村井直志『会計ドレッシング』 ― 2011/10/14
東洋経済社刊。2011.8.18。1600円+税。会計ドレッシングって何だ、と読んでみたら粉飾の意味だった。本書は会計不正の手口、事例、対策を解説した本です。著者は公認会計士事務所を開設し、活躍する実務家です。一読しておいて損はない。
第一部からノリタケの事例が示されてびっくりします。東海地方のみならず、全国に遍く知られた一流企業です。こんな初歩的な事件などあるはずのないしっかりした会社というイメージでした。
ノリタケのHPには2010年2月5日付けで原因が発表されていますので一部コピーしました。
管理体制の不備の項目で
「NTLは、長年にわたって国内食器市場の構造変化に合わせて継続的に事業を縮小し、管理部門のスリム化を進めてきました。この中で、捺印権限者は部門長であったものの、実務上の都合から社印が保管されている金庫の鍵の保管が元従業員に委ねられていたほか、受取手形の現金化にかかる業務は、元従業員が実質的に一人で行っておりました。この結果、元従業員は受取手形現金化の後に、社印を使って現金を引き出すことが可能な状況にありました。」
人事政策の改善の項目には
「ノリタケグループ各社の経理部門において、一人の従業員に長期間同じ職務を担当させないように、同一職務への複数の人員配置、2年毎の担当職務の変更といった配慮をし、不正発生のリスク低減に努めます。」以上。
その半年後、2010年9月22日付けで中京大職員のの横領事件に関してHPにお詫びが掲載されています。一部コピーして掲載します。「本日、一部の新聞で報道されましたが、本学の資格センターの責任者を長年務め、この5月に退職しました元職員が、昨年度までの過去10年間にわたって、本来、大学の収入となるべきお金(受講生が払ったテキスト代金)計2億4千万円余を自らの個人名義の銀行口座に入れて着服し、大学に損害をもたらしました。職員はこれまでに1億3千5百万円余を返済し、残額についても今後の返済を約束していますが、このような不祥事を長年にわたって見逃してきた大学の責任は極めて重く、責任を痛感しております。」以上。
この2例を見ても気付くのは長年に亘り、担当していたことが問題になると分かります。
経理不正、横領、粉飾などの語彙は毎年、何件か新聞の紙面を賑わします。水面下では多くの不正事件が進行中?かも知れません。
お金の経理処理は門外漢にはわずらわしく、面倒なものです。そんな面倒なことをやってくれる担当者を疑いたくないのは理解できます。そういう温情が不正を促しているかも知れません。
こうした不正が発覚するきっかけは担当者の変更、会社の合併による会計の統合など。特に税務署の調査は数々の不正の手口を叩き込まれたプロの念入りなチエックで発覚することが多い。新聞に出ない事件は山ほどあると思われる。今朝の新聞にも消費税の脱税事件が報道された。
また職制が上になるほど追求しにくくなり、被害も大きくなります。中小企業であっても有能?な女子社員にまかせっきりはリスクが高い。身元保証人の義務は5年程度。不正の知恵がつくのは実はそれからです。
一般的に経済犯罪は罪の意識が低いのも特徴です。管理する側にある人は一読しておきたい。
第一部からノリタケの事例が示されてびっくりします。東海地方のみならず、全国に遍く知られた一流企業です。こんな初歩的な事件などあるはずのないしっかりした会社というイメージでした。
ノリタケのHPには2010年2月5日付けで原因が発表されていますので一部コピーしました。
管理体制の不備の項目で
「NTLは、長年にわたって国内食器市場の構造変化に合わせて継続的に事業を縮小し、管理部門のスリム化を進めてきました。この中で、捺印権限者は部門長であったものの、実務上の都合から社印が保管されている金庫の鍵の保管が元従業員に委ねられていたほか、受取手形の現金化にかかる業務は、元従業員が実質的に一人で行っておりました。この結果、元従業員は受取手形現金化の後に、社印を使って現金を引き出すことが可能な状況にありました。」
人事政策の改善の項目には
「ノリタケグループ各社の経理部門において、一人の従業員に長期間同じ職務を担当させないように、同一職務への複数の人員配置、2年毎の担当職務の変更といった配慮をし、不正発生のリスク低減に努めます。」以上。
その半年後、2010年9月22日付けで中京大職員のの横領事件に関してHPにお詫びが掲載されています。一部コピーして掲載します。「本日、一部の新聞で報道されましたが、本学の資格センターの責任者を長年務め、この5月に退職しました元職員が、昨年度までの過去10年間にわたって、本来、大学の収入となるべきお金(受講生が払ったテキスト代金)計2億4千万円余を自らの個人名義の銀行口座に入れて着服し、大学に損害をもたらしました。職員はこれまでに1億3千5百万円余を返済し、残額についても今後の返済を約束していますが、このような不祥事を長年にわたって見逃してきた大学の責任は極めて重く、責任を痛感しております。」以上。
この2例を見ても気付くのは長年に亘り、担当していたことが問題になると分かります。
経理不正、横領、粉飾などの語彙は毎年、何件か新聞の紙面を賑わします。水面下では多くの不正事件が進行中?かも知れません。
お金の経理処理は門外漢にはわずらわしく、面倒なものです。そんな面倒なことをやってくれる担当者を疑いたくないのは理解できます。そういう温情が不正を促しているかも知れません。
こうした不正が発覚するきっかけは担当者の変更、会社の合併による会計の統合など。特に税務署の調査は数々の不正の手口を叩き込まれたプロの念入りなチエックで発覚することが多い。新聞に出ない事件は山ほどあると思われる。今朝の新聞にも消費税の脱税事件が報道された。
また職制が上になるほど追求しにくくなり、被害も大きくなります。中小企業であっても有能?な女子社員にまかせっきりはリスクが高い。身元保証人の義務は5年程度。不正の知恵がつくのは実はそれからです。
一般的に経済犯罪は罪の意識が低いのも特徴です。管理する側にある人は一読しておきたい。