人の口に戸はたてられない ― 2011/10/21
朝日新聞、中日新聞朝刊の社会面によると運送会社の経理不正と税理士法違反事件が大きく報道された。両紙とも同一の位置に掲載されて社会的反響が大きいことが知れる。つい最近も刈谷市の運送会社が国税OBの税理士の関わる不正が摘発されたばかり。
以下は中日新聞ネット紙面のコピー&ペースト
「 愛知県豊橋市や浜松市周辺にある運送業など企業数社で、税理士資格のない豊橋市の男性(44)が、不正経理に関与した疑いを持たれていることが関係者の話で分かった。名古屋国税局は昨年夏以降、男性がかかわったとされる法人十数社の一部を重点的に調査。最大で3億円弱の所得を隠していた法人もあった。」
要するに日々の帳簿作成から決算書作成までの会計業務は無資格でできるが税金に関する事務はほぼ税理士の独占業務となることを理解しておこう。委任した経営者と受任した経理事務の男性の契約内容が問題。
常識的には2億8000面円もの所得隠しのような大胆な経理不正が社員でもない外部の経理担当者の独断でできるわけがない。
社長の弁明には「無資格者とは知らなかった」(中日新聞)という。しかし、試験をパスして開業した税理士ならこんな経理処理はむしろ指摘し、訂正を求める。摘発されて修正申告し、追加で税金を払うとなれば関与税理士は損害賠償責任を追及される。そんなリスクは負わない。
前にも書いたが税務署、その上の国税庁の情報収集力と調査能力は甘くない。決算書の数値の変動や偏りなどから不審を抱いて調査に及ぶこともあろうが多くは通報という。人の口に戸は立てられないのである。
ちょっと長いが参考のために税理士法の核心部分を掲載しておく。
(税理士の業務)第2条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和25年法律第226号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
1.税務代理(税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含むものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして政令で定める行為を含むものとし、酒税法(昭和28年法律第6号)第2章の規定に係る申告、申請及び不服申立てを除くものとする。以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)をいう。)
2.税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第34条において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。)
3.税務相談(税務官公署に対する申告等、第1号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法(昭和37年法律第66号)第2条第6号イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相当するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)【令】第1条 、第1条の2
【則】第1条
《改正》平11法087
《改正》平11法160
《改正》平14法1522 税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。
以下は中日新聞ネット紙面のコピー&ペースト
「 愛知県豊橋市や浜松市周辺にある運送業など企業数社で、税理士資格のない豊橋市の男性(44)が、不正経理に関与した疑いを持たれていることが関係者の話で分かった。名古屋国税局は昨年夏以降、男性がかかわったとされる法人十数社の一部を重点的に調査。最大で3億円弱の所得を隠していた法人もあった。」
要するに日々の帳簿作成から決算書作成までの会計業務は無資格でできるが税金に関する事務はほぼ税理士の独占業務となることを理解しておこう。委任した経営者と受任した経理事務の男性の契約内容が問題。
常識的には2億8000面円もの所得隠しのような大胆な経理不正が社員でもない外部の経理担当者の独断でできるわけがない。
社長の弁明には「無資格者とは知らなかった」(中日新聞)という。しかし、試験をパスして開業した税理士ならこんな経理処理はむしろ指摘し、訂正を求める。摘発されて修正申告し、追加で税金を払うとなれば関与税理士は損害賠償責任を追及される。そんなリスクは負わない。
前にも書いたが税務署、その上の国税庁の情報収集力と調査能力は甘くない。決算書の数値の変動や偏りなどから不審を抱いて調査に及ぶこともあろうが多くは通報という。人の口に戸は立てられないのである。
ちょっと長いが参考のために税理士法の核心部分を掲載しておく。
(税理士の業務)第2条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税、法定外普通税(地方税法(昭和25年法律第226号)第13条の3第4項に規定する道府県法定外普通税及び市町村法定外普通税をいう。)、法定外目的税(同項に規定する法定外目的税をいう。)その他の政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
