「拠点」は中国か…国境を越えて暗躍する在留カード偽造・販売の闇ビジネス ― 2015/01/07
産経WESTから
外国人が正規の資格を得て日本で暮らしていることを示す在留カード。不法残留者を排除する目的などで平成24年、外国人登録証(外登証)に変わって導入されたものだが、関西国際空港で偽造カードが昨年相次いで見つかった。大阪府警は、中国人とベトナム人計3人を入管難民法違反(在留カード偽造)容疑で摘発。いずれも不法残留者で「日本で働き続けたかった」という動機だった。だが、摘発できたのは、いずれも偽造カードを求める〝依頼人〟。捜査は製造元ら黒幕までたどり着いていない。カードは一見して偽物とは分からない「精巧な模造品」(捜査関係者)といい、いずれも中国からの国際宅配便だった。不法残留者の陰には、国境を越えて在留カードの偽造・販売に暗躍する闇ビジネスの存在が浮かんでいる。
不審な段ボール箱
昨年8月。税関から入った一本の電話が、ベトナム人の事件の端緒だった。
「6月に輸入された貨物の通関検査で偽造カードが見つかりました」
大阪税関関西空港税関支署の職員が中国・上海から送られてきた国際宅配便を検査していたところ、一つの段ボール箱から小分けされた多数の黒いポリ袋が見つかった。開封してみると、中から現れたのが14枚の「在留カード」だった。
そんなものが国際宅配便から出てくるわけがなかった。在留外国人の大切な身分証であるだけではない。入管難民法で常時携帯するよう定められており、警察官らから提示を求められた際に携帯していなければ懲役や罰金に処せられる可能性があるのだ。
現場の誰もが予想したとおり、府警科学捜査研究所の鑑定結果は、「精巧に模造された偽物」だった。
14枚の偽造カードにはそれぞれ、別々の人物の顔写真と氏名などが記載されていた。「顔写真の男たち」の所在を突き止める捜査が始まった。
ICチップで変造防止も…
「やはりOS(オーエス)やったな」
14人のうちの1人が日本に不法残留していたことが分かり、捜査幹部はこう感想を漏らしたという。
不法残留の英訳「Overstay(オーバーステイ)」の略。不法残留者が仕事に就くため、〝正規〟の身分証明を欲しがるのはよくあることだからだ。
在留カードは24年7月、それまでの外国人登録制度が新しい在留管理制度に変わったことで外登証が廃止され、それに伴って導入された。在留カードの特徴は大きく2つ。1つは正規滞在者の利便性を高めることで、もう一つは不法残留者の数を減らす工夫が盛り込まれていることだった。
従来の外国人登録制度は在留資格を問わずに登録の対象としていた。そのため、不法残留者であっても外登証を取得できるという課題があった。そこで新制度では、入国管理局が在留資格を認めた外国人に在留カードを交付するよう改められた。偽造や変造を防ぐためにICチップも搭載された。
表には顔写真や氏名、国籍・地域、在留資格の種類、有効期限が列記され、一目で正規の在留資格を持った滞在者であることが分かるようになっている。
だが、こうした工夫もむなしく、やがて偽造カードが出回るように。しかも、警察庁のまとめでは、新制度が始まった翌25年に偽造在留カード所持などの入管法違反で78人が摘発されたが、26年は上半期だけで46人で、前年同時期の16人から急伸した。
仲介料・代金は各4万円
14人のうちオーバーステイだった1人を割り出した府警は11月14日、入管難民法違反(在留カード偽造)容疑で、この男を逮捕した。調べによると、ベトナム国籍の男(28)=12月3日に同罪で起訴=で、平成22年8月19日に来日し、技能実習生として在留資格を取得して、関東の建設会社で働いていた。
在留期限は1年間で切れるため毎年更新していたが、最長で合計3年間しか認められておらず、25年9月19日以降、不法残留となっていたという。
男は「在留期限が過ぎているのは知っていた」。在留期限が切れ、技能実習先の建設会社を去った後も日本にとどまった理由については「働いてベトナムに送金したかったからだ」と供述した。
日本に居座る限り、働いたり部屋を借りたりする必要があるが、何をするにも身分証は必要。そんなとき、偽造在留カードが手に入るという話を聞き、購入を依頼。仲介料として前金4万円を支払った。現物が手に入るとさらに4万円を支払う約束だったという。
チャットで偽造業者探す
この事件のほか、関空では昨年5月、同じく中国・上海を発送元とする国際貨物便から在留カード5枚を発見。中国人の男2人が逮捕されている。
2人はいずれも「QQ(中国のチャット)で偽造してくれるところを見つけて依頼した」と容疑を認め、そのうち1人は「やり取りはすべてチャットだった。スマートフォンで自分の写真を送り、作ってもらった」と供述したという。
中国人2人もベトナム人の男も、いずれも容疑は「偽造」となっているが、氏名不詳者の〝製造者〟との共謀という意味でしかない。
「海外で日本の在留カードを偽造し、販売する闇ビジネスが横行しているのは間違いない」と捜査幹部。発送元を考えると、中国に拠点がある可能性があり、摘発するには中国政府や当局の協力が不可欠だが、現実には難しい。
ただ、事件は治安の根幹にかかわる制度を揺るがすもので、放置すれば不良外国人を呼び込む〝犯罪インフラ〟になりかねない。府警は全容解明に向けて困難な捜査を続けている。
以上
今から10年前にはハイウェイカードの偽造が問題になった。巨額の偽造が見つかり、現在のETCカードに切り替わった。偽造元は韓国と見られている。どんなに精巧にやってもぱくられるようだ。
偽造はカードだけではない。中国では様々な書類も偽造されている。人権派が騒ぐかも知れんが指紋など個人を識別するデータを入力しないと偽造は防止できないだろう。
外国人が正規の資格を得て日本で暮らしていることを示す在留カード。不法残留者を排除する目的などで平成24年、外国人登録証(外登証)に変わって導入されたものだが、関西国際空港で偽造カードが昨年相次いで見つかった。大阪府警は、中国人とベトナム人計3人を入管難民法違反(在留カード偽造)容疑で摘発。いずれも不法残留者で「日本で働き続けたかった」という動機だった。だが、摘発できたのは、いずれも偽造カードを求める〝依頼人〟。捜査は製造元ら黒幕までたどり着いていない。カードは一見して偽物とは分からない「精巧な模造品」(捜査関係者)といい、いずれも中国からの国際宅配便だった。不法残留者の陰には、国境を越えて在留カードの偽造・販売に暗躍する闇ビジネスの存在が浮かんでいる。
不審な段ボール箱
昨年8月。税関から入った一本の電話が、ベトナム人の事件の端緒だった。
「6月に輸入された貨物の通関検査で偽造カードが見つかりました」
大阪税関関西空港税関支署の職員が中国・上海から送られてきた国際宅配便を検査していたところ、一つの段ボール箱から小分けされた多数の黒いポリ袋が見つかった。開封してみると、中から現れたのが14枚の「在留カード」だった。
そんなものが国際宅配便から出てくるわけがなかった。在留外国人の大切な身分証であるだけではない。入管難民法で常時携帯するよう定められており、警察官らから提示を求められた際に携帯していなければ懲役や罰金に処せられる可能性があるのだ。
現場の誰もが予想したとおり、府警科学捜査研究所の鑑定結果は、「精巧に模造された偽物」だった。
14枚の偽造カードにはそれぞれ、別々の人物の顔写真と氏名などが記載されていた。「顔写真の男たち」の所在を突き止める捜査が始まった。
ICチップで変造防止も…
「やはりOS(オーエス)やったな」
14人のうちの1人が日本に不法残留していたことが分かり、捜査幹部はこう感想を漏らしたという。
不法残留の英訳「Overstay(オーバーステイ)」の略。不法残留者が仕事に就くため、〝正規〟の身分証明を欲しがるのはよくあることだからだ。
在留カードは24年7月、それまでの外国人登録制度が新しい在留管理制度に変わったことで外登証が廃止され、それに伴って導入された。在留カードの特徴は大きく2つ。1つは正規滞在者の利便性を高めることで、もう一つは不法残留者の数を減らす工夫が盛り込まれていることだった。
従来の外国人登録制度は在留資格を問わずに登録の対象としていた。そのため、不法残留者であっても外登証を取得できるという課題があった。そこで新制度では、入国管理局が在留資格を認めた外国人に在留カードを交付するよう改められた。偽造や変造を防ぐためにICチップも搭載された。
表には顔写真や氏名、国籍・地域、在留資格の種類、有効期限が列記され、一目で正規の在留資格を持った滞在者であることが分かるようになっている。
だが、こうした工夫もむなしく、やがて偽造カードが出回るように。しかも、警察庁のまとめでは、新制度が始まった翌25年に偽造在留カード所持などの入管法違反で78人が摘発されたが、26年は上半期だけで46人で、前年同時期の16人から急伸した。
仲介料・代金は各4万円
14人のうちオーバーステイだった1人を割り出した府警は11月14日、入管難民法違反(在留カード偽造)容疑で、この男を逮捕した。調べによると、ベトナム国籍の男(28)=12月3日に同罪で起訴=で、平成22年8月19日に来日し、技能実習生として在留資格を取得して、関東の建設会社で働いていた。
