墓じまい~相談会の中から ― 2019/12/18
今日、丸善の店頭をのぞいたら「週刊朝日12/27」を立ち読みしてしまった。昨日の相談会では相談者の中に、障害者の娘2人を抱え、3女は既婚、4人目は長男がいながら祭祀継承者が無く「墓じまい」を検討されている人がいたからだった。妻とは死別。
一方で、遺言書の作成を検討中という相談者は、祭祀継承者が長男(独身)ではなく、長女(既婚、娘2人)というのも現代ならではの家族事情である。これだけデフレが長引けば勤務先もおかしくなり家族形成できなかった男性(未婚、離婚、死別など)も多数いるだろう。祭祀継承者が決められる家族はまだましなのか。
タイトルは「消滅するお寺 墓、仏壇じまい急増」
「現代人の関心が高いトピックとして、「仏壇じまい」に注目。ネット上には処分業者がひしめきあい、仏具専門店には問い合わせが急増しているそうです。その実態をリポートします。関連企画では、地方で進む寺院の衰退について住職らのリアルな声をまとめています。」
検索してみると、同誌は過去に何度も特集していた。おそらく反響が大きいのだろう。
検索でこんなブログが見つかった。「終活。com]
https://syukatsudo.com/info/ohaka-iranai/#i-8
2025年問題までもう5年後に迫った。今後こんな相談が急増するだろう。戦後から着々と築かれて来た核家族の崩壊である。加えて空き家問題も同時に進行する。
小津映画の名作「東京物語」を今一度鑑賞してみたいな。あれは子供が親から独立するとそれぞれ子供に自分の生活というものができて親をかまっていられなくなり、親の死亡で兄弟姉妹もバラバラに崩壊してゆくという文学的な物語であった。人間の社会はこんなことを繰り返してきた。
仏教が日本に受容されたのは先祖崇拝、先祖供養を認めたからだった。キリスト教は本人の供養のみで先祖崇拝は無い。ゆえに日本人には定着しなかった。4月に亡くなった山岳会の先輩はクリスチャンだったからあっさりした葬儀で終わった。西欧思想らしく個人主義、自分本位の習俗であった。日本国憲法自体が西欧思想の個人主義なので今後こうなるように思えた。
一方で、遺言書の作成を検討中という相談者は、祭祀継承者が長男(独身)ではなく、長女(既婚、娘2人)というのも現代ならではの家族事情である。これだけデフレが長引けば勤務先もおかしくなり家族形成できなかった男性(未婚、離婚、死別など)も多数いるだろう。祭祀継承者が決められる家族はまだましなのか。
タイトルは「消滅するお寺 墓、仏壇じまい急増」
「現代人の関心が高いトピックとして、「仏壇じまい」に注目。ネット上には処分業者がひしめきあい、仏具専門店には問い合わせが急増しているそうです。その実態をリポートします。関連企画では、地方で進む寺院の衰退について住職らのリアルな声をまとめています。」
検索してみると、同誌は過去に何度も特集していた。おそらく反響が大きいのだろう。
検索でこんなブログが見つかった。「終活。com]
https://syukatsudo.com/info/ohaka-iranai/#i-8
2025年問題までもう5年後に迫った。今後こんな相談が急増するだろう。戦後から着々と築かれて来た核家族の崩壊である。加えて空き家問題も同時に進行する。
小津映画の名作「東京物語」を今一度鑑賞してみたいな。あれは子供が親から独立するとそれぞれ子供に自分の生活というものができて親をかまっていられなくなり、親の死亡で兄弟姉妹もバラバラに崩壊してゆくという文学的な物語であった。人間の社会はこんなことを繰り返してきた。
仏教が日本に受容されたのは先祖崇拝、先祖供養を認めたからだった。キリスト教は本人の供養のみで先祖崇拝は無い。ゆえに日本人には定着しなかった。4月に亡くなった山岳会の先輩はクリスチャンだったからあっさりした葬儀で終わった。西欧思想らしく個人主義、自分本位の習俗であった。日本国憲法自体が西欧思想の個人主義なので今後こうなるように思えた。
シニア面談会(経営相談)、相続税の研修 ― 2019/12/06
