研修ー消費者法の概要と雑感 ― 2010/11/04
第2回目という東京の日行連主催の全国研修がインターネットで各県の会に配信されて行われた。
プログラムは第一時限目消費者法の概要ー消費者庁の発足による行政の変化第二時限目会社の解散・清算制度第三時限目建設請負契約のリスクと帰責についてである。
ここでは消費者法について学んだことをノートしておく。
講師:消費者庁 総務課課長補佐 十川雅彦氏
消費者庁は2009年9月1日に発足した新しい消費者の視点に立った行政を推進する機関である。
消費者安全法
消費者事故
↓
事実認定
↓
注意喚起→内閣総理大臣→販売中止
司法を経ずに強い権限が行使される
従来は
独禁法→ 公正取引委員会→ 裁判所へ申し立て(司法)
景品表示法
1.不当な表示の禁止 二重価格表示が問題→通常価格の何割引という表示はいつも同じなのに→誤認させる
2.過大な景品類の禁止
一例として最近報道のあった焼肉屋のカルビの呼称の件
ロースとはもも肉のこと→業界では材料の名前≠ロースそのものではない→優良誤認
ブラジル産鶏肉を国産鶏肉と偽る→優良誤認
国産牛肉を飛騨牛と偽装した事件も記憶に新しい。これも優良誤認
食品衛生法
アレルギー物質の表示→鶏卵への喚起→抗生物質を含まないと宣伝するのは違法
健康増進法
食薬区分 第二条 第四条
特保 食品は効果効能は書かないこと。但し特別用途食品は許可を得て書いていい。
一例 エコナ問題
許可されたが販売中止した事件。当時は取り消し、見直しの規定がなかった。
JAS法
食品表示偽装
JAS法 不正競争防止法 刑法
特定商取引法
クーリングオフ
特商法の改正
①すべての商品は対象になる→抜け穴防止
②再勧誘禁止「もういらないよ」と意思表示する
消費者センターと連携して保護行政をする
感想雑感
比較的若いころから関心を持っていた分野であり、事務所の書棚を見ても関連書籍は4冊があった。
1970年『盗奪の論理』 大門一樹 サイマル出版
1971年『消費者手帖』 日本消費者連盟 三一書房
1971年『消費者問題』 野村かつ子、青山三千子、山手 茂 亜紀書房
1972年『消費者問題入門』 安部喜三 日経文庫 日本経済新聞社
消費者問題というと若いころはクルマ製造会社にいたからアメリカの弁護士ラルフ・ネーダー(1934~)の活躍が脳裏に刻まれている。改めて検索。以下はコピー。
「1965年、彼は『どんなスピードでも自動車は危険だ:アメリカの自動車に仕組まれた危険』Unsafe at Any Speed:The Designed-In Dangers of the American Automobileという乗用車の欠陥を指摘する本を出版し全米に衝撃を与えた。」が全世界に有名にしたことだろう。
続いて
「ともあれアメリカ政府はネーダーの本を受ける形で自動車と交通の安全に関する法律や部署を設置し、ネーダーの告発は勝利に終わった。
彼はその後も自動車の安全を監視する組織を運営している。さらにネーダーの運動に刺激された幾百の若い消費者運動家たち(ネーダーズ・レイダーズ、「ネーダー突撃隊」)とともにさまざまな方面の消費者保護運動に携わり、政府や産業界の環境、福祉、健康、政治腐敗などの問題点を次々に告発した。
1971年にはこれらを傘下におさめる上部組織であるNGO「パブリック・シチズン」を設立、現在では15万人の会員を擁し政府や議会、産業界などを調査・監視しているほか、国民の健康を守ったり消費者の権利を保障したりするためのさまざまな法案を通したり政府機関の設立に寄与した。」
日本ではこのような消費者の側に立った団体は機能しなかったように思う。しかし一例として挙げると同様に検索から
1969年以降、ラルフ・ネーダーが主導しアメリカで社会問題になっていた「欠陥車問題」に影響され、日本でも同様に欠陥車糾弾の動きが生じた。この種の動きを見せた団体に「日本自動車ユーザーユニオン」があり、当時のベストセラーカーであった「N360」に操縦安定性の面で重大な欠陥があると指摘、未必の故意による殺人罪で本田宗一郎を東京地方検察庁に告訴した。