在留期限は1年間で切れるため毎年更新していたが、最長で合計3年間しか認められておらず、25年9月19日以降、不法残留となっていたという。
男は「在留期限が過ぎているのは知っていた」。在留期限が切れ、技能実習先の建設会社を去った後も日本にとどまった理由については「働いてベトナムに送金したかったからだ」と供述した。
日本に居座る限り、働いたり部屋を借りたりする必要があるが、何をするにも身分証は必要。そんなとき、偽造在留カードが手に入るという話を聞き、購入を依頼。仲介料として前金4万円を支払った。現物が手に入るとさらに4万円を支払う約束だったという。
チャットで偽造業者探す
この事件のほか、関空では昨年5月、同じく中国・上海を発送元とする国際貨物便から在留カード5枚を発見。中国人の男2人が逮捕されている。
2人はいずれも「QQ(中国のチャット)で偽造してくれるところを見つけて依頼した」と容疑を認め、そのうち1人は「やり取りはすべてチャットだった。スマートフォンで自分の写真を送り、作ってもらった」と供述したという。
中国人2人もベトナム人の男も、いずれも容疑は「偽造」となっているが、氏名不詳者の〝製造者〟との共謀という意味でしかない。
「海外で日本の在留カードを偽造し、販売する闇ビジネスが横行しているのは間違いない」と捜査幹部。発送元を考えると、中国に拠点がある可能性があり、摘発するには中国政府や当局の協力が不可欠だが、現実には難しい。
ただ、事件は治安の根幹にかかわる制度を揺るがすもので、放置すれば不良外国人を呼び込む〝犯罪インフラ〟になりかねない。府警は全容解明に向けて困難な捜査を続けている。
以上
今から10年前にはハイウェイカードの偽造が問題になった。巨額の偽造が見つかり、現在のETCカードに切り替わった。偽造元は韓国と見られている。どんなに精巧にやってもぱくられるようだ。
偽造はカードだけではない。中国では様々な書類も偽造されている。人権派が騒ぐかも知れんが指紋など個人を識別するデータを入力しないと偽造は防止できないだろう。
会計業務 ― 2015/01/07
12/30から1/3まで九州往復の長丁場のドライブの疲れが出て5日、6日も静養にしていたが7日は出社。来週の支払いの準備、償却資産、年末調整の仕事などの付随業務が山積している。また自分自身の事務所の決算と申告もある。決算期に続いて多忙な時期である。
9:00から17:30まで執務。支払い一覧表作成、相殺の領収書作成、手形小切手の作成、など終えた。調書も少人数なのですぐ終わった。後は仕訳伝票の作成、入力、チエックなどまだ2日はかかる。疲労はまだあって振込依頼書で2ヶ所、手形で2枚ミスがあった。自己チエックのシステムを作ってあるので簡単に見つかるが、やりながら回復していくしかない。
また、インフルエンザで休んでいる人もいるし、途中で気分が優れず、退社した人もいたしばらく健康管理が大事だ。病気は疲労がきっかけになることがあるからだ。
9:00から17:30まで執務。支払い一覧表作成、相殺の領収書作成、手形小切手の作成、など終えた。調書も少人数なのですぐ終わった。後は仕訳伝票の作成、入力、チエックなどまだ2日はかかる。疲労はまだあって振込依頼書で2ヶ所、手形で2枚ミスがあった。自己チエックのシステムを作ってあるので簡単に見つかるが、やりながら回復していくしかない。
また、インフルエンザで休んでいる人もいるし、途中で気分が優れず、退社した人もいたしばらく健康管理が大事だ。病気は疲労がきっかけになることがあるからだ。
会計業務 ― 2015/01/08
9:00から17:30まで執務。仕訳伝票を起こし、入力するなど支払い準備はほぼ完了。昨年の書類つづりを見て鏡を記載し、年末調整の書類を関係者、各市役所に送付。1人だけ中途入社してすぐ退職した社員の処理が分からず、該当の市役所に電話して指示を仰いだ。所定の書類を送付するとのことでしばらく待機。
会計業務 ― 2015/01/09
9:00~14:30まで執務。今日は銀行員に振込依頼表を渡すのみ。片付けの済んでいない財務省のアンケート、償却資産申告書の作成を処理。名古屋市を除くと他の市は皆投函できた。名古屋市は現在建物を壊して新築中なので従来のデータの見直しに時間がかかる。既存の記載の資産で現在ないものを削除した。改めて集計することになる。
帰宅後、丸の内に移動。書類を請求していた自治体からある、ないの回答があった。法務局に問い合わせて次期予約日を伺い、依頼主にメールしておく。終わった後、名古屋駅前に移動、支部の新年会の会場となるミッドランドスクウェア42Fへ向かう。70名超が駆けつけて新年を寿ぐ。
帰宅後、丸の内に移動。書類を請求していた自治体からある、ないの回答があった。法務局に問い合わせて次期予約日を伺い、依頼主にメールしておく。終わった後、名古屋駅前に移動、支部の新年会の会場となるミッドランドスクウェア42Fへ向かう。70名超が駆けつけて新年を寿ぐ。
「朝日叩きではない、朝日問題の核心」を読む(『Will』12月号から) ― 2015/01/10
昨年の8/5.以来、朝日新聞の誤報問題が報じられてきたが、今年になって、植村元記者が捏造ではない、反日ではない、と提訴し、未だにくすぶっている。産経の加藤記者は今も釈放されず、韓国との関係もギクシャクしたままだ。
以前から日本の代表的な新聞社がなぜ日本を貶めるのか、不思議でならなかった。友人に話してもリベラルはあんなもの、新聞とはあんなもの、と言うばかりで訳が分からない。知ろうともしないのである。
特に日韓においては朝鮮日報の朝と日をとって朝日だとか揶揄されていたぐらい朝鮮半島寄りだった。それは今も尾を引いている。
そんな社会を観察するために雑誌の「Will」や「正論」その他を購入するばかりで積読であったので今日一部を読んだ。それが表題の論文だった。更に論文に引用された西尾氏の著作を検索したら、アマゾンのレビューに素晴らしいコメントがあった。そうかそういうことだったのか、と腑に落ちる内容なので、それを転載させもらう。
つまり日本を貶める論陣を張り通すことで一定の利益を享受してきたのである。またそういう考えの学者も多いことに気づかされる。今更、憲法9条を中心に現状に適応するように改正されたら飯の食い上げになる学者、評論家、市民運動家がごまんと居るのである。だから日本の過去を穿り出して贖罪感を刺激し続けて行きたい。それが日本の左翼言論人の立場らしい、と知る。
引用した本は『異なる悲劇 日本とドイツ』(文春文庫)
「4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書は1990年代の歴史的傑作である
投稿者 仁王門 投稿日 2014/8/2
形式: 単行本
本書は1994年に出版された。(特に重要な第二章の「ヴァイツゼッカー謝罪演説の欺瞞」は93年に雑誌に掲載)。本書があと5年早くまたは10年早く出版されていたら当時の風潮も変わっていただろうと思わせる名著である。振り返ればインターネットもあと10年早く普及していたら朝日新聞が捏造した従軍慰安婦騒動は確実に世界へ波及しなかっただろうと確信している。ネットが普及したころでさえ、「日本よりドイツのほうが過去を反省して責任を果たしている」という俗説をとなえる者がネット上に多かったが、それに反論する者は本書内容に基づいて反論することが多かったことを思い出す。
なぜ「日本よりドイツのほうが過去を反省して国際的な責任を果たしている」という都市伝説が日本中で広まったのか、それについては本書の分析対象ではないが、私が多感な青年期の1980年代後半にメディアや出版物を観察してきたので、その観察結果からだいたい次のようなことに総括できると思っている。
要は、没落した共産主義系左翼の最後の悪あがきということである。
東京大学史料編纂所の教授をされていた酒井信彦氏が、80年代に共産主義が退潮して日本の左翼勢力が弱くなると思っていたがまったく予想を裏切られたと書かれていたが、左翼は共産主義が退潮して本来であればオピニオンリーダーの座からひきずりおろされるところを、過去の日本たたきをすることや、また海外の反日を煽ることなどにより、オピニオンリーダーとして生き残ることができたのである。
「日本よりドイツのほうが過去を反省して国際的な責任を果たしている」という俗説はどのようにつくられていったのか、いつころから誰がそんなことを主張しはじめたかは調べてないので詳細はわからない。私の記憶が鮮明に残っているのは1980年代後半の朝日新聞の狂ったキャンペーンである。手を変え品を変えてこの手の主張をしていた。そしてワィツゼッカーの逸話とともに同じドイツ人である元ドイツ首相のシュミットをよく利用して、「このようにシュミットも日本の反省が足りないからアジアで孤立していると言ってるぞ」とキャンペーンをしつこくやったのである。とくに終戦記念日が近づくと毎年ひどかった。記憶では一年中そういった戯言を記者やいろんな識者に主張させては繰り貸して記事にしていた。とくに「朝日系(朝日新聞、朝日ジャーナル)」「岩波系(雑誌世界など)」「日教組など左翼教師系の言説や出版物」の<三馬○トリオ>はこれが彼らの主張の最初に必ずくる枕ことばのようになっていた。そして社会党や共産党の政治家も完全に洗脳されていた。地方紙など日本全国の津々浦々に浸透して「一大反省ブーム」を引き起こした。