午後から四日市市の信金でシニアの面談会に出席。経産省傘下の中産連が信金から中小企業のニーズを探って登録者に諮り企業とシニアのマッチングを綿密に行い結果的に中小企業の経営に協力する。シニアの残存能力(専門性の高い経験や知識、技術など)の活用になる。
3年前から参加してきたが二次面談までは中々進まない。これまに経理財務面で3社ほど二次面談まで進むが業務契約までは進展しなかった。今回も経営者と直に面談して経営課題を探り自己の能力とすり合わせした。どちらかと言えば技術系の社長さんなので財務経理面には多少の不安があるのだろう。税理士は法人税の計算と税金の申告の専門家なので会計の能力はあっても経営のニーズには答えていないのだろう。会計ソフトを使えば簿記知識は無くても日々の仕訳の入力さえ正確なら決算書はできる。しかし、集計された数字を読み解くにはしっかりした知識と経験が必須である。特に減価償却の知識は必須だ。
設備投資すると固定資産が増加、現金預金は減少。この場合なら減価償却費分はそのまま預金現金が積みあがってゆく。借金で設備投資すると固定資産、負債が増加。減価償却分は返済の原資になる。多くの企業はここをよく考えないまま設備投資して結果過剰投資になり、経営危機に陥ってきた。且つてのシャープは超がつく優良企業だったがTVの需要予測を誤り2000人もの人員整理に追い込まれた。過剰投資から借金の返済もできなくなったのである。そこを台湾の会社に資金供与されてよみがえった。
企業経営は単純なことで危機になるのである。シャープほどの会社なら優秀な社員がたくさんいるし、資金需要には金融機関も融資するし、増資も楽だろう。なぜ誤ったか、将来の判断力一つである。ここぞとばかりに大投資した結果、現金が不足した。キャッシュフロー(現金収支)が分かっていなかったのである。
林投資研究所のHPに「 「資金に余裕を持って売買せよ」という意味の(相場の)格言。
凧揚げをするとき、調子に乗って糸を出し切ってしまうと、さらに糸を出して調節することができなくなってしまう。同じように、相場の資金にも余裕を持って行わないと身動きが取れなくなってしまう。
予測不能の相場についていきながら、ポジション(玉)を調節していくことが求められるが、資金的に余裕のない売買、あるいは一発狙いの仕掛けなどを行っていると、わずかな狂いが大きなケガになる。売買戦略上、物理的に必要な余裕を持つだけでなく、精神的な余裕が持てるように配慮」せよとある。
シャープはまさに儲かる事業まで切り売りしてキャッシュを確保するしかなかった。親会社のホンハイは資金供与して何をしたか、というと切り売りした事業の買戻しであった。手元資金が潤沢になれば研究開発というホンハイにはできない経営資源が芽を吹くだろう。
専門の登山でも遭難する登山家は力を出し切るからだ。いつでも撤退する、下山する余裕を持たないとピンチを脱出できない。登山では命を失う。
会社経営では資金を失い、優秀な社員を失い、優秀な仕入れ先を失う。顧客からは足元を見られて安く叩かれる。倒産に至ることもある。
いずれも判断力一つである。そのためにも事業の寿命を早めに見切り償却を早めるのも策である。
経営者が会計の仕組みを知らないと専門家の言いなりになる。金融機関は天気のいい日に傘を貸し、雨が降ると引き上げる。例えば安田善次郎は融資を申し込んできた会社の業績を見て、危ないと思えばその会社の株式を空売りして置く。実際に倒産すれば融資は焦げ付くが暴落した株式の空売りの買い戻しで回収できる。立ち直れば融資は回収でき、株価も上がる。空売りは機を見て買い戻せば損失は少なく済む。どちらに転んでも大やけどしないように仕組みを考えて置くことである。
帰名後は18時から税理士を招いて最低限知っておきたい相続税の研修をこなす。その後は東京へ夜行するために懇親会はパスした。
3年前から参加してきたが二次面談までは中々進まない。これまに経理財務面で3社ほど二次面談まで進むが業務契約までは進展しなかった。今回も経営者と直に面談して経営課題を探り自己の能力とすり合わせした。どちらかと言えば技術系の社長さんなので財務経理面には多少の不安があるのだろう。税理士は法人税の計算と税金の申告の専門家なので会計の能力はあっても経営のニーズには答えていないのだろう。会計ソフトを使えば簿記知識は無くても日々の仕訳の入力さえ正確なら決算書はできる。しかし、集計された数字を読み解くにはしっかりした知識と経験が必須である。特に減価償却の知識は必須だ。
