一般社団法人の勧め2015/07/02

 地下鉄の駅でふと声をかけられたのはある音楽団体に関与する知人だった。彼曰く、実は今、法人化を考えているともらした。それなら一般社団法人がいいですよ、とお勧めしておいた。共に別の方向に別れたので、簡単に、行政書士の私が定款を作成し、司法書士さんに登記を依頼する流れもネットワークがあると説明しておいた。
 事務所に戻って、関根稔編『一般社団法人/一般財団法人/信託の活用と課税関係』(ぎょうせい)を取り出して第Ⅵ章の具体的な利用法を読む。
 参考になるのはⅥ-3人格のない社団からの受入れとⅥ-8業界団体、趣味の会、以下略の項目。まだ知人の構想段階だそうで相談には乗りますよと答えたものの課税関係は難しい。そこは税理士と弁護士の両方の視野で書かれているので細かい配慮がされている。
 多分、スポンサーからの寄付金の受け皿、コンサートからのチケット収入、音楽指導による収益等が任意団体(個人)なので、公私があいまいになっているものだろう。現在は主宰級の人物が個人の収益として申告し、協力者に外注費として支払われていると思われる。法人化すれば会計上も、収益に対する源泉所得税を引かれず、まるまる収益に出来る。法人税率も株式会社よりは低い。そして法人から給与を受けることができる。収益が非課税か課税かは事業内容を条文に照らし研究することになる。寄付を受ける場合でも個人の財布から分離されて信頼性が増す。

 個人的にも蔵書の保管場所として中古マンションの取得もしたいが、個人で取得すると経費にできないから一般社団法人で取得する狙いがある。本書のⅥ-6に不要な資産のゴミ箱として利用とある項目である。
 そうではあるが事業をするだけでも市民税は課税されている。法人化すると別に法人市民税が課税されるのではないか。