そして現在では中国や韓国の首脳がこれを言い出している。日本では下火になったころに日本の言論界の影響を強く受けてきた中韓に伝染していったようである。
そもそも「日本よりドイツのほうが反省した」と日本人に信じ込ませれば、左翼にとってどんな良いことがあったのか? 私が当時を思い出して推測するに、左翼にとっては次の5つの大きなメリットがあった。
1)日本人への有無を言わさぬ「反省」と「自虐」の強制が可能となる。
世界中でさんざんと非難されているナチスドイツと同レベルの政体や虐殺さが日本にあったと信じ込ませれば、左翼が思うがままに日本人に「反省」や「自虐」を強いることができる。とくにナチスドイツとA級戦犯が同一などと思い込ませることができれば靖国参拝もナチスの墓詣でと同じと非難できるなど大きなメリットがあった。
日本の左翼は極端に自閉症的発想がきわだっていた。原爆を落としたほうよりも原爆を落とされたほうが悪いそれはポツダム宣言を受諾しなかったからだなどと訳のわからない(もちろん実証的検証でも完全に間違っている)説を主張した。日本が「アジア中から非難されている」という構造にしたかったので左翼の誘いに容易にのらないインドネシアやフィリピンなどへの捏造工作はひどかった。カンボジアはそれどころではなかったが一段落ついたら戦後の餓死問題などで工作を仕掛けようとした。
2)左翼による言論弾圧の正当化ができる。
左翼にとって気に入らない連中の言論弾圧ができる。そのための正当化ができる。
朝日新聞の本多勝一などが復活させて捏造した南京大虐殺像へ疑問をもつ者、あるいは左翼が強いる過去の「反省」などに疑問をもつ者を言論弾圧して口を封じたいというのが左翼の本音であったが、言論や表現の自由という建前があるため法律での言論弾圧はさすがにできない。ところが「ナチスドイツと同じようなことをやった」に信じこませることができれば「ドイツだってナチスを擁護する言論は許されてない」と法律で言論弾圧を正当化できるのである。おそろしいことに社会党の土井たか子などはそのように主張していた。南京大虐殺はなかったという日本人は逮捕されてもしかたないと主張した。ソースがほしい人間は過去の新聞記事をさがしてほしい。土井たか子ひとりだけではなかった。さすがに自民党の政治家でそんな発言をする政治家はいなかったと思う。社会党が政権をとっていればその手の言論規制法をつくろうとしただろう。これは冗談ではない。共産主義者は基本的に全体主義的思考なのであるが、同時にリベラルであるかのように装っているのでいろんな偽装をした。
3)共産主義の悪から日本人の目をそらせることにより左翼の過去の悪行の隠蔽ができる。
実は本書の第1章に書かれている通り、ナチスドイツは「国軍以外の特殊任務部隊」「秘密警察」「強制収容所」などの特徴がある。これはなにを隠そうスターリンのソ連や毛沢東の中国やその他東ヨーロッパの共産国にこそ当てはまった。アナロジーでいえば日本の戦前の特高が秘密警察にあたるとか、強制収容所は米国の日系人強制収容所がそれにあたるとか日米でも該当する要素が皆無ではないが、なによりその規模が徹底的に違うのである。左翼にとってはナチスドイツは日本と同じとイメージを流布させることにより、過去の共産主義の悪魔化を抑止できる。つまりさんざんと過去に共産主義社会を美化してきた左翼のイメージダウンを防ぐことができたのである。
4)当時の真の政治問題から日本人の目をそらせることができる
当時の80年代から90年代の真の政治問題は北朝鮮問題や中国問題であった。北朝鮮の当時やっていたことは無茶苦茶で、多数の工作員を日本社会にもぐりこまさせ、韓国では旅客機に爆弾をしかけて落下させたりした。
こうした問題が真の政治問題であると日本人に認識されると左翼にとって困ったことが起こる。たとえば北朝鮮をことさら美化してきたことの責任が問われる。それを日本の過去の歴史認識問題を蒸し返すことにより阻止できたのである。
5)海外の反日勢力を左翼の味方にできる
さらに日本人にとっては恐ろしい側面がある。「ドイツと違って日本は反省していない。なぜならドイツの敵国や周辺国は今やなんら怒ってないが、日本の周辺の中国や韓国は怒り狂っている」。日本のマスコミが世界中にこのデマを流してきたのである。
つまり、日本の左翼が「中国や韓国の反日を煽る」--> すると当然「中国や韓国は怒る」--> そうすると「周辺国は怒っているのは日本が反省していないため」と見せかけることができる。日本は反省していないと見せかけるため、なおさら左翼は中韓を煽るというモチベーションが強まるのだ。こうして中国と韓国を左翼がまきこむことにより日本国内で形勢を逆転できた。左翼は海外の反日勢力と手を組んで日本をいたぶる。
以上だらだらと書いていて、「何をしちめんどくさい理屈を書いているのか、中国や韓国の難癖を批判だけしてればよいだけだろ」と感じる日本人は多いだろう。けれども以上のような理論武装を日本人がみずからして反論するのが特に外国などに対してはきわめて有効である。過去の日本の左翼の洗脳が世界中に浸透してしまったからである。
朝日新聞等がそれこそ徹底的なキャンペーンで「日本はドイツほど反省してないから中国や韓国は怒っている」というスローガンを猛烈な回数で世界中に発信してきた。それに反論するためには西尾氏のこの著作で書かれていることは最低限理解しておかなければ日本人として反論するのはむずかしいだろう。
ここで話が大きくそれるが、多くの日本人にとって理解されてないのが左翼というものの恐ろしさである。なぜ自衛隊が認知されているのに「いっさい軍備せず」の憲法9条が今も残っているか? 社会党や共産党の左翼政党が衰退して北朝鮮の異常性が明らかになっても、カンボジアなどでの自衛隊の活動が国際的に認められても憲法9条が頑として残っているか? それは自民党の政治家などが日本の左翼の本当のおそろしさを理解していなかったからである。政党が衰退しても過去にマスコミや教育、学問の中枢を左翼が支配したことの意味をほんとうに理解していなかったのである。
アフガン戦争やイラク戦争のころに詳しい経緯は忘れたが自衛隊が米軍の戦艦に石油を給油するという話があったときに私はひとりの国民として個人的には反対であった。理由は自衛隊が「戦争終結後」になおゲリラなど危険が想定されるなかでの戦地のインフラ回復にむかうのには何ら問題ない。しかし日本の生命と安全に直結しない戦争に戦闘以外でも自衛隊が参加させるということは今後日本の左翼の猛反撃を浴びて憲法9条改正は完全に遠のいていまうと確信したからである。米国から援助をもとめられたら自民党の政治家は「日本人の生命を直接おびやかされるわけではない戦争への自衛隊の援助は給油だけでも認められない。そうしなけれほんとうに自衛隊と米国が協力して日本を守るために戦闘を行わなければならないときに協力できない。それは米国が置きみやげとして憲法9条がいまだに残る日本の宿命だ」とでも言って米国を説得しておけば通用したはずである。
安易に米軍戦闘を支援してしまったから、日本の左翼の「戦争まきこまれ論」が復活して憲法9条改正はまた遠のいてしまったのだ。とくにイラクの大量破壊兵器やアルカイダ支援説はデタラメであったから日本の受ける打撃は最悪であった。左翼は安全保障議論において世間的には形勢を逆転させた。
また河野談話の河野はほんとうに左翼の心理の核心とおそろしさを理解せずに、左翼の「まだまだ日本は反省していない」という異常なイデオロギーに感染してしまった。左翼のおそろしさは超絶したダブルスタンダードにある。たとえば南アフリカのマンデラが死んだら左翼は「愛をもった立派な平和主義者である」などとおべんちゃらを言う。マーチンルーサキングは偉大だと言う。ところがマンデラなどの発想は過去の加害責任者を一人残らずひきずりだして罰するなどをせず、罪をにくんで人をにくまずという寛大な姿勢で建設的未来を築いていこうというものであった。左翼の発想はこれとまったく逆で正反対だった。岸信介などA級戦犯は悪魔であるから戦後なにをしても悪魔だと考えた、昭和天皇は原爆投下を命令したトルーマンより責任が重いと考えたなど徹底的に日本側のみが一方的に悪くて悪魔であると日本人を洗脳した。マンデラと違って過去を徹底的に蒸し返して日本人を叩きのめす。それは左翼がオピニオンリーダーとして生き残ることができるという巨大なメリットがあったからである。
本書を補完する意味で、西ドイツ(現代のドイツが継承した正当なドイツであった)が戦後に共産主義者に対してどう対応したかという歴史がかなり重要である。本書にはその部分については言及されていなかったと思う。(もし見逃していたら大変申し訳ない)。これは最重要である。これこそが「日本とドイツの違い」である。西ドイツでは政治や教育、学問から共産主義を敵として対決した。社会の中枢部を共産主義者に占有されなかった。だから日本のように反省と謝罪を強制するヤクザのような存在がドイツに少なかった。もちろんドイツの周辺国であるポーランドやユダヤ人が建国したイスラエルなどと、中国や韓国など日本の執念深い周辺国がまったく違うという相違点も大きい。ただしドイツとイスラエルがたびたび戦争認識をめぐってぎくしゃくしてきたという事実はある。