設備投資すると固定資産が増加、現金預金は減少。この場合なら減価償却費分はそのまま預金現金が積みあがってゆく。借金で設備投資すると固定資産、負債が増加。減価償却分は返済の原資になる。多くの企業はここをよく考えないまま設備投資して結果過剰投資になり、経営危機に陥ってきた。且つてのシャープは超がつく優良企業だったがTVの需要予測を誤り2000人もの人員整理に追い込まれた。過剰投資から借金の返済もできなくなったのである。そこを台湾の会社に資金供与されてよみがえった。
企業経営は単純なことで危機になるのである。シャープほどの会社なら優秀な社員がたくさんいるし、資金需要には金融機関も融資するし、増資も楽だろう。なぜ誤ったか、将来の判断力一つである。ここぞとばかりに大投資した結果、現金が不足した。キャッシュフロー(現金収支)が分かっていなかったのである。
林投資研究所のHPに「 「資金に余裕を持って売買せよ」という意味の(相場の)格言。
凧揚げをするとき、調子に乗って糸を出し切ってしまうと、さらに糸を出して調節することができなくなってしまう。同じように、相場の資金にも余裕を持って行わないと身動きが取れなくなってしまう。
予測不能の相場についていきながら、ポジション(玉)を調節していくことが求められるが、資金的に余裕のない売買、あるいは一発狙いの仕掛けなどを行っていると、わずかな狂いが大きなケガになる。売買戦略上、物理的に必要な余裕を持つだけでなく、精神的な余裕が持てるように配慮」せよとある。
シャープはまさに儲かる事業まで切り売りしてキャッシュを確保するしかなかった。親会社のホンハイは資金供与して何をしたか、というと切り売りした事業の買戻しであった。手元資金が潤沢になれば研究開発というホンハイにはできない経営資源が芽を吹くだろう。
専門の登山でも遭難する登山家は力を出し切るからだ。いつでも撤退する、下山する余裕を持たないとピンチを脱出できない。登山では命を失う。
会社経営では資金を失い、優秀な社員を失い、優秀な仕入れ先を失う。顧客からは足元を見られて安く叩かれる。倒産に至ることもある。
いずれも判断力一つである。そのためにも事業の寿命を早めに見切り償却を早めるのも策である。
経営者が会計の仕組みを知らないと専門家の言いなりになる。金融機関は天気のいい日に傘を貸し、雨が降ると引き上げる。例えば安田善次郎は融資を申し込んできた会社の業績を見て、危ないと思えばその会社の株式を空売りして置く。実際に倒産すれば融資は焦げ付くが暴落した株式の空売りの買い戻しで回収できる。立ち直れば融資は回収でき、株価も上がる。空売りは機を見て買い戻せば損失は少なく済む。どちらに転んでも大やけどしないように仕組みを考えて置くことである。
帰名後は18時から税理士を招いて最低限知っておきたい相続税の研修をこなす。その後は東京へ夜行するために懇親会はパスした。
成年後見と財産管理4つの方法 ― 2019/11/28
高齢者の終活が話題に上るご時世になって久しい。まずはどんな方法があるのか。
1法定成年後見
・・・認知症、精神障害者、知的障害者になると財産管理が困難になる。家裁に申立てして後見人等(第三者は有償)を選定してもらい、財産管理と身上監護を進める。本人の財産は後見人に完全に預託。家族は使えない。家族の生活費を父の収入に依存している場合は別に生活費の確保が必須。
2任意後見ー1の欠点は誰が後見人になるのか不明なため予め予防的に契約で決める。費用は安く、仕組みはシンプルである。
・・・認知症になる前に後見人と認知症を発症後の仕事を契約書(公正証書)で決めてしまう方法。様々な段階(ステージ)で違う。認知症が進行した段階で家裁から任意後見監督人を選任(有償)してもらう。
3民事信託(家族信託)ー1の欠点を補完する方法として注目されるがメリット、デメリットがある。多額の設計費用が発生。