この事件に関して1973年の国会審議で日本共産党が質問中に示した数字として、1968年から1970年の3年間で、被害者362名(うち、死亡56名、重傷106名、軽傷137名、物損14件)というものがある[3]。
これによるイメージダウンもあって、発売以来3年間国内販売首位を誇った「N360」の人気は下がり、1971年には後継モデルの「ライフ」が発売されたこともあって、1972年に販売を終えた。
捜査の結果、本田宗一郎は不起訴となった。またホンダは法外な示談金を要求したユーザーユニオンを恐喝で告訴し、ユーザーユニオンの代表者2名が恐喝の疑いで東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された。結果2名は有罪となったが、ホンダとの交渉に関する部分は一審では有罪となったものの控訴審では無罪となり、上告審でも控訴審での判断が維持されている。結局判決が確定したのは1987年1月のことであり、十数年の年月を要した。」
その自動車ユーザーユニオンで活躍した安部治夫弁護士は
1987年1月23日、最高裁の第2小法廷は[賠償交渉に名を借りた期を恐喝]と認定、上告を棄却する決定。
法務省刑事局のエリート官僚を退官後、67年弁護士に転身。70年から欠陥車問題に取り組み、自動車製造、販売会社に対抗して自動車の欠陥を指摘してクレーム処理を行うことにより自動車のユーザーの利益を擁護することを目的とする「日本自動車ユーザーユニオン」と称する消費者団体を設立。監事兼顧問弁護士に就任した。
安倍弁護士は有罪確定で第二東京弁護士会を退会したが、中央更生保護審査会は昭和天皇が亡くなられた特別恩赦で懲役・執行猶予期間が減刑。執行猶予期間終了後、第二東京弁護士会に再登録した。
結局アメリカで大問題となったトヨタの暴走事故、発進を見ても次々と新たなリコール車が出て安全な車を作るという点に関して何も解決していない。当時のマスコミは欠陥車と書いたがメーカー側からはリコール車(=回収車)という呼称になっている。
今日の消費者安全法を車に適用すると
↓
事故発生→事実認定→ここが問題だ→個人には原因調査は無理→中立のサービス機関がないので系列販売店かJAFに持ち込むことになるだろう。そうするとこっそり部品交換したり、プログラムを書き換えたりして発覚されない可能性がある。これまでもあったと思う。
↓
この法律がメーカー優位の社会を変えるきっかけになるでしょうか。
私たち消費者は用意周到なメーカーに対処する知恵を持っていないように思う。
メーカーは国内では生産、販売、世界では電子、環境などの技術、外国為替=円高、外国のうち先進国とはライバルがいるし、中進国とは原価競争がある。新たに消費者の安全との取り組みが始まっている。
大変な時代である。しかし、すでにスバルは衝突回避のクルマを開発している。これは安全につながるだろう。
食品やクルマに限らず安全な商品こそ企業が生き残ることができる最低の条件である。
プログラムは第一時限目消費者法の概要ー消費者庁の発足による行政の変化第二時限目会社の解散・清算制度第三時限目建設請負契約のリスクと帰責についてである。
ここでは消費者法について学んだことをノートしておく。
講師:消費者庁 総務課課長補佐 十川雅彦氏
消費者庁は2009年9月1日に発足した新しい消費者の視点に立った行政を推進する機関である。
消費者安全法
消費者事故
↓
事実認定
↓
注意喚起→内閣総理大臣→販売中止
司法を経ずに強い権限が行使される
従来は
独禁法→ 公正取引委員会→ 裁判所へ申し立て(司法)
景品表示法
1.不当な表示の禁止 二重価格表示が問題→通常価格の何割引という表示はいつも同じなのに→誤認させる
2.過大な景品類の禁止
一例として最近報道のあった焼肉屋のカルビの呼称の件
ロースとはもも肉のこと→業界では材料の名前≠ロースそのものではない→優良誤認
ブラジル産鶏肉を国産鶏肉と偽る→優良誤認
国産牛肉を飛騨牛と偽装した事件も記憶に新しい。これも優良誤認
食品衛生法
アレルギー物質の表示→鶏卵への喚起→抗生物質を含まないと宣伝するのは違法
健康増進法
