シニアビジネス2012/03/02

 朝日新聞朝刊生活面の55プラスという記事に注目。シニアの生活整理術1のテーマで「人生の閉じ方自分で選ぶ」とある。重いテーマである。
 いわゆるおひとり様(88歳)が40平米の公団住宅から18平米の小部屋に引っ越した。人生を閉じるにはまづ身辺の整理であり、荷物を処分することから始まるわけだ。
 記事によると、この方の場合はすでに成年後見制度を利用されているようだ。もちろん、自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーションの基本理念に基づいて事が進められている。身上監護は姪(60歳)が担い、財産管理は後見人が担っていると思われる。
 法定後見には事理弁識能力により、
①保佐人ー判断能力が不十分な人
②補助人ー判断能力が著しく不十分な人
③後見ーほとんど判断できない人
の段階がある。
 家庭裁判所から選ばれた成年後見人は本人の財産を管理したり、契約などの法律行為を本人に代わって行う。ただし、日用品の買い物や実際の介護(身上監護)は成年後見人の職務ではない。
 この方の場合は一人暮らしが可能なので保佐の段階だろうか。成年後見人として書かれている三国浩晃さんの氏名をググってみたら、葬儀社総合案内センター(㈱コネクト)がヒットした。士業の予想であったがシニアビジネスの最前線に立つ人のようである。
http://www.sougi-hiyou-osaka.com/company/
 成年後見制度の知識の普及のために頻繁にセミナーを開催している。ここに集まった人に、死亡後の葬儀にまで配慮する(葬儀社を選ぶ相談=情報提供)サービスを事業として展開しているわけだ。日本初を標榜する。
 葬儀会社は数々あれど利用者にはどこがいいのかは不明である。突然迫られる利用者には情報が少な過ぎた。トラブルもあると聞く。存命中の不安を緩和して、死亡後の安心も、というわけだ。
 この連載の狙いは高齢者の生活術であろう。だが登場する人物の背景には現代が見えると思った。

税務調査で発覚した経理不正?2012/03/02

 WEB版毎日新聞から↓
 「東芝子会社の電気照明器具製造「東芝ライテック」(神奈川県横須賀市)の技術部門に所属していた元女性社員が、架空発注を繰り返し還流させる手口で約7億円を着服した疑いがあることが分かった。東京国税局の税務調査がきっかけで判明した。
 架空発注は経費として認められないなどとして、同社は11年3月期までの7年間で約3200万円の所得隠しを含む約9億6000万円の申告漏れを指摘された。重加算税などを含む追徴税額は約2800万円。
 同社の調査などによると、元女性社員は照明器具の図面データ作成発注などを担当。10年以上にわたり10億円以上の水増し発注をした疑いがあるという。
 また、税務調査で、営業部門所属の社員数人が経費で購入したパソコンなどを換金し、約4000万円の裏金を捻出し交際費に利用したり私的に流用したりしていたことも判明した。」
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 有名な大企業又は傍系会社はガバナンスがしっかりしているというのは幻想かと思うようなニュースである。
 日経新聞には課長の地位にあった、という。上司も部下のチエックも入らない盲点を突いた形。7年で9億円と額も多い。1ヶ月平均約1000万円以上にもなる。朝日新聞朝刊では否定しているという。
 どんな手口なのか?想像だが。図面データ作成発注というから取引先も中小零細で仕事欲しさに言いなりで請求書や領収書を発行したのか。単純といえば単純な不正だ。
 ①取引先に架空で発注する
 ②偽の請求書を発行させる
 ③会社から取引先へ支払うが口座は偽の自分の口座か
 ④偽の領収書を発行させる
 税務調査というがおそらく取引先の調査で裏づけを取る過程で明るみに出たと思われる。取引先の東芝ライテックへの売上金額は東芝ライテックの仕入金額と同額になるはず。差額が不正分だ。帳簿をみれば分かることだ。取引先が恐くなって税務署へ通報したのか。
 親会社が取引先へ行って調べるわけには行かないから税務調査は重要である。
 税務署から時々、仕入先の年間の支払金額の問い合わせがある。回答した額とつき合わせていると思われる。
 上場企業はしっかりしてると税務署も信頼しているから7年か?そうではなく、国税通則法では帳簿の保存期間は7年と定められている。新会社法では10年である。
 大企業の小会社の生え抜き社員は入社の動機がはっきりしておればいい。だが、倒産の恐れがないとか、ネームバリューだけで入ると出世の道は閉ざされているからモチベーションが低下し易い。
 幹部は大抵親会社から来て、すぐに栄転していくから仕事に精通することもない。生え抜きに任せっきりになる。同じことは銀行にも言える。ベテランの女子行員の巨額の不正が突然明るみに出てびっくりすることが度々あった。出世の道がない点で同根であろう。