・・・委託者、受託者、受益者で信託契約。例えば父が委託者且つ受益者になり長男が受託者になる。信託財産の名義は受託者になる。利益を受益者に配当する。信託財産の運用が赤字でも受託者本人の黒字と合算できない。逆もある。税務上のメリットはないとされる。
4一般社団法人ー3の欠点は委託者はともかく、受託者の人生を縛ることになる。その点、法人化すると交代も簡単にできる。登記が要る。
・・・法人に管理して欲しい財産を移す。財産は法人名義になる。例えば父名義の財産は法人名義になり、父の死亡後も相続財産にはならないので遺産分割されない。家族は法人の理事、社員になる。死亡後は交代するが相続税は発生しない。但し法人事業税が課税。複式簿記で記帳し、法人税を申告する義務がある。
1法定成年後見
・・・認知症、精神障害者、知的障害者になると財産管理が困難になる。家裁に申立てして後見人等(第三者は有償)を選定してもらい、財産管理と身上監護を進める。本人の財産は後見人に完全に預託。家族は使えない。家族の生活費を父の収入に依存している場合は別に生活費の確保が必須。
2任意後見ー1の欠点は誰が後見人になるのか不明なため予め予防的に契約で決める。費用は安く、仕組みはシンプルである。
・・・認知症になる前に後見人と認知症を発症後の仕事を契約書(公正証書)で決めてしまう方法。様々な段階(ステージ)で違う。認知症が進行した段階で家裁から任意後見監督人を選任(有償)してもらう。
3民事信託(家族信託)ー1の欠点を補完する方法として注目されるがメリット、デメリットがある。多額の設計費用が発生。
・・・委託者、受託者、受益者で信託契約。例えば父が委託者且つ受益者になり長男が受託者になる。信託財産の名義は受託者になる。利益を受益者に配当する。信託財産の運用が赤字でも受託者本人の黒字と合算できない。逆もある。税務上のメリットはないとされる。
4一般社団法人ー3の欠点は委託者はともかく、受託者の人生を縛ることになる。その点、法人化すると交代も簡単にできる。登記が要る。
・・・法人に管理して欲しい財産を移す。財産は法人名義になる。例えば父名義の財産は法人名義になり、父の死亡後も相続財産にはならないので遺産分割されない。家族は法人の理事、社員になる。死亡後は交代するが相続税は発生しない。但し法人事業税が課税。複式簿記で記帳し、法人税を申告する義務がある。
「Q&A改正相続法のポイントー改正経緯をふまえた実務の視点」輪読 ― 2019/11/08
本日のテーマは
P63 一部分割
P71 遺産分割前の預貯金債権行使
をページを区切りながら論議をする。それぞれの実務経験者の談話も交えながら理解に努める。脱線することも多々あり、本論に戻すまでに広がりのある話になる。実務は最高の研修なのである。言い換えれば「アウトプットがあって初めてインプットが生きてくる」のである。必要は発明の母ともいう。顧客からの要望、相談で知識は鍛えられる。しかし、無駄な知識も一杯習得するので多くは捨てることになる。新聞でも他のメディアでも本当に欲しい情報はわずかだ。後はゴミになっているのと同じである。何が重要な知識か、それは実務に際して発見される。
P63 一部分割
P71 遺産分割前の預貯金債権行使
をページを区切りながら論議をする。それぞれの実務経験者の談話も交えながら理解に努める。脱線することも多々あり、本論に戻すまでに広がりのある話になる。実務は最高の研修なのである。言い換えれば「アウトプットがあって初めてインプットが生きてくる」のである。必要は発明の母ともいう。顧客からの要望、相談で知識は鍛えられる。しかし、無駄な知識も一杯習得するので多くは捨てることになる。新聞でも他のメディアでも本当に欲しい情報はわずかだ。後はゴミになっているのと同じである。何が重要な知識か、それは実務に際して発見される。
相続(税)の研修 ― 2019/09/30
18時からはY先生による相続の研修に出席。時刻きっかりに始まると1時間30分休み無しでぶっ飛ばされた。講師は機関銃のように早口なので断片的にキーワードのメモを執る。文字を書けばそれが頭の片隅に残る。後で思い出す際のきっかけになる。医師のカルテと同じで患者への問診をメモっているようなものだ。