食薬区分 第二条 第四条
特保 食品は効果効能は書かないこと。但し特別用途食品は許可を得て書いていい。
一例 エコナ問題
許可されたが販売中止した事件。当時は取り消し、見直しの規定がなかった。
JAS法
食品表示偽装
JAS法 不正競争防止法 刑法
特定商取引法
クーリングオフ
特商法の改正
①すべての商品は対象になる→抜け穴防止
②再勧誘禁止「もういらないよ」と意思表示する
消費者センターと連携して保護行政をする
感想雑感
比較的若いころから関心を持っていた分野であり、事務所の書棚を見ても関連書籍は4冊があった。
1970年『盗奪の論理』 大門一樹 サイマル出版
1971年『消費者手帖』 日本消費者連盟 三一書房
1971年『消費者問題』 野村かつ子、青山三千子、山手 茂 亜紀書房
1972年『消費者問題入門』 安部喜三 日経文庫 日本経済新聞社
消費者問題というと若いころはクルマ製造会社にいたからアメリカの弁護士ラルフ・ネーダー(1934~)の活躍が脳裏に刻まれている。改めて検索。以下はコピー。
「1965年、彼は『どんなスピードでも自動車は危険だ:アメリカの自動車に仕組まれた危険』Unsafe at Any Speed:The Designed-In Dangers of the American Automobileという乗用車の欠陥を指摘する本を出版し全米に衝撃を与えた。」が全世界に有名にしたことだろう。
続いて
「ともあれアメリカ政府はネーダーの本を受ける形で自動車と交通の安全に関する法律や部署を設置し、ネーダーの告発は勝利に終わった。
彼はその後も自動車の安全を監視する組織を運営している。さらにネーダーの運動に刺激された幾百の若い消費者運動家たち(ネーダーズ・レイダーズ、「ネーダー突撃隊」)とともにさまざまな方面の消費者保護運動に携わり、政府や産業界の環境、福祉、健康、政治腐敗などの問題点を次々に告発した。
1971年にはこれらを傘下におさめる上部組織であるNGO「パブリック・シチズン」を設立、現在では15万人の会員を擁し政府や議会、産業界などを調査・監視しているほか、国民の健康を守ったり消費者の権利を保障したりするためのさまざまな法案を通したり政府機関の設立に寄与した。」
日本ではこのような消費者の側に立った団体は機能しなかったように思う。しかし一例として挙げると同様に検索から
1969年以降、ラルフ・ネーダーが主導しアメリカで社会問題になっていた「欠陥車問題」に影響され、日本でも同様に欠陥車糾弾の動きが生じた。この種の動きを見せた団体に「日本自動車ユーザーユニオン」があり、当時のベストセラーカーであった「N360」に操縦安定性の面で重大な欠陥があると指摘、未必の故意による殺人罪で本田宗一郎を東京地方検察庁に告訴した。
この事件に関して1973年の国会審議で日本共産党が質問中に示した数字として、1968年から1970年の3年間で、被害者362名(うち、死亡56名、重傷106名、軽傷137名、物損14件)というものがある[3]。
これによるイメージダウンもあって、発売以来3年間国内販売首位を誇った「N360」の人気は下がり、1971年には後継モデルの「ライフ」が発売されたこともあって、1972年に販売を終えた。
捜査の結果、本田宗一郎は不起訴となった。またホンダは法外な示談金を要求したユーザーユニオンを恐喝で告訴し、ユーザーユニオンの代表者2名が恐喝の疑いで東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された。結果2名は有罪となったが、ホンダとの交渉に関する部分は一審では有罪となったものの控訴審では無罪となり、上告審でも控訴審での判断が維持されている。結局判決が確定したのは1987年1月のことであり、十数年の年月を要した。」
その自動車ユーザーユニオンで活躍した安部治夫弁護士は
1987年1月23日、最高裁の第2小法廷は[賠償交渉に名を借りた期を恐喝]と認定、上告を棄却する決定。