西ドイツの憲法裁判所の判決で共産党の結党を禁じたということを知っている日本人がどのくらいいるだろうか。ドイツはナチス再結党も禁じたが、共産主義者にも同様にきびしく対処したのである(1960年代になって別の政党ならよいと緩和されたが共産党再結党は相変わらず禁止)。ところが日本はまったく正反対であった。左翼が吉田茂の逆コースと非難する時期に一時的に共産主義者の追放をちょことやっただけで、その後は共産主義者のやりたい放題であった。共産党や社会党の勢力はどんどん伸張。日教組により義務教育は共産主義者を養成する思想養成所になった。NHKは共産主義賛美の大報道をくりかえした。これこそが日本とドイツの違いだったのである。
本書の記載されていないもうひとつの重要な観点はユダヤ虐殺へのキリスト教の影響と関与である。ナチスがユダヤ人を識別するためにユダヤ人の胸につけさせたワッペンはヨーロッパ中世で行われた悪行の再現であった。
けれども著者はドイツを厳しく批判しながらも、ドイツ人なりの知恵を発揮して悲劇とむきあい克服しようとしたと同情的に描かれていると思った。これでこそ良心をもった日本人であると思った。日本を擁護しようとしてドイツをことさら悪魔化しようとする罠におちいってはならないと感じた。
私は戦前・戦中の歴史は知らない。知らない時代はこうだと確信をもって語る自信はない。なるほどこういう見方もあるのかといろいろな考え方に納得するだけである。けれども現代の自分の生きてきた歴史については学者やマスコミの屁理屈にはだまされずにかなりの確信をもって語ることができる。最近アマゾンで「永続的敗戦論」という一橋大出身の学者がだしている書籍を見てびっくりした。かなり倒錯的な発想法に驚いた。こういう形で左翼の理論が生き延びているのかと唖然とした。なんだかんだと奇形的レトリックをもちいて日本を擁護する人たちに対して難癖をつけているようだ。
私は朝日新聞などジャーナリズムが猛威をふるった歴史を目撃してきた。これはくだらないジャーナリズムに左右された日本の悲劇であり、あまりに日本人の一般大衆の平均的知識水準だ高かったために起こった悲劇であると思う。なまじ一般日本人の知識が高いために新聞の影響力が異様に高いのだ。北朝鮮の問題が深刻になりつつあった時期に従軍慰安婦騒動に国民の目をむけさせた朝日新聞は、まあいくら考えても頭のおかしい新聞社であるが、当時は日本中が扇動にふりまわされた。朝日新聞は落ち目の左翼の宣伝塔として完全に立派に機能した。これだけひどいのだから戦前も戦中も相当に狂っていたに違いない。そう思って戦前の歴史も少々勉強したが、案の定であった。
とにかく朝日新聞等が左翼の言い分の「日本はドイツほど反省していない」を日本人に植えつけて猫も杓子もそれを言うような時代があって、西尾氏などが反論してさすがに日本ではその後下火になっていったが、海外では中国や韓国がそれを現在やっている。ドイツに行って「日本はドイツほど反省しておりません。先生!日本人に反省の仕方を教えてやってください」と猫なで声でささやくが現在のドイツ政治家はシュミットなどのような癖の強い政治家と違って聡明らしく今のところ引っかかっていないようである。ひょっとすると西尾氏の主張などがドイツに伝わってドイツ政治家に届いたのかもしれない。
政治家は基本的には安易に歴史問題を発言しないほうがよいというのが私の認識である。政治の世界に歴史認識をもちこむと現在の経済や政治の真の懸案でさえうまくいかなくなってしまう。世界中の国家が、他国との間の歴史を蒸し返して、互いに相手国との「資産」と「負債」を勘定する。相手国が負債が多い負債者側だと負債を返せと主張する。相手を「加害者国」と認定する。この運動が世界中に拡散したら、ますます国民感情レベルでの平和は遠のくだろう。ただしこれは理想論である。常に政治に歴史をもちこむ中国や韓国(彼らにとって歴史とは「過去への政治である」)は欧米とは明らかに異なる。だからこれからの政治家は理論武装しなければいざというときに相当に不利になるだろう。政治家などにとっても本書は必読である。
中国が元日本軍人の手記などを持ち出して日本の反省は足りないと現在非難している、これなども中国が米国へサイバー攻撃をやっているのと同じレベルの工作活動だと。そう断言できる政治家は日本にどのくらいいるだろうか。過去の左翼学者や朝日新聞など言説に洗脳されたアホ政治家であればそういう考えは頭のすみにも思いつかないに違いない。本当に河野などに見られてきた自閉症的な日本の政治家は有害だ。
本書のギュンターグラスへの批判なども面白かった。どうしてギュンターグラスはドイツの統一に反対したか。このあたりの分析は深く他章もそうであるがドイツ人の深い闇にせまっている。ギュンターグラスの代表作である「ブリキの太鼓」は映画で見たが、なんとくだらない映画なのだろうか。
本書のための調査や分析などを通じて著者は歴史理論を深めていったと思われる。
第1章より。「1891年から1906年の間に数千人の日本人移民がカリフォルニアに渡った。アメリカの白人たちには人種差別意識がことのほか強く、サンフランシスコの地震と大火の騒ぎの最中、日本人移民は血祭りに上げられ、略奪、暴行をほしいままにされた。州議会は条約に違反して、日本人の財産を制限し、学童を別のクラスに隔離する法案を通した」。日系人へのアメリカの強制収容所の規模とおそろしさなどについては本書は言及されていない。その後ずいぶんたって詳細が日本人に知られるようになったのだろう。(日本の左翼は日本側の加害に関しては捏造や歪曲してまでも喧伝したが、日本側の被害についてはほとんど知らないふりをした)
日系人をすさまじく弾圧したアメリカがドイツのユダヤ虐殺をえらそうに非難できるのかと指摘できるのは日本ではないか。もちろんこのようなことを政治家が言ったらまずいだろう。けれども一般の日本人や日本の知識人は日本が不当に批判されていたら異議申し立てをするのは当然である。
微妙だが、過去の反省を一切しないほうがよいというのではない。たとえば関東大震災のなかでの流言飛語による朝鮮人への殺人などは教科書でも教えるべきで、暴動のなかでのパニックとくに裁判にもとづかないリンチの恐ろしさについて教えるのは悪いことではないと思っている。でもこれと慰安婦を教科書に載せるというのはまったく意味が違う。なんでもかんでも反省するのがよいと思っている日本人はこの違いがわからないから閉口する。とにかくジャーナリズムというのは単なる一次情報の流通以外は流言飛語の類いしか書かないものと思っていればほぼ間違いないと思っている。馬鹿な学者の抗議や本を読んで、それを真に受けるのは少数である。ところがマスコミの巨大な輪転機をまわせば一般大衆にそれを一気に植え付けることができる。くりかえしわかりやすく粗雑化したイメージを植えつけて特定の条件反射を起こすように大衆社会を改造できるのだ。」
以上
特に文中最後の
「とにかくジャーナリズムというのは単なる一次情報の流通以外は流言飛語の類いしか書かないものと思っていればほぼ間違いないと思っている。」
これである。核心を付いている。
新聞社にせよテレビ局にせよ、事実の報道とそれにもとづく政治家、政権への批判のみにとどめることだ。共産主義国の立場に立って、或いは中国や韓国の立場にたって政治的な発言をするからおかしくなる。それをやりたかったら「赤旗」に投稿するとか、政治結社を結成して発言すればいい。一流メディアの仮面をかぶった政治結社になってしまったのだ。これは朝日新聞にかぎらない。ゆえに秘密保護法の成立で大騒ぎになったのだろう。
西尾氏の論文にもあるようにこれは朝日新聞を叩くのみならず、日本人がなべて敗戦後遺症を克服することだろう。特に政治や経営の最前線にいて活躍中の人は日本は過去に中国大陸を侵略した、などの発言を止めることだ。後にマッカーサーもアメリカの議会であれは侵略戦争ではなかった、と言っている。正しい歴史を知る機会は宮脇淳子『真実の中国史』などの良書がある。
以前から日本の代表的な新聞社がなぜ日本を貶めるのか、不思議でならなかった。友人に話してもリベラルはあんなもの、新聞とはあんなもの、と言うばかりで訳が分からない。知ろうともしないのである。
特に日韓においては朝鮮日報の朝と日をとって朝日だとか揶揄されていたぐらい朝鮮半島寄りだった。それは今も尾を引いている。
そんな社会を観察するために雑誌の「Will」や「正論」その他を購入するばかりで積読であったので今日一部を読んだ。それが表題の論文だった。更に論文に引用された西尾氏の著作を検索したら、アマゾンのレビューに素晴らしいコメントがあった。そうかそういうことだったのか、と腑に落ちる内容なので、それを転載させもらう。