講師は税務署勤務25年後に退職して相続税専門の税理士事務所を開業した。遺言書、遺産分割協議書、相続関係図などの書類作成は弁護士か行政書士しかやれない。税理士は行政書士も無試験で行政書士登録できるので行政書士事務所も開業された。他に関連する副業も多々あった。中でも遺品整理業に目を付けたのはさすがである。
コンテンツとしては新たな知識を会得したわけではない。何より税務署職員時代に経験し培った顧客を見る目が的確なのである。したがって講義の最後は脱税の手口なるものも開陳された。
税法の知識に疎いので相続税の申告をしないのは源泉所得税に馴らされた会社員と公務員が多いと言われた。中でも公務員が多く、申告の必要を知りながら無申告の事例があるそうだ。また親の死亡を悟り、死亡前に預金を引き出す事例も多いようだ。これは相談会でも聞いた。兄弟の内敏いのが事前に引き出している。また子または孫の名義預金も実は相続財産だから気をつけてと注意喚起があった。
それにしても公務員は税金で食べてきて税金を納めないのは、と批判的になるのは税務署員の考えが抜けないからだろう。全体的にはさらっと(深掘りしないで)相続にまつわる逸話を交えての話は面白かったしためになった。
講師は税務署勤務25年後に退職して相続税専門の税理士事務所を開業した。遺言書、遺産分割協議書、相続関係図などの書類作成は弁護士か行政書士しかやれない。税理士は行政書士も無試験で行政書士登録できるので行政書士事務所も開業された。他に関連する副業も多々あった。中でも遺品整理業に目を付けたのはさすがである。
コンテンツとしては新たな知識を会得したわけではない。何より税務署職員時代に経験し培った顧客を見る目が的確なのである。したがって講義の最後は脱税の手口なるものも開陳された。
税法の知識に疎いので相続税の申告をしないのは源泉所得税に馴らされた会社員と公務員が多いと言われた。中でも公務員が多く、申告の必要を知りながら無申告の事例があるそうだ。また親の死亡を悟り、死亡前に預金を引き出す事例も多いようだ。これは相談会でも聞いた。兄弟の内敏いのが事前に引き出している。また子または孫の名義預金も実は相続財産だから気をつけてと注意喚起があった。
それにしても公務員は税金で食べてきて税金を納めないのは、と批判的になるのは税務署員の考えが抜けないからだろう。全体的にはさらっと(深掘りしないで)相続にまつわる逸話を交えての話は面白かったしためになった。
蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男 ― 2019/09/18
今朝は早起きして、シャワーを浴びたが擦過傷の患部への刺激は減少した。薬が効いたのか。皮膚科でもらった薬を塗布した。
朝7時過ぎ、通勤者のマイカーで混雑する道をナビに振り回されながら地方都市の地銀の支店へ行く。成年後見制度や相続、遺言書などの相談員の1人として。遠くても手を挙げたのは地銀が広告と会場を貸与するという好機を生かしたいためだ。
相談者は1名だけだった。前回はゼロだったそうだ。それで手を挙げたのは地元の行政書士1名のみ。1名では銀行の好意に背くので名古屋の私でよければと、手を挙げて相談員として赴いた。内容は遺産分割のもつれである。現行民法は法定の均等割を強いるが祭祀継承者への配慮をしてあげることへの理解を求めた。
相続人らを困らせているのは兄弟姉妹の5人のうちの三女で、かつ夫が国立大学の法学部教授とくるから始末が悪い。法定通りじゃないと法に訴えると言っていると困惑された。
戦後GHQがわずか1週間で日本国憲法を制定していった。その影響下で長男の地位が大きく棄損された。最大のものは墓をだれが守るか、という視点である。GHQのメンバーの中心は世界を流浪する民族のユダヤ人らだったから祖先崇拝なんてことは頭にはない。如何に個人として優位に生きるかだけだろう。個人主義の蔓延が争う相続と揶揄されるわけだ。
計算式としては長子は現在65歳なので85歳まで存命すると20年、33回忌は98歳になるので厳しいが、27回忌まではやれる。
一例として
1回数万円の法事負担費×7回+墓の管理費+アルファ=??万円