法務省刑事局のエリート官僚を退官後、67年弁護士に転身。70年から欠陥車問題に取り組み、自動車製造、販売会社に対抗して自動車の欠陥を指摘してクレーム処理を行うことにより自動車のユーザーの利益を擁護することを目的とする「日本自動車ユーザーユニオン」と称する消費者団体を設立。監事兼顧問弁護士に就任した。
安倍弁護士は有罪確定で第二東京弁護士会を退会したが、中央更生保護審査会は昭和天皇が亡くなられた特別恩赦で懲役・執行猶予期間が減刑。執行猶予期間終了後、第二東京弁護士会に再登録した。
結局アメリカで大問題となったトヨタの暴走事故、発進を見ても次々と新たなリコール車が出て安全な車を作るという点に関して何も解決していない。当時のマスコミは欠陥車と書いたがメーカー側からはリコール車(=回収車)という呼称になっている。
今日の消費者安全法を車に適用すると
↓
事故発生→事実認定→ここが問題だ→個人には原因調査は無理→中立のサービス機関がないので系列販売店かJAFに持ち込むことになるだろう。そうするとこっそり部品交換したり、プログラムを書き換えたりして発覚されない可能性がある。これまでもあったと思う。
↓
この法律がメーカー優位の社会を変えるきっかけになるでしょうか。
私たち消費者は用意周到なメーカーに対処する知恵を持っていないように思う。
メーカーは国内では生産、販売、世界では電子、環境などの技術、外国為替=円高、外国のうち先進国とはライバルがいるし、中進国とは原価競争がある。新たに消費者の安全との取り組みが始まっている。
大変な時代である。しかし、すでにスバルは衝突回避のクルマを開発している。これは安全につながるだろう。
食品やクルマに限らず安全な商品こそ企業が生き残ることができる最低の条件である。
研修ー会社の解散・清算制度 ― 2010/11/04
講師:新井 吐夢氏 法務省民事局付け
近頃書店の棚を見ていると会社の解散をうたった書物が多くはないが見るようになった。著者は税理士である。会計業務を担うから会社の消長をもっとも早く把握できる立場にあるからだろう。
会社設立が今は減って解散が増える傾向を示しているのだろうか。ずっと気にしていたテーマだった。今回こんなテーマが選ばれたのも時代の趨勢か。中小企業庁など行政は経営支援に躍起となって取り組んでおるようだが金融が不健全な今は中小企業にカネが回りにくい。
会計学の教科書には大抵は企業は永遠なり、と謳うはずである。それが新たな投資よりも会社の死を選ぶとすれば悲しいことだ。会社の手仕舞いを学ぶ。
新井氏は会社制度活用のためには重要な部分と強調された。
でないと債権者が困るのだ。
会社の解散とは=会社の終わり
会社法にはない言葉であって事実 法人格は生きている
直ちに消滅することはない
清算で消滅する
当事者の自治で残余財産をすべて配当する
全部配当できない場合倒産手続きに移行する。この場合は自治では なく裁判所の関与が入る
債務超過になる場合は特別清算に入る
清算とは何か 会社法には定義がない
①債権者
②株主の順に配当する
近頃書店の棚を見ていると会社の解散をうたった書物が多くはないが見るようになった。著者は税理士である。会計業務を担うから会社の消長をもっとも早く把握できる立場にあるからだろう。
会社設立が今は減って解散が増える傾向を示しているのだろうか。ずっと気にしていたテーマだった。今回こんなテーマが選ばれたのも時代の趨勢か。中小企業庁など行政は経営支援に躍起となって取り組んでおるようだが金融が不健全な今は中小企業にカネが回りにくい。
会計学の教科書には大抵は企業は永遠なり、と謳うはずである。それが新たな投資よりも会社の死を選ぶとすれば悲しいことだ。会社の手仕舞いを学ぶ。
新井氏は会社制度活用のためには重要な部分と強調された。
でないと債権者が困るのだ。
会社の解散とは=会社の終わり
会社法にはない言葉であって事実 法人格は生きている
直ちに消滅することはない
清算で消滅する
当事者の自治で残余財産をすべて配当する
全部配当できない場合倒産手続きに移行する。この場合は自治では なく裁判所の関与が入る
債務超過になる場合は特別清算に入る
清算とは何か 会社法には定義がない
①債権者
②株主の順に配当する
