日産車をご愛用いただいているお客様へ2017/12/01

 12月に入ったら、いろいろ手紙やはがきが舞い込んできた。
 表題の言葉は日産自動車の西川廣人社長名で来信した書簡である。要するに先般の新車の完成検査工程の無資格の従業員にやらせていたことが発覚して問題化した件の謝罪である。書面でわざわざ謝罪の意を表した。膨大な費用だろうに。誠意は理解した。
 愛車は日産車に違いないが、平成15年購入の旧年車なのでこの件には関係ない。
 以前にも書いたがルノーグループ(ルノー、日産、三菱自動車等)で年産1400万台のニュースを見て、これは何かトラブルがあるぞ、と思っていた。年産1000万台クラブというのは、世界的な規模の自動車メーカーが例外なく苦境に陥った鬼門ではないかと見ている。
 ビッグスリーと言われたアメリカのGMとクライスラーは倒産、フォードもマツダで手を焼いていた。トヨタは品質問題で揺れた。豊田社長は数字を追う経営から脱皮し、人事面から大改革中だ。VWはアメリカでディーゼル車の排ガス装置をインチキしていたのがばれて大損した。そして日産の今回の事件である。
 日産だけではない。誰もが良く知っている名門の大企業が、会計、製品等の重要なデータをごまかした。世界中の信頼が揺らいでいる。今回は不良品を偽って出荷したわけではなさそうだ。検査員の不足から無資格者にやらせた。それが社外に漏れたのはどうしてか。中堅幹部以下の通報であろうか。それなら健全とも言える。焦るな日産だ。
 法令順守を改めて肝に銘じて欲しいものです。
 ここまで書いて思いだした。戦後の登山界でナイロンザイル切断事故があった。引っ張りには強いが、鋭利な岩角に当てるともろくも切断する事故が相次いでいた。そこでザイルメーカーは蒲郡でザイルの試験をした。
 登山家側の試験では鋭利な角度で簡単に切れたのに、メーカー側の設備では切れなかった。試験結果が報道されると登山家側に非難が集中した。おかしいと思った登山家がメーカーの設備に忍び込んで角度を調べたら丸みをつけて切断しない仕掛けになっていたことが分かった。これでメーカー側は苦境に陥る。結果、メーカーはいつしか消えたという。この事件が元でPL法が制定された。メーカーはあくまで隠そうとする。法令順守の記念碑的な事件であった。
 製品の欠陥を隠ぺいしては市場に生き残れない。

コメント

トラックバック