程度を長子に加増して三女を説得する旨伝えてみた。長子への感謝の気持ちも必要だ。
法事のたびに集まって「兄さんどうお元気?」「お前も腰の痛みはどうだや」「あの子は認知症になったんだわ、後見人が付いちゃってね」などと同胞(はらから、兄弟姉妹)の消息を話し合ういい機会だ。
相談後の感想としては表題の俳句
中村草田男の 蟾蜍長子家去る由もなし を想起した。
ヤフー知恵袋から
「ここは、家を去る理由がない、ではなく
家を去ることができない、というふうにとったほうがいいでしょう。
蟾蜍(ヒキガエル)は、どこにでもいるというものではありません。
すみ易いところが決まっているのか「ヒキのいるような家」という表現があるように、
まるで一匹の蟾蜍がずーっと死なないで取り付いているかのように、毎年毎年、同じ庭に現れます。蟾蜍の方も、代替わりしているかもしれないのですが、はたからみると、何百年たっても同じ蟾蜍です。
旧家の長男というのも、その旧家の伝統を背負って、先代の、先々代の、先々先代の、同じ暮らしを、同じ古屋で、続けていかなければなりません。
旧家の長男の、堂々たる威厳に満ちた悲哀、といったものを、蟾蜍の姿に投影したのでしょう。」ずばり名解説。
相談者は長女でした。作用、句の解説にもあるように長子は逃げられないのです。「じゃだれが墓を守るんだ」とヒキガエルみたいにぼやいているとか。両親が商売で蓄財した財産をとくに不動産を5人で共有だなんて、したくないわと、相談に来られたのだ。亡親も泣いていているでしょうに。幸い現金があるのでそれの一部をツカミ金で縁をつなげたらいいなと思う。家制度は崩壊したが家族で助け合うことは民法でも義務になっていることを忘れてはなるまい。
朝7時過ぎ、通勤者のマイカーで混雑する道をナビに振り回されながら地方都市の地銀の支店へ行く。成年後見制度や相続、遺言書などの相談員の1人として。遠くても手を挙げたのは地銀が広告と会場を貸与するという好機を生かしたいためだ。
相談者は1名だけだった。前回はゼロだったそうだ。それで手を挙げたのは地元の行政書士1名のみ。1名では銀行の好意に背くので名古屋の私でよければと、手を挙げて相談員として赴いた。内容は遺産分割のもつれである。現行民法は法定の均等割を強いるが祭祀継承者への配慮をしてあげることへの理解を求めた。
相続人らを困らせているのは兄弟姉妹の5人のうちの三女で、かつ夫が国立大学の法学部教授とくるから始末が悪い。法定通りじゃないと法に訴えると言っていると困惑された。
戦後GHQがわずか1週間で日本国憲法を制定していった。その影響下で長男の地位が大きく棄損された。最大のものは墓をだれが守るか、という視点である。GHQのメンバーの中心は世界を流浪する民族のユダヤ人らだったから祖先崇拝なんてことは頭にはない。如何に個人として優位に生きるかだけだろう。個人主義の蔓延が争う相続と揶揄されるわけだ。
計算式としては長子は現在65歳なので85歳まで存命すると20年、33回忌は98歳になるので厳しいが、27回忌まではやれる。
一例として
1回数万円の法事負担費×7回+墓の管理費+アルファ=??万円
程度を長子に加増して三女を説得する旨伝えてみた。長子への感謝の気持ちも必要だ。
法事のたびに集まって「兄さんどうお元気?」「お前も腰の痛みはどうだや」「あの子は認知症になったんだわ、後見人が付いちゃってね」などと同胞(はらから、兄弟姉妹)の消息を話し合ういい機会だ。
相談後の感想としては表題の俳句
中村草田男の 蟾蜍長子家去る由もなし を想起した。
ヤフー知恵袋から
「ここは、家を去る理由がない、ではなく
家を去ることができない、というふうにとったほうがいいでしょう。
蟾蜍(ヒキガエル)は、どこにでもいるというものではありません。
すみ易いところが決まっているのか「ヒキのいるような家」という表現があるように、
まるで一匹の蟾蜍がずーっと死なないで取り付いているかのように、毎年毎年、同じ庭に現れます。蟾蜍の方も、代替わりしているかもしれないのですが、はたからみると、何百年たっても同じ蟾蜍です。