研修ー建設請負契約のリスクと帰責について ― 2010/11/05
講師:笠井 修氏 中央大学法科大学院教授
かつて30年以上も前に建設会社に勤務していたころ建設請負は「請け負け」だと言われたことがあった。当時はインフレの時代で契約すると工事中に資材が値上がりして採算が悪くなった。人夫賃も上がった。だからといって契約金額を値上げすることもできなかったのである。採算割れがあっても資金繰りの都合で受注することもあった。
今日はその建設請負契約についての理論的な講義を大学の先生から直接受講した。検索でぐぐると同名の書籍がヒット。著者も同じだ。
契約のリスクとは何か
契約は申込みと承諾で成立
内容の破綻 言葉の解釈で行き違いが生じる(理解の違い)
請負契約には債務不履行がない。民法上請負は仕事の完成義務がある。だから赤字でもやる(履行)ことになる。しかし、契約で想定していない天変地異の損壊があればそれはリスクになる。
不可抗力+事情変更→コントロール不能→契約がうまくいかない
↓
リスク負担は
↓
発注者側へ泣きついた→救済措置→設計変更で赤字を補填
発注者側でもリスクを分配してもらう→約款が整備された
今では天候上のリスクは発注者側に移行している
但し民間工事の瑕疵担保に関して→発注者は消費者である→約款には消費者保護の観点が欠けているという問題があった
危険領域という考え方
不能を生じた原因が債権者(注文者または発注者)の領域に属せば、受領不能として反対給付債権が消滅する説
西欧先進国の例
請負 「仕事の完成」とはどのようなことか
・瑕疵のない仕事の完成 債務不履行責任 商品売買
・瑕疵を伴いうる仕事の完成→瑕疵が無くなるまでの契約
報酬請求の問題がある 予定工程を終えた完成→請求発生
→瑕疵担保責任
・仕事の完成の規範的要件化
新しい建設請負 リスクの分配から共有へ
PPC=プロジェクトパートナリングとは
日本の系列にヒントを得た
情報共有 分配の割合を決めておく
信頼性の醸成 チームを作る→コミュニケーションをはかる
いいこと尽くめではない
ターゲットコスト(目標価格)=公共工事=納税者の目が光る
保険会社がリスク判断に困る
知財関係が決まらない
古い時代を背景にした民法では合わなくなってきている
売買型の契約には当てはまる
役務提供型(サービス)には当てはまらない
536条を無理に適用してきた
534条の危険負担はドイツに学んだ
この結果建設請負業者にはリスクが多かった
完全な契約書を作っても防止できないことがある
かつて30年以上も前に建設会社に勤務していたころ建設請負は「請け負け」だと言われたことがあった。当時はインフレの時代で契約すると工事中に資材が値上がりして採算が悪くなった。人夫賃も上がった。だからといって契約金額を値上げすることもできなかったのである。採算割れがあっても資金繰りの都合で受注することもあった。
今日はその建設請負契約についての理論的な講義を大学の先生から直接受講した。検索でぐぐると同名の書籍がヒット。著者も同じだ。
契約のリスクとは何か
契約は申込みと承諾で成立
内容の破綻 言葉の解釈で行き違いが生じる(理解の違い)
請負契約には債務不履行がない。民法上請負は仕事の完成義務がある。だから赤字でもやる(履行)ことになる。しかし、契約で想定していない天変地異の損壊があればそれはリスクになる。
不可抗力+事情変更→コントロール不能→契約がうまくいかない
↓
リスク負担は
↓
発注者側へ泣きついた→救済措置→設計変更で赤字を補填
発注者側でもリスクを分配してもらう→約款が整備された
今では天候上のリスクは発注者側に移行している
但し民間工事の瑕疵担保に関して→発注者は消費者である→約款には消費者保護の観点が欠けているという問題があった
危険領域という考え方
不能を生じた原因が債権者(注文者または発注者)の領域に属せば、受領不能として反対給付債権が消滅する説
西欧先進国の例
請負 「仕事の完成」とはどのようなことか
・瑕疵のない仕事の完成 債務不履行責任 商品売買
・瑕疵を伴いうる仕事の完成→瑕疵が無くなるまでの契約
報酬請求の問題がある 予定工程を終えた完成→請求発生