つまり日本を貶める論陣を張り通すことで一定の利益を享受してきたのである。またそういう考えの学者も多いことに気づかされる。今更、憲法9条を中心に現状に適応するように改正されたら飯の食い上げになる学者、評論家、市民運動家がごまんと居るのである。だから日本の過去を穿り出して贖罪感を刺激し続けて行きたい。それが日本の左翼言論人の立場らしい、と知る。
引用した本は『異なる悲劇 日本とドイツ』(文春文庫)
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本書は1990年代の歴史的傑作である
投稿者 仁王門 投稿日 2014/8/2
形式: 単行本
本書は1994年に出版された。(特に重要な第二章の「ヴァイツゼッカー謝罪演説の欺瞞」は93年に雑誌に掲載)。本書があと5年早くまたは10年早く出版されていたら当時の風潮も変わっていただろうと思わせる名著である。振り返ればインターネットもあと10年早く普及していたら朝日新聞が捏造した従軍慰安婦騒動は確実に世界へ波及しなかっただろうと確信している。ネットが普及したころでさえ、「日本よりドイツのほうが過去を反省して責任を果たしている」という俗説をとなえる者がネット上に多かったが、それに反論する者は本書内容に基づいて反論することが多かったことを思い出す。
なぜ「日本よりドイツのほうが過去を反省して国際的な責任を果たしている」という都市伝説が日本中で広まったのか、それについては本書の分析対象ではないが、私が多感な青年期の1980年代後半にメディアや出版物を観察してきたので、その観察結果からだいたい次のようなことに総括できると思っている。
要は、没落した共産主義系左翼の最後の悪あがきということである。
東京大学史料編纂所の教授をされていた酒井信彦氏が、80年代に共産主義が退潮して日本の左翼勢力が弱くなると思っていたがまったく予想を裏切られたと書かれていたが、左翼は共産主義が退潮して本来であればオピニオンリーダーの座からひきずりおろされるところを、過去の日本たたきをすることや、また海外の反日を煽ることなどにより、オピニオンリーダーとして生き残ることができたのである。
「日本よりドイツのほうが過去を反省して国際的な責任を果たしている」という俗説はどのようにつくられていったのか、いつころから誰がそんなことを主張しはじめたかは調べてないので詳細はわからない。私の記憶が鮮明に残っているのは1980年代後半の朝日新聞の狂ったキャンペーンである。手を変え品を変えてこの手の主張をしていた。そしてワィツゼッカーの逸話とともに同じドイツ人である元ドイツ首相のシュミットをよく利用して、「このようにシュミットも日本の反省が足りないからアジアで孤立していると言ってるぞ」とキャンペーンをしつこくやったのである。とくに終戦記念日が近づくと毎年ひどかった。記憶では一年中そういった戯言を記者やいろんな識者に主張させては繰り貸して記事にしていた。とくに「朝日系(朝日新聞、朝日ジャーナル)」「岩波系(雑誌世界など)」「日教組など左翼教師系の言説や出版物」の<三馬○トリオ>はこれが彼らの主張の最初に必ずくる枕ことばのようになっていた。そして社会党や共産党の政治家も完全に洗脳されていた。地方紙など日本全国の津々浦々に浸透して「一大反省ブーム」を引き起こした。
そして現在では中国や韓国の首脳がこれを言い出している。日本では下火になったころに日本の言論界の影響を強く受けてきた中韓に伝染していったようである。
そもそも「日本よりドイツのほうが反省した」と日本人に信じ込ませれば、左翼にとってどんな良いことがあったのか? 私が当時を思い出して推測するに、左翼にとっては次の5つの大きなメリットがあった。
1)日本人への有無を言わさぬ「反省」と「自虐」の強制が可能となる。
世界中でさんざんと非難されているナチスドイツと同レベルの政体や虐殺さが日本にあったと信じ込ませれば、左翼が思うがままに日本人に「反省」や「自虐」を強いることができる。とくにナチスドイツとA級戦犯が同一などと思い込ませることができれば靖国参拝もナチスの墓詣でと同じと非難できるなど大きなメリットがあった。
日本の左翼は極端に自閉症的発想がきわだっていた。原爆を落としたほうよりも原爆を落とされたほうが悪いそれはポツダム宣言を受諾しなかったからだなどと訳のわからない(もちろん実証的検証でも完全に間違っている)説を主張した。日本が「アジア中から非難されている」という構造にしたかったので左翼の誘いに容易にのらないインドネシアやフィリピンなどへの捏造工作はひどかった。カンボジアはそれどころではなかったが一段落ついたら戦後の餓死問題などで工作を仕掛けようとした。
2)左翼による言論弾圧の正当化ができる。
左翼にとって気に入らない連中の言論弾圧ができる。そのための正当化ができる。
朝日新聞の本多勝一などが復活させて捏造した南京大虐殺像へ疑問をもつ者、あるいは左翼が強いる過去の「反省」などに疑問をもつ者を言論弾圧して口を封じたいというのが左翼の本音であったが、言論や表現の自由という建前があるため法律での言論弾圧はさすがにできない。ところが「ナチスドイツと同じようなことをやった」に信じこませることができれば「ドイツだってナチスを擁護する言論は許されてない」と法律で言論弾圧を正当化できるのである。おそろしいことに社会党の土井たか子などはそのように主張していた。南京大虐殺はなかったという日本人は逮捕されてもしかたないと主張した。ソースがほしい人間は過去の新聞記事をさがしてほしい。土井たか子ひとりだけではなかった。さすがに自民党の政治家でそんな発言をする政治家はいなかったと思う。社会党が政権をとっていればその手の言論規制法をつくろうとしただろう。これは冗談ではない。共産主義者は基本的に全体主義的思考なのであるが、同時にリベラルであるかのように装っているのでいろんな偽装をした。
3)共産主義の悪から日本人の目をそらせることにより左翼の過去の悪行の隠蔽ができる。
実は本書の第1章に書かれている通り、ナチスドイツは「国軍以外の特殊任務部隊」「秘密警察」「強制収容所」などの特徴がある。これはなにを隠そうスターリンのソ連や毛沢東の中国やその他東ヨーロッパの共産国にこそ当てはまった。アナロジーでいえば日本の戦前の特高が秘密警察にあたるとか、強制収容所は米国の日系人強制収容所がそれにあたるとか日米でも該当する要素が皆無ではないが、なによりその規模が徹底的に違うのである。左翼にとってはナチスドイツは日本と同じとイメージを流布させることにより、過去の共産主義の悪魔化を抑止できる。つまりさんざんと過去に共産主義社会を美化してきた左翼のイメージダウンを防ぐことができたのである。
4)当時の真の政治問題から日本人の目をそらせることができる
当時の80年代から90年代の真の政治問題は北朝鮮問題や中国問題であった。北朝鮮の当時やっていたことは無茶苦茶で、多数の工作員を日本社会にもぐりこまさせ、韓国では旅客機に爆弾をしかけて落下させたりした。
こうした問題が真の政治問題であると日本人に認識されると左翼にとって困ったことが起こる。たとえば北朝鮮をことさら美化してきたことの責任が問われる。それを日本の過去の歴史認識問題を蒸し返すことにより阻止できたのである。
5)海外の反日勢力を左翼の味方にできる
さらに日本人にとっては恐ろしい側面がある。「ドイツと違って日本は反省していない。なぜならドイツの敵国や周辺国は今やなんら怒ってないが、日本の周辺の中国や韓国は怒り狂っている」。日本のマスコミが世界中にこのデマを流してきたのである。
つまり、日本の左翼が「中国や韓国の反日を煽る」--> すると当然「中国や韓国は怒る」--> そうすると「周辺国は怒っているのは日本が反省していないため」と見せかけることができる。日本は反省していないと見せかけるため、なおさら左翼は中韓を煽るというモチベーションが強まるのだ。こうして中国と韓国を左翼がまきこむことにより日本国内で形勢を逆転できた。左翼は海外の反日勢力と手を組んで日本をいたぶる。
以上だらだらと書いていて、「何をしちめんどくさい理屈を書いているのか、中国や韓国の難癖を批判だけしてればよいだけだろ」と感じる日本人は多いだろう。けれども以上のような理論武装を日本人がみずからして反論するのが特に外国などに対してはきわめて有効である。過去の日本の左翼の洗脳が世界中に浸透してしまったからである。
朝日新聞等がそれこそ徹底的なキャンペーンで「日本はドイツほど反省してないから中国や韓国は怒っている」というスローガンを猛烈な回数で世界中に発信してきた。それに反論するためには西尾氏のこの著作で書かれていることは最低限理解しておかなければ日本人として反論するのはむずかしいだろう。
ここで話が大きくそれるが、多くの日本人にとって理解されてないのが左翼というものの恐ろしさである。なぜ自衛隊が認知されているのに「いっさい軍備せず」の憲法9条が今も残っているか? 社会党や共産党の左翼政党が衰退して北朝鮮の異常性が明らかになっても、カンボジアなどでの自衛隊の活動が国際的に認められても憲法9条が頑として残っているか? それは自民党の政治家などが日本の左翼の本当のおそろしさを理解していなかったからである。政党が衰退しても過去にマスコミや教育、学問の中枢を左翼が支配したことの意味をほんとうに理解していなかったのである。