旧家の長男というのも、その旧家の伝統を背負って、先代の、先々代の、先々先代の、同じ暮らしを、同じ古屋で、続けていかなければなりません。
旧家の長男の、堂々たる威厳に満ちた悲哀、といったものを、蟾蜍の姿に投影したのでしょう。」ずばり名解説。
相談者は長女でした。作用、句の解説にもあるように長子は逃げられないのです。「じゃだれが墓を守るんだ」とヒキガエルみたいにぼやいているとか。両親が商売で蓄財した財産をとくに不動産を5人で共有だなんて、したくないわと、相談に来られたのだ。亡親も泣いていているでしょうに。幸い現金があるのでそれの一部をツカミ金で縁をつなげたらいいなと思う。家制度は崩壊したが家族で助け合うことは民法でも義務になっていることを忘れてはなるまい。
公正証書遺言の相談 ― 2019/09/13
午後から遺言書の相談。100歳近い遺言者なので最寄りの公証人役場に遺言能力の有無を電話で確認した。結果、公証人と遺言者が直接面談することとなった。
一日相談員 ― 2019/09/11
成年後見制度や相続、遺言書の法律相談会を開催した。ある地銀の支店の応接間を提供されてチラシで募った相談者の相談に応じる。これで5回以上はやった。
朝早くバスで支店のある地区へ移動。自転車でも良かったが参考書籍があり荷物が2個のためにバスにした。地下鉄の連絡が悪いのでバスのみになった。最寄の地下鉄駅もあるが支店へは坂道を歩かねばならない。
午前9時過ぎに最初の女性の相談者と面談。老親の財産管理全体にかかる心配事の解消である。まだ認知症かどうかまでは把握されていない。しかしこの9月には父を老人施設に入居させたと申し訳なさそうに話された。母(妻)の手に負えなくなったらしい。そこで両親とも入居する事態になったという。すると自宅は空き家になる。
まずは成年後見制度の仕組みから解説。法定後見と任意後見の違い、類型の意味など。60分たっぷり話して帰られた。まだ聞きたそうなので連絡先を書いてもらい、アフターにも対応することとした。
二番目の男性は遺産分割の心配事である。しかし3人兄弟(相続人)で均等に分割するものの未精算の金融財産や土地もあるので弟等に盗られないか、という心配。聞くと父の死後遺産分割協議をしていないと分かった。銀行が父の死を知る前に金融財産をみな引き出してしまったらしい。
要するに遺産分割の途中なのである。しかも通帳のコピーを送ってきたのを見せてくれたので悪意はないですね、とアドバイス。土地の保有、売買にはおカネがかかるし、山林の相続の際には境界の測量費もかかる。それで簡単には進めないと考えられた。山林は相続しないというのだが無関心では居られない。もし山林が高く売れたら自分はもらい損ねたことになる。司法書士も付いているので単なる心配事の様子。
午後は相談者は無く、15時の閉店をもって支店を出た。するとすぐ大粒の雨が降ってきた。蒸し暑い外気だが降るなら降ってくれると少しは涼しくなる。
朝早くバスで支店のある地区へ移動。自転車でも良かったが参考書籍があり荷物が2個のためにバスにした。地下鉄の連絡が悪いのでバスのみになった。最寄の地下鉄駅もあるが支店へは坂道を歩かねばならない。
午前9時過ぎに最初の女性の相談者と面談。老親の財産管理全体にかかる心配事の解消である。まだ認知症かどうかまでは把握されていない。しかしこの9月には父を老人施設に入居させたと申し訳なさそうに話された。母(妻)の手に負えなくなったらしい。そこで両親とも入居する事態になったという。すると自宅は空き家になる。
まずは成年後見制度の仕組みから解説。法定後見と任意後見の違い、類型の意味など。60分たっぷり話して帰られた。まだ聞きたそうなので連絡先を書いてもらい、アフターにも対応することとした。
二番目の男性は遺産分割の心配事である。しかし3人兄弟(相続人)で均等に分割するものの未精算の金融財産や土地もあるので弟等に盗られないか、という心配。聞くと父の死後遺産分割協議をしていないと分かった。銀行が父の死を知る前に金融財産をみな引き出してしまったらしい。
