中国が「勝利して自滅」するワケ2015/06/08

産経ニュースから
ソース
http://www.sankei.com/world/news/150608/wor1506080004-n5.html
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《自滅する中国》に通底する論理的支柱の一つは、一方的に勝ち続ける過程で相手の反動を呼び起こし、結局は自らを滅ぼす逆説的論理《勝利による敗北》。政治・軍事・経済・文化・移民…あらゆる分野での国際常識を逸脱した台頭・侵出は畢竟、諸外国の警戒感や敵愾心を煽る。中立的立場の国や友好国にとっても許容限度を超え、離反をも誘発。敵対国同士の呉越同舟さえ促す。そうした国々は公式・非公式に連携・協力し、場合により同盟構築に関係を昇華する。国際情勢は中国にとり次第次第に不利になり大戦略・野望をくじく結末を引き寄せる。

漢民族に戦略の才なし

 実際、アジア安保会議を機に開かれた日米豪防衛相会談は対中警戒を確認。日本はベトナムに経済支援を実施→ベトナムはロシアから潜水艦を購入→同型潜水艦を運用するインド海軍が越海軍乗員を訓練する-互いに意図せぬ構図を生んだ。一時後退した米・フィリピンの軍事関係も、ほぼ元に戻った。全て中国の脅威の“お陰”。

 自国のパワー増大→反中包囲網形成→パワー減退をたどる皮肉=逆説的状況の回避には、軍の拡大を遅らせる他ない。だのに、中国は他国への挑発的大戦略を止められない。なぜか-。

 まず、中華思想に魅入られた中国に対等という感覚はない。冊封体制や朝貢外交に代表される上下関係が全て。しかも、2500年以上前に著わされたとされる《孫子の兵法》通りに、陰謀や騙し合いを当然のごとく繰り返す。漢民族は狡猾な策略こそが知恵だと信じて疑わず、欧米や日本などは権謀術数によって操れ、優位に立てると過信する。しかし、同一文化内では通用するものの、異文化に強要すれば自国崩壊につながる。
モンゴルやトルコ系王朝、満州族に敗北を喫し、過去1000年において漢民族が大陸を支配できたのは明王朝(1368~1644年)時代ぐらい。ルトワック氏は自信を持って断じる。

 「漢民族に(自身が思っているような)戦略の才はない」

 賢者を気取っても、中国はどこか間が抜けている。滅亡へと誘う弱点が奈辺に在るのか、中国に悟られてはなるまい。知ったところで、聴く耳は持たぬだろうが…。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)
以上

・策略家は自分の策に溺れる、の例えがある。騙した積りが騙された話はたまに聞く。
・中国が反日を煽り、韓国人が靖国神社に放火、放尿してから、逆に靖国神社の参拝者が増えている。寝た子を起こす役割をして来たわけだ。せっせと金儲けをしていた日本人に日本の弱点が明らかになり、政治的関心を強めさせてきたのは隣国のお陰である。
・選挙では一度落ちた安倍政権が復活し、再軍備に向けて中国からの脅威に備えるようになった。
・沖縄も現知事の娘を中国共産党員と結婚させて、抱き込んだ積もりだろうが、外交に関しては知事の権限外。
・大きくなると滅びやすい、という。トップの考えが末端にまで及ばないからだろう。

・この2年間、中国から小事務所にも仕事をやってくれ、下請けをやらせてくれという、問い合わせがメールで届く。
1つは中国の新卒者の就職斡旋で、在留資格の手続きは全部中国でやるから、こちらでは入管へ申請するのみという。美味しい話だが、本人確認をした上で、という行政書士の主旨になじまないとお断りした。
2つ目は請求書などの書類の代書であるが、守秘義務を理由にお断りした。どこにいくら債権があると分かるだけでも重要な情報である。アウトソーシングは国外には出せない。
 日本では、法律に権限があるということが理解できないようだ。裸一貫できた中小企業の成り上がりの社長のような感覚である。
 滅亡へと誘う弱点は「朝貢外交に代表される上下関係が全て」と喝破するように儒教(徳治、人治)にある。そのことを上記の執筆者は知っていて隠した。中国自身も知っているだろうがどうしようもない。