アフガン戦争やイラク戦争のころに詳しい経緯は忘れたが自衛隊が米軍の戦艦に石油を給油するという話があったときに私はひとりの国民として個人的には反対であった。理由は自衛隊が「戦争終結後」になおゲリラなど危険が想定されるなかでの戦地のインフラ回復にむかうのには何ら問題ない。しかし日本の生命と安全に直結しない戦争に戦闘以外でも自衛隊が参加させるということは今後日本の左翼の猛反撃を浴びて憲法9条改正は完全に遠のいていまうと確信したからである。米国から援助をもとめられたら自民党の政治家は「日本人の生命を直接おびやかされるわけではない戦争への自衛隊の援助は給油だけでも認められない。そうしなけれほんとうに自衛隊と米国が協力して日本を守るために戦闘を行わなければならないときに協力できない。それは米国が置きみやげとして憲法9条がいまだに残る日本の宿命だ」とでも言って米国を説得しておけば通用したはずである。
安易に米軍戦闘を支援してしまったから、日本の左翼の「戦争まきこまれ論」が復活して憲法9条改正はまた遠のいてしまったのだ。とくにイラクの大量破壊兵器やアルカイダ支援説はデタラメであったから日本の受ける打撃は最悪であった。左翼は安全保障議論において世間的には形勢を逆転させた。
また河野談話の河野はほんとうに左翼の心理の核心とおそろしさを理解せずに、左翼の「まだまだ日本は反省していない」という異常なイデオロギーに感染してしまった。左翼のおそろしさは超絶したダブルスタンダードにある。たとえば南アフリカのマンデラが死んだら左翼は「愛をもった立派な平和主義者である」などとおべんちゃらを言う。マーチンルーサキングは偉大だと言う。ところがマンデラなどの発想は過去の加害責任者を一人残らずひきずりだして罰するなどをせず、罪をにくんで人をにくまずという寛大な姿勢で建設的未来を築いていこうというものであった。左翼の発想はこれとまったく逆で正反対だった。岸信介などA級戦犯は悪魔であるから戦後なにをしても悪魔だと考えた、昭和天皇は原爆投下を命令したトルーマンより責任が重いと考えたなど徹底的に日本側のみが一方的に悪くて悪魔であると日本人を洗脳した。マンデラと違って過去を徹底的に蒸し返して日本人を叩きのめす。それは左翼がオピニオンリーダーとして生き残ることができるという巨大なメリットがあったからである。
本書を補完する意味で、西ドイツ(現代のドイツが継承した正当なドイツであった)が戦後に共産主義者に対してどう対応したかという歴史がかなり重要である。本書にはその部分については言及されていなかったと思う。(もし見逃していたら大変申し訳ない)。これは最重要である。これこそが「日本とドイツの違い」である。西ドイツでは政治や教育、学問から共産主義を敵として対決した。社会の中枢部を共産主義者に占有されなかった。だから日本のように反省と謝罪を強制するヤクザのような存在がドイツに少なかった。もちろんドイツの周辺国であるポーランドやユダヤ人が建国したイスラエルなどと、中国や韓国など日本の執念深い周辺国がまったく違うという相違点も大きい。ただしドイツとイスラエルがたびたび戦争認識をめぐってぎくしゃくしてきたという事実はある。
西ドイツの憲法裁判所の判決で共産党の結党を禁じたということを知っている日本人がどのくらいいるだろうか。ドイツはナチス再結党も禁じたが、共産主義者にも同様にきびしく対処したのである(1960年代になって別の政党ならよいと緩和されたが共産党再結党は相変わらず禁止)。ところが日本はまったく正反対であった。左翼が吉田茂の逆コースと非難する時期に一時的に共産主義者の追放をちょことやっただけで、その後は共産主義者のやりたい放題であった。共産党や社会党の勢力はどんどん伸張。日教組により義務教育は共産主義者を養成する思想養成所になった。NHKは共産主義賛美の大報道をくりかえした。これこそが日本とドイツの違いだったのである。
本書の記載されていないもうひとつの重要な観点はユダヤ虐殺へのキリスト教の影響と関与である。ナチスがユダヤ人を識別するためにユダヤ人の胸につけさせたワッペンはヨーロッパ中世で行われた悪行の再現であった。
けれども著者はドイツを厳しく批判しながらも、ドイツ人なりの知恵を発揮して悲劇とむきあい克服しようとしたと同情的に描かれていると思った。これでこそ良心をもった日本人であると思った。日本を擁護しようとしてドイツをことさら悪魔化しようとする罠におちいってはならないと感じた。
私は戦前・戦中の歴史は知らない。知らない時代はこうだと確信をもって語る自信はない。なるほどこういう見方もあるのかといろいろな考え方に納得するだけである。けれども現代の自分の生きてきた歴史については学者やマスコミの屁理屈にはだまされずにかなりの確信をもって語ることができる。最近アマゾンで「永続的敗戦論」という一橋大出身の学者がだしている書籍を見てびっくりした。かなり倒錯的な発想法に驚いた。こういう形で左翼の理論が生き延びているのかと唖然とした。なんだかんだと奇形的レトリックをもちいて日本を擁護する人たちに対して難癖をつけているようだ。
私は朝日新聞などジャーナリズムが猛威をふるった歴史を目撃してきた。これはくだらないジャーナリズムに左右された日本の悲劇であり、あまりに日本人の一般大衆の平均的知識水準だ高かったために起こった悲劇であると思う。なまじ一般日本人の知識が高いために新聞の影響力が異様に高いのだ。北朝鮮の問題が深刻になりつつあった時期に従軍慰安婦騒動に国民の目をむけさせた朝日新聞は、まあいくら考えても頭のおかしい新聞社であるが、当時は日本中が扇動にふりまわされた。朝日新聞は落ち目の左翼の宣伝塔として完全に立派に機能した。これだけひどいのだから戦前も戦中も相当に狂っていたに違いない。そう思って戦前の歴史も少々勉強したが、案の定であった。
とにかく朝日新聞等が左翼の言い分の「日本はドイツほど反省していない」を日本人に植えつけて猫も杓子もそれを言うような時代があって、西尾氏などが反論してさすがに日本ではその後下火になっていったが、海外では中国や韓国がそれを現在やっている。ドイツに行って「日本はドイツほど反省しておりません。先生!日本人に反省の仕方を教えてやってください」と猫なで声でささやくが現在のドイツ政治家はシュミットなどのような癖の強い政治家と違って聡明らしく今のところ引っかかっていないようである。ひょっとすると西尾氏の主張などがドイツに伝わってドイツ政治家に届いたのかもしれない。
政治家は基本的には安易に歴史問題を発言しないほうがよいというのが私の認識である。政治の世界に歴史認識をもちこむと現在の経済や政治の真の懸案でさえうまくいかなくなってしまう。世界中の国家が、他国との間の歴史を蒸し返して、互いに相手国との「資産」と「負債」を勘定する。相手国が負債が多い負債者側だと負債を返せと主張する。相手を「加害者国」と認定する。この運動が世界中に拡散したら、ますます国民感情レベルでの平和は遠のくだろう。ただしこれは理想論である。常に政治に歴史をもちこむ中国や韓国(彼らにとって歴史とは「過去への政治である」)は欧米とは明らかに異なる。だからこれからの政治家は理論武装しなければいざというときに相当に不利になるだろう。政治家などにとっても本書は必読である。
中国が元日本軍人の手記などを持ち出して日本の反省は足りないと現在非難している、これなども中国が米国へサイバー攻撃をやっているのと同じレベルの工作活動だと。そう断言できる政治家は日本にどのくらいいるだろうか。過去の左翼学者や朝日新聞など言説に洗脳されたアホ政治家であればそういう考えは頭のすみにも思いつかないに違いない。本当に河野などに見られてきた自閉症的な日本の政治家は有害だ。
本書のギュンターグラスへの批判なども面白かった。どうしてギュンターグラスはドイツの統一に反対したか。このあたりの分析は深く他章もそうであるがドイツ人の深い闇にせまっている。ギュンターグラスの代表作である「ブリキの太鼓」は映画で見たが、なんとくだらない映画なのだろうか。
本書のための調査や分析などを通じて著者は歴史理論を深めていったと思われる。
第1章より。「1891年から1906年の間に数千人の日本人移民がカリフォルニアに渡った。アメリカの白人たちには人種差別意識がことのほか強く、サンフランシスコの地震と大火の騒ぎの最中、日本人移民は血祭りに上げられ、略奪、暴行をほしいままにされた。州議会は条約に違反して、日本人の財産を制限し、学童を別のクラスに隔離する法案を通した」。日系人へのアメリカの強制収容所の規模とおそろしさなどについては本書は言及されていない。その後ずいぶんたって詳細が日本人に知られるようになったのだろう。(日本の左翼は日本側の加害に関しては捏造や歪曲してまでも喧伝したが、日本側の被害についてはほとんど知らないふりをした)
日系人をすさまじく弾圧したアメリカがドイツのユダヤ虐殺をえらそうに非難できるのかと指摘できるのは日本ではないか。もちろんこのようなことを政治家が言ったらまずいだろう。けれども一般の日本人や日本の知識人は日本が不当に批判されていたら異議申し立てをするのは当然である。
