんな感想を抱いた。
更新日時:2012年12月18日
「成年後見人の弁護士が着服か 大阪弁護士会が懲戒請求【朝日新聞】」 カテゴリー:後見関連ニュース
. 「後見実務相談室」から転載。ソースはWEB版朝日新聞。
http://kouken.ne.jp/index.php?itemid=635&catid=5
「大阪弁護士会は17日、成年後見人を務める女性の金約1326万円を着服したとして小幡一樹(おばたかずき)弁護士(44)を同会綱紀委員会に懲戒請求したと発表した。11月15日付。小幡弁護士を選任した大阪家裁は今月13日、業務上横領容疑で大阪地検に告発したという。
同会によると、小幡弁護士は2月、成年後見人として管理していた60代女性の土地や建物を売却。代金約1326万円を自分の口座に振り込ませたという。10月に女性側が家裁に連絡。小幡弁護士は会の調査に「別の複数の民事事件の支払金にあてた」と認め、全額を返したという。
今後、同会の綱紀委員会が「懲戒処分相当」と議決すれば、懲戒委員会が懲戒処分にあたるかを決める。
同会では10月にも、成年後見人を務めた女性の預金約550万円を着服したとして別の弁護士(44)が業務上横領罪などで起訴された。藪野(やぶの)恒明会長は「横領事案が短期間に重なり誠に遺憾(いかん)」との談話を出した。」
法律家の頂点に立つ弁護士の横領事件が絶え間なく続くのはどうしたことか。仕事がないから、おカネ欲しさにということでは成年後見制度への士業全体の信頼が揺らぐ。
記事によると、別の民事事件の支払金に当てたというが、事務所経営がなっていないのではないか。とかく経済犯は罪の意識が軽いと言われる。相手が認知症ゆえに軽い気持ちで横領してしまったように思える。
しかし、今は認知症であっても、過去に苦労して蓄財した人は金銭に対しては目の覚めるような感覚を持っているものである。一代で財をなした創業者が中々トップの座から降りないのはその執着心の現れであり、他の事は、ダメでも金銭のことは死ぬまで目を光らせる。だからどんな人でも嘗めてはいけないということだ。
或いは成年後見人は、その立場は認知症の人から試されていると思うことも大切だろう。かつて、初めて経理事務で零細企業に採用された。すぐに社長からお呼びがあり、行くと当時の金で10万円の現金を銀行へ預けに行ってくれと頼まれた。後でこんな簡単な仕事をなぜ、と考えて、試されているな、と思ったことがある。別の会社では暴力団の高利金融に頼っていたが、大金を返済に行くと親分が3万円ほどを無造作に抜き取って私にくれようとするので、断った。会社から給与をもらっているので、親分からもらういわれはない、と。そうしたら大層怒られ、子分が追いかけてきて、ああいうときはもらっておくものだ、と追い討ちを掛けに来た。怖くなって早々に帰った記憶がある。
会社に戻ると社長が笑いながら、その件を話す。親分から電話があったらしい。もらわずに良かったのである。カネに弱いかどうかを試したのである。札びらをちらつかせてすぐに飛びついて来る人間ならば「あいつには気をつけよ」と警戒されたかも知れない。ならず者を手なずけるにはカネが一番ということだ。
逆に無欲の人間は扱いにくい。
要するに世間は人を見ている。日々試されている。信頼は中々築くのが難しい。だが一瞬にして壊れる。弁護士は高度な法律知識があるからではなく、世のため人のために人一倍頭をいじめるからこそ信頼されてきたのではないか。同業の信頼を裏切るな、といいたい。改めてそんな感想を抱いた。