1.税務代理(税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含むものとする。以下同じ。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして政令で定める行為を含むものとし、酒税法(昭和28年法律第6号)第2章の規定に係る申告、申請及び不服申立てを除くものとする。以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)をいう。)
2.税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第34条において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。)
3.税務相談(税務官公署に対する申告等、第1号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法(昭和37年法律第66号)第2条第6号イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相当するものをいう。以下同じ。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)【令】第1条 、第1条の2
【則】第1条
《改正》平11法087
《改正》平11法160
《改正》平14法1522 税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。
成年後見人、着服18億円 ― 2011/10/21
表題の大きな見出しに眼を奪われた。朝日新聞朝刊社会33面の記事のことだ。毎日毎日カネにからむ不正を報道する記事が表面化する。
昨日は振り込め詐欺事件があった。母が偽の息子の電話にだまされて多額のカネを振り込んでしまった。電話帳を見て、女性名で記載されている所を狙うそうだ。高齢の女性は記載しないほうがいい。
本題の成年後見は実の親族間の事故だから心情的には複雑である。親の財産を例えば息子が生活費に使うことを「着服」といって良いものかどうか。
成年後見制度を利用すると親族であっても法律的には成年後見人という地位を得て、親子の馴れ合い的な関係は許されないのである。つまり、例えば息子であっても法律上は別人になるということなのだ。
この関係が弁護士が成年後見人になって見ればすぐ理解される。被成年後見人の財産を使い込めば「着服」であり、横領罪で刑事責任を問われる。実際にそんな事件があった。
士業が成年後見人になると家族から被成年後見人の名義の財産と印鑑を預り、分別して厳重に保管し、入出金の記録などして財産管理する。それを家裁に報告もする。親族からは憎まれるし、監視の目もある。家族からいちゃもんをつけられることもあるので損害賠償責任保険にも加入する。会費、保険料も自己負担だから大変な仕事である。
親族による財産侵害は相当ある、と研修で学習したが具体的な金額はこの記事が初見だ。こうした社会的背景があるから士業による成年後見が後押しされ、行政書士も弁護士、司法書士に遅れること10年後に参入することになった。進んでやれる仕事ではないが社会貢献ということになる。
但し、法律的には一般市民と同じで行政書士の資格でやれる仕事はない。裁判所へ提出する書類作成は弁護士と司法書士の独占業務だからだ。
昨日は振り込め詐欺事件があった。母が偽の息子の電話にだまされて多額のカネを振り込んでしまった。電話帳を見て、女性名で記載されている所を狙うそうだ。高齢の女性は記載しないほうがいい。
本題の成年後見は実の親族間の事故だから心情的には複雑である。親の財産を例えば息子が生活費に使うことを「着服」といって良いものかどうか。
成年後見制度を利用すると親族であっても法律的には成年後見人という地位を得て、親子の馴れ合い的な関係は許されないのである。つまり、例えば息子であっても法律上は別人になるということなのだ。
この関係が弁護士が成年後見人になって見ればすぐ理解される。被成年後見人の財産を使い込めば「着服」であり、横領罪で刑事責任を問われる。実際にそんな事件があった。
士業が成年後見人になると家族から被成年後見人の名義の財産と印鑑を預り、分別して厳重に保管し、入出金の記録などして財産管理する。それを家裁に報告もする。親族からは憎まれるし、監視の目もある。家族からいちゃもんをつけられることもあるので損害賠償責任保険にも加入する。会費、保険料も自己負担だから大変な仕事である。
親族による財産侵害は相当ある、と研修で学習したが具体的な金額はこの記事が初見だ。こうした社会的背景があるから士業による成年後見が後押しされ、行政書士も弁護士、司法書士に遅れること10年後に参入することになった。進んでやれる仕事ではないが社会貢献ということになる。
但し、法律的には一般市民と同じで行政書士の資格でやれる仕事はない。裁判所へ提出する書類作成は弁護士と司法書士の独占業務だからだ。
会計業務 ― 2011/10/21
14:00~17:00まで顧問先にて執務。20日締めに伴う仕訳と入力。領収書の整理、製本化、他の書類整理。