微妙だが、過去の反省を一切しないほうがよいというのではない。たとえば関東大震災のなかでの流言飛語による朝鮮人への殺人などは教科書でも教えるべきで、暴動のなかでのパニックとくに裁判にもとづかないリンチの恐ろしさについて教えるのは悪いことではないと思っている。でもこれと慰安婦を教科書に載せるというのはまったく意味が違う。なんでもかんでも反省するのがよいと思っている日本人はこの違いがわからないから閉口する。とにかくジャーナリズムというのは単なる一次情報の流通以外は流言飛語の類いしか書かないものと思っていればほぼ間違いないと思っている。馬鹿な学者の抗議や本を読んで、それを真に受けるのは少数である。ところがマスコミの巨大な輪転機をまわせば一般大衆にそれを一気に植え付けることができる。くりかえしわかりやすく粗雑化したイメージを植えつけて特定の条件反射を起こすように大衆社会を改造できるのだ。」
以上
特に文中最後の
「とにかくジャーナリズムというのは単なる一次情報の流通以外は流言飛語の類いしか書かないものと思っていればほぼ間違いないと思っている。」
これである。核心を付いている。
新聞社にせよテレビ局にせよ、事実の報道とそれにもとづく政治家、政権への批判のみにとどめることだ。共産主義国の立場に立って、或いは中国や韓国の立場にたって政治的な発言をするからおかしくなる。それをやりたかったら「赤旗」に投稿するとか、政治結社を結成して発言すればいい。一流メディアの仮面をかぶった政治結社になってしまったのだ。これは朝日新聞にかぎらない。ゆえに秘密保護法の成立で大騒ぎになったのだろう。
西尾氏の論文にもあるようにこれは朝日新聞を叩くのみならず、日本人がなべて敗戦後遺症を克服することだろう。特に政治や経営の最前線にいて活躍中の人は日本は過去に中国大陸を侵略した、などの発言を止めることだ。後にマッカーサーもアメリカの議会であれは侵略戦争ではなかった、と言っている。正しい歴史を知る機会は宮脇淳子『真実の中国史』などの良書がある。
雑誌「世界」が売れない ― 2015/01/10
先だって、いつもよく行く中堅書店で探し物を尋ねた。目的の本は無かったが、書店の親父曰く、最近、「資本論」関係が売れていますよ、という話題になった。『資本論』なら大学を卒業後、引越しの際、蔵書を売った。古書店に来宅してもらったが、大月書店の『資本論』全3巻以外は要らない、と言われた。そしてあの当時でも1万円の値を付けてくれた。そんな話をした。それくらい価値のある名著なんだいうことは僕でも知っていますよ、というわけだ。但し、難しくてモノにはできなかった。
マルクスは「私はマルクス主義者ではない」と言っている。その通りに検索すると
http://blog.goo.ne.jp/kakattekonnkai_2006/e/f9fcc73a69eb1b638b59a6756172a471
がヒットした。ロシアの農民一揆をレーニンがマルクス主義を利用しただけ。
つまり、今の『資本論』ブームは暴力革命を容認した共産主義とは関係がない。お金を巡る経済社会の分析である。そこが改めて読まれるのだろう。搾取は悪のように言われたが、「ノルマ」「社会福祉」はロシア語からの翻訳ですよ、とも話をした。
それで昔は日本もいずれ社会主義国になるだろうと、「世界」など読んだが、ソ連が崩壊し、中共も共産主義ではなくなった。今は「Will]だねえ、というと「世界」は今は売れない、図書館などに納めるだけだ、という。発売以来10年目の「Will」がなぜ売れているのかは書店主には分からないようだ。雑誌は創刊、休刊、廃刊を繰り返してきたからねえ。この新興雑誌も日本がまともになれば売れなくなるだろう。そうなる時代が来ることを期待する。
マルクスは「私はマルクス主義者ではない」と言っている。その通りに検索すると
http://blog.goo.ne.jp/kakattekonnkai_2006/e/f9fcc73a69eb1b638b59a6756172a471
がヒットした。ロシアの農民一揆をレーニンがマルクス主義を利用しただけ。
つまり、今の『資本論』ブームは暴力革命を容認した共産主義とは関係がない。お金を巡る経済社会の分析である。そこが改めて読まれるのだろう。搾取は悪のように言われたが、「ノルマ」「社会福祉」はロシア語からの翻訳ですよ、とも話をした。
それで昔は日本もいずれ社会主義国になるだろうと、「世界」など読んだが、ソ連が崩壊し、中共も共産主義ではなくなった。今は「Will]だねえ、というと「世界」は今は売れない、図書館などに納めるだけだ、という。発売以来10年目の「Will」がなぜ売れているのかは書店主には分からないようだ。雑誌は創刊、休刊、廃刊を繰り返してきたからねえ。この新興雑誌も日本がまともになれば売れなくなるだろう。そうなる時代が来ることを期待する。
会計業務 ― 2015/01/13
9:00~15:00まで執務。今日は償却資産を洗い直した。アナログの帳簿を出して年初から書き出しエクセルで集計したり、ビルの建設に伴い、除却した資産を削除した。大きな変動があった。来年度はつまり今年はもっと大きな変化が生じる。金型は一旦、全部集計してみたが異様に多いので、仕入れ担当に海外資産はないか問う。するとほぼ半分が海外資産と判明し、集計から削除した。申告書に清書して投函した。案外早く完了した。
早めに退社して、名古屋駅前に移動。17時から年初恒例の愛知会の賀詞交歓会に出席した。昨年に比べ出席者はかなり少ない。どうしたものか。河村市長を筆頭にお歴々の方々の挨拶が長引いた。主旨は行政書士法改正であるがまだ具体的なうごきまではつかめていない。簡易な訴訟が扱えるようになるとのこと。なるほど朗報である。
早めに退社して、名古屋駅前に移動。17時から年初恒例の愛知会の賀詞交歓会に出席した。昨年に比べ出席者はかなり少ない。どうしたものか。河村市長を筆頭にお歴々の方々の挨拶が長引いた。主旨は行政書士法改正であるがまだ具体的なうごきまではつかめていない。簡易な訴訟が扱えるようになるとのこと。なるほど朗報である。
欧米各国で孔子学院を閉鎖へ ― 2015/01/14
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)1月14日(水曜日)弐
通巻第4441号 から転載
孔子学院の閉鎖が北米大陸から欧州へ飛び火した。
米国では大学教授連合の強い抗議によりシカゴ大学、ペンシルベニア州立大学が、くわえてカナダのマクマスター大学が同院を閉鎖した。
スウェーデンのストックホルム大学も「中国との交流窓口」ということだったうえ、中国政府が資金を提供するというので許可したが、ついに「孔子学院」の閉鎖を決定した。
同学院は語学研修機関という触れ込みなのに、中国共産党が司令する教科書や、政治プロパガンダが為されており、従前から学内外で批判の声が上がっていた。
ストックホルム大学副総長は「政治的影響があることは明白な事実だ」と強い批判を展開した。
孔子学院は中国政府が政治宣伝の一環として、外国の若者を大五列にするため、膨大な資金と講師の提供をしてきたが「これはトロイの木馬」であり、「中国共産党の宣伝工作をしつつ、将来的にスパイを養成する目的が含まれている」と世界的規模で批判されてきた。
以上
日本にある孔子学院はWIKIPEDHIAを見ると
日本における孔子学院[編集]
日本では高度な中国語教育と国際人育成を目的に孔子学院の開設が求められるが、近年は中国側の認定基準が厳格化されたことで新規の認可が困難となっている。
2005年 立命館孔子学院 立命館大学と北京大学の提携により日本国内に初めて開設された
2006年 桜美林大学孔子学院 同済大学と提携
2006年 北陸大学孔子学院 北京語言大学と提携
2006年 愛知大学孔子学院 南海大学と提携
2007年 立命館孔子学院 東京学堂
2007年 立命館アジア太平洋大学孔子学院 浙江大学と提携 [3]
2007年 札幌大学孔子学院 広東外語外資大学と提携
2007年 大阪産業大学孔子学院 上海外国語大学と提携
2007年 岡山商科大学孔子学院 大連外国語大学と提携
2007年 早稲田大学孔子学院 北京大学と提携し、世界初の「研究型」孔子学院として、4月開設、6月開講[4][5]
2008年 立命館孔子学院 大阪学堂 同済大学と提携
2008年 工学院大学孔子学院 北京航空航天大学と提携し、工科大学としては日本初の開設[6]
2008年 福山大学孔子学院 対外経済貿易大学及び上海師範大学と提携
2009年 関西外国語大学孔子学院 北京語言大学と提携し、日本の外国語大学で初めて開設
孔子学院は設置認可上において大学別科(専攻科)の扱いだが、特例として所定の単位を取得すれば、日本の大学及び中国の大学への編入も認められる。
閉鎖を報じるメディア
http://www.epochtimes.jp/jp/2015/01/html/d27517.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H0Q_X20C14A9FF8000/
http://www.j-cast.com/2014/10/03217606.html