要するに遺産分割の途中なのである。しかも通帳のコピーを送ってきたのを見せてくれたので悪意はないですね、とアドバイス。土地の保有、売買にはおカネがかかるし、山林の相続の際には境界の測量費もかかる。それで簡単には進めないと考えられた。山林は相続しないというのだが無関心では居られない。もし山林が高く売れたら自分はもらい損ねたことになる。司法書士も付いているので単なる心配事の様子。
午後は相談者は無く、15時の閉店をもって支店を出た。するとすぐ大粒の雨が降ってきた。蒸し暑い外気だが降るなら降ってくれると少しは涼しくなる。
父母の終活なり秋涼し ― 2019/08/20
こないだの相談会での男性が来訪。具体的な遺言書作成の話を詰めた。長男として高齢の両親の終活を支援することになった。多々あるが幸いにも認知症ではないので遺言公正証書でまとめることとした。
またおば夫婦の話も出た。同じように遺言書を作成し、障碍者ゆえにサポートは任意後見を利用してもらうことが至当と判断し説明。納得してもらった。来月はこの仕事で忙しい。
またおば夫婦の話も出た。同じように遺言書を作成し、障碍者ゆえにサポートは任意後見を利用してもらうことが至当と判断し説明。納得してもらった。来月はこの仕事で忙しい。
孤独死の現実 ― 2019/08/02
暑い暑い。にもかかわらず汗拭きを忘れた。植田駅前のコンビニに入ると何と500円前後もする。となりのドラッグでも600円はする。高いので何か汗拭きになる布切れはないか物色したら、おしぼりが見つかった。5本セットで200円だった。ふうっ、これで汗をぬぐえる。
その後、栄から黒川駅経由で汗を拭き拭き、中日信金でのシニア面談会に出席。なんとかご縁を得たいものです。約30分弱でミニ面談を終了後、名鉄清水駅から栄、上前津を経由して植田駅にとんぼ返り。
天白図書館の集会室で孤独死をした人の遺品整理を専門にするT先生の講話を聴いた。これが単なる遺品整理ではなく、法的な裏付けのあるもので今後はこのT先生の考え方や進め方が標準になってゆくのではないか、と思う。
例えば、故人に負債があると知らずに遺品整理(財産として換金)すると単純承認になり、故人の負債を抱えることになる。さらに、新婚時は妻側の親が賃貸住宅の借主の夫の連帯保証人になると、その後離婚、夫は賃貸住宅で孤独死した場合、連帯保証人には家賃の延滞のみならず、遺体の腐敗で住宅が極度に傷むと修繕費が加算される。約600万円弱もの事例にぞっとさせられる。
娘が離婚した場合は連帯保証人の関係も解消しておく必要がある。娘が死亡した場合も同じ。姻族関係も解消して置くことだ。
その他、孤独死する人は生活保護世帯であったりする。高齢者で年金生活者の場合は子が死亡を確認しないこと、DVを恐れて疎遠になっているなど人生の地獄をさまようような事例を見る。
幸福とは何か。幸福ではなくとも不幸に陥りたくはない。その為には生活技術、人間関係、など見直す必要がある。意義深い研修であった。
その後、栄から黒川駅経由で汗を拭き拭き、中日信金でのシニア面談会に出席。なんとかご縁を得たいものです。約30分弱でミニ面談を終了後、名鉄清水駅から栄、上前津を経由して植田駅にとんぼ返り。
天白図書館の集会室で孤独死をした人の遺品整理を専門にするT先生の講話を聴いた。これが単なる遺品整理ではなく、法的な裏付けのあるもので今後はこのT先生の考え方や進め方が標準になってゆくのではないか、と思う。
例えば、故人に負債があると知らずに遺品整理(財産として換金)すると単純承認になり、故人の負債を抱えることになる。さらに、新婚時は妻側の親が賃貸住宅の借主の夫の連帯保証人になると、その後離婚、夫は賃貸住宅で孤独死した場合、連帯保証人には家賃の延滞のみならず、遺体の腐敗で住宅が極度に傷むと修繕費が加算される。約600万円弱もの事例にぞっとさせられる。
娘が離婚した場合は連帯保証人の関係も解消しておく必要がある。娘が死亡した場合も同じ。姻族関係も解消して置くことだ。
その他、孤独死する人は生活保護世帯であったりする。高齢者で年金生活者の場合は子が死亡を確認しないこと、DVを恐れて疎遠になっているなど人生の地獄をさまようような事例を見る。
幸福とは何か。幸福ではなくとも不幸に陥りたくはない。その為には生活技術、人間関係、など見直す必要がある。意義深い研修であった。