以上
中国語の学習機関と聞いていたが、中国政府のやることはそんな単純なものではないということだ。トロイの木馬とは言い得て妙、昔はPCのウイルスにそんなのがあった。まともなソフトだと思ってクリックすると汚染されるという仕掛けである。
テキストに毛語録や共産党の宣伝用のものを使えば知らないうちに頭が汚染される。南京大虐殺はあった、日本は中国を侵略した、と若いうちから学ばされる。自分でカネを払って中国の傭兵にされかねない。
第一に外国の教育機関に巣食うことが怪しいではないか。中国政府の肝煎りならば自前の設備で日本の法治に準じて開設するが良い。自前の資金と宣伝で学生を集めればいいこと。
愛知大学の前身とされる東亜同文書院大学は日本の財界の資金で上海に設立された。学生も日本から送り込んで中国の商慣習、歴史、語学など学ばせた。ここもアメリカからはスパイ学校と呼ばれたが実際は商社マン、外交官、ジャーナリストで活躍した。中には共産主義に染まるものも居たらしいが、それはどこの大学でもあること。孔子学院は既存の大学に寄生するところがいかにもスパイの疑いを持たせる。
日本の孔子学院も中国で総選挙が行えるようになるまで一旦は解消するが良い。
中国は一党独裁、日本や他国は民主主義の国ではやられ放題になる。じわじわと日本の将来を託す若者が汚染される。個人と個人の民間交流はともかく、中国政府との友好はもはや暗礁に乗り上げた形だ。21世紀も再び脱亜入欧の流れ、歴史は繰り返す。
平成27年(2015)1月14日(水曜日)弐
通巻第4441号 から転載
孔子学院の閉鎖が北米大陸から欧州へ飛び火した。
米国では大学教授連合の強い抗議によりシカゴ大学、ペンシルベニア州立大学が、くわえてカナダのマクマスター大学が同院を閉鎖した。
スウェーデンのストックホルム大学も「中国との交流窓口」ということだったうえ、中国政府が資金を提供するというので許可したが、ついに「孔子学院」の閉鎖を決定した。
同学院は語学研修機関という触れ込みなのに、中国共産党が司令する教科書や、政治プロパガンダが為されており、従前から学内外で批判の声が上がっていた。
ストックホルム大学副総長は「政治的影響があることは明白な事実だ」と強い批判を展開した。
孔子学院は中国政府が政治宣伝の一環として、外国の若者を大五列にするため、膨大な資金と講師の提供をしてきたが「これはトロイの木馬」であり、「中国共産党の宣伝工作をしつつ、将来的にスパイを養成する目的が含まれている」と世界的規模で批判されてきた。
以上
日本にある孔子学院はWIKIPEDHIAを見ると
日本における孔子学院[編集]
日本では高度な中国語教育と国際人育成を目的に孔子学院の開設が求められるが、近年は中国側の認定基準が厳格化されたことで新規の認可が困難となっている。
2005年 立命館孔子学院 立命館大学と北京大学の提携により日本国内に初めて開設された
2006年 桜美林大学孔子学院 同済大学と提携
2006年 北陸大学孔子学院 北京語言大学と提携
2006年 愛知大学孔子学院 南海大学と提携
2007年 立命館孔子学院 東京学堂
2007年 立命館アジア太平洋大学孔子学院 浙江大学と提携 [3]
2007年 札幌大学孔子学院 広東外語外資大学と提携
2007年 大阪産業大学孔子学院 上海外国語大学と提携
2007年 岡山商科大学孔子学院 大連外国語大学と提携
2007年 早稲田大学孔子学院 北京大学と提携し、世界初の「研究型」孔子学院として、4月開設、6月開講[4][5]
2008年 立命館孔子学院 大阪学堂 同済大学と提携
2008年 工学院大学孔子学院 北京航空航天大学と提携し、工科大学としては日本初の開設[6]
2008年 福山大学孔子学院 対外経済貿易大学及び上海師範大学と提携
2009年 関西外国語大学孔子学院 北京語言大学と提携し、日本の外国語大学で初めて開設
孔子学院は設置認可上において大学別科(専攻科)の扱いだが、特例として所定の単位を取得すれば、日本の大学及び中国の大学への編入も認められる。
閉鎖を報じるメディア
http://www.epochtimes.jp/jp/2015/01/html/d27517.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H0Q_X20C14A9FF8000/
http://www.j-cast.com/2014/10/03217606.html
以上
中国語の学習機関と聞いていたが、中国政府のやることはそんな単純なものではないということだ。トロイの木馬とは言い得て妙、昔はPCのウイルスにそんなのがあった。まともなソフトだと思ってクリックすると汚染されるという仕掛けである。
テキストに毛語録や共産党の宣伝用のものを使えば知らないうちに頭が汚染される。南京大虐殺はあった、日本は中国を侵略した、と若いうちから学ばされる。自分でカネを払って中国の傭兵にされかねない。
第一に外国の教育機関に巣食うことが怪しいではないか。中国政府の肝煎りならば自前の設備で日本の法治に準じて開設するが良い。自前の資金と宣伝で学生を集めればいいこと。
愛知大学の前身とされる東亜同文書院大学は日本の財界の資金で上海に設立された。学生も日本から送り込んで中国の商慣習、歴史、語学など学ばせた。ここもアメリカからはスパイ学校と呼ばれたが実際は商社マン、外交官、ジャーナリストで活躍した。中には共産主義に染まるものも居たらしいが、それはどこの大学でもあること。孔子学院は既存の大学に寄生するところがいかにもスパイの疑いを持たせる。
日本の孔子学院も中国で総選挙が行えるようになるまで一旦は解消するが良い。
中国は一党独裁、日本や他国は民主主義の国ではやられ放題になる。じわじわと日本の将来を託す若者が汚染される。個人と個人の民間交流はともかく、中国政府との友好はもはや暗礁に乗り上げた形だ。21世紀も再び脱亜入欧の流れ、歴史は繰り返す。
後見事務&帰化支援 ― 2015/01/14
1/13に病院からの請求書を受け取ったので、早速銀行で相当額を引き出して支払った。丸の内に移動して会計ソフトに入力しておく。また、書類も整理し綴る。試行錯誤してきたが、
1親族関係の現金の証拠書類綴り
2病院への支払いと預け金の精算の綴り
3社会保険、年金関係のお知らせ、請求書、領収書の綴り
4銀行からの、お知らせと自動振替の綴り
5その他
と多岐にわたる書類があるので分類した。とても現金出納帳だけでは対応できないので複式簿記の会計ソフトを応用して管理している。会計ソフトってやっぱり便利なものだと思う。イレギュラーな利用方法でも便利なら良い。
1/13に書類申請のための法務局への出頭の予約日を帰化申請の依頼人にメールで連絡した。さて、これで追加の書類の要請が無ければ審査に入ってもらえる。今までは仕事優先で対応してもらったが、今回は多分最終の出頭になりそうなので仕事の方を調整する旨付け加えた。延期すると約10日間単位で延びてゆく。それだけ申請者が多数いるとのことだった。2015年7月8日以降は在日韓国人にとり、手続き上、日本滞在の分岐点になる。そのことが増えている原因かは不明だが。
1親族関係の現金の証拠書類綴り
2病院への支払いと預け金の精算の綴り
3社会保険、年金関係のお知らせ、請求書、領収書の綴り
4銀行からの、お知らせと自動振替の綴り
5その他
と多岐にわたる書類があるので分類した。とても現金出納帳だけでは対応できないので複式簿記の会計ソフトを応用して管理している。会計ソフトってやっぱり便利なものだと思う。イレギュラーな利用方法でも便利なら良い。
1/13に書類申請のための法務局への出頭の予約日を帰化申請の依頼人にメールで連絡した。さて、これで追加の書類の要請が無ければ審査に入ってもらえる。今までは仕事優先で対応してもらったが、今回は多分最終の出頭になりそうなので仕事の方を調整する旨付け加えた。延期すると約10日間単位で延びてゆく。それだけ申請者が多数いるとのことだった。2015年7月8日以降は在日韓国人にとり、手続き上、日本滞在の分岐点になる。そのことが増えている原因かは不明だが。
会計業務 ― 2015/01/15
9:00~17:30まで執務。主務は支払いの対応で、1ヶ月の経理事務の総仕上げといったところか。朝方は小切手と手形に押印をもらい、すぐに郵送の準備にかかる。いつもより早めに終わったので昼休みは何もせずに済んだ。
まだ、1/20の大寒にも間があるのに、2/18か2/19の雨水が一足先に来た感じがする。それも結構な雨量にウールのズボンの足元が濡れて膝が丸く出てしまった。冬の雨はいやなものだが、それでも集金の係は来なければならず大変だ。銀行員には振込用の小切手を渡し明日の実行に備えた。今年最初の支払いが済んだ。
まだ、1/20の大寒にも間があるのに、2/18か2/19の雨水が一足先に来た感じがする。それも結構な雨量にウールのズボンの足元が濡れて膝が丸く出てしまった。冬の雨はいやなものだが、それでも集金の係は来なければならず大変だ。銀行員には振込用の小切手を渡し明日の実行に備えた。今年最初の支払いが済んだ。