→瑕疵担保責任
・仕事の完成の規範的要件化
新しい建設請負 リスクの分配から共有へ
PPC=プロジェクトパートナリングとは
日本の系列にヒントを得た
情報共有 分配の割合を決めておく
信頼性の醸成 チームを作る→コミュニケーションをはかる
いいこと尽くめではない
ターゲットコスト(目標価格)=公共工事=納税者の目が光る
保険会社がリスク判断に困る
知財関係が決まらない
古い時代を背景にした民法では合わなくなってきている
売買型の契約には当てはまる
役務提供型(サービス)には当てはまらない
536条を無理に適用してきた
534条の危険負担はドイツに学んだ
この結果建設請負業者にはリスクが多かった
完全な契約書を作っても防止できないことがある
研修ー倉庫業の登録について ― 2010/11/05
講師:西北支部 横井 豊氏
神戸大卒。昭和49年開業以来扱う業務は建設業の許認可が99%という大先輩である。エリアは愛知県だけに及ばず全国規模で受注。紹介が多い。
今回は専門の建設業ではなく倉庫業を取り上げて「登録」の業務のノウハウが語られた。実務研修というよりも心構えが中心である。横井氏は登録自体に付加価値(面白味)はないと断言する。というのも登録の方法は関係省庁のホームページを閲覧すればよいからだ。
むしろ行政書士として関わるのはクライアントに対して倉庫業登録すれば遊んでいる資産がカネを生む資産に化けますよ、と提案することにあるというのだ。
例えば景気の悪化で自社倉庫として利用してきた建物が自社で稼働率が上がらなくなった。そこで他人の荷物を預かって営業倉庫に転換することでクライアントは金儲けができるというわけだ。
ただ今回の研修の狙いはもう一つ別の狙いがあった。それは関係する法律が非常に多いということ。中でも建築確認は重要という。最初から倉庫として設計建築されたものはいいがそうでないものは問題があるという。消防法はクリアが難しいとか。だからチエックリストを作成して綿密にせよ、とアドバイスされた。
他に雑談風で興味ある話をいただいた。
・聞ことは先人を得る、隣人を得る
・先輩が多いからといって新規参入できないことはない
・もがけばいい
・自分の分野を見つけよ
・総会、研修会、飲み会には積極的に参加せよ
・法が正しいとは限らない
神戸大卒。昭和49年開業以来扱う業務は建設業の許認可が99%という大先輩である。エリアは愛知県だけに及ばず全国規模で受注。紹介が多い。
今回は専門の建設業ではなく倉庫業を取り上げて「登録」の業務のノウハウが語られた。実務研修というよりも心構えが中心である。横井氏は登録自体に付加価値(面白味)はないと断言する。というのも登録の方法は関係省庁のホームページを閲覧すればよいからだ。
むしろ行政書士として関わるのはクライアントに対して倉庫業登録すれば遊んでいる資産がカネを生む資産に化けますよ、と提案することにあるというのだ。
例えば景気の悪化で自社倉庫として利用してきた建物が自社で稼働率が上がらなくなった。そこで他人の荷物を預かって営業倉庫に転換することでクライアントは金儲けができるというわけだ。
ただ今回の研修の狙いはもう一つ別の狙いがあった。それは関係する法律が非常に多いということ。中でも建築確認は重要という。最初から倉庫として設計建築されたものはいいがそうでないものは問題があるという。消防法はクリアが難しいとか。だからチエックリストを作成して綿密にせよ、とアドバイスされた。
他に雑談風で興味ある話をいただいた。
・聞ことは先人を得る、隣人を得る
・先輩が多いからといって新規参入できないことはない
・もがけばいい
・自分の分野を見つけよ
・総会、研修会、飲み会には積極的に参加せよ
・法が正しいとは限らない
研修・成年後見制度1講 ― 2010/11/17
13:00~ ビデオ研修室 於:愛知県行政書士会館
講師:粂 智仁氏(くめともひと)
ホームページには成年後見制度利用支援の専門家をうたう。実際肩書きは以下のとおり。当制度に全力で取り組んでいる。更新は4/29でストップし他のページは閲覧できない。全国規模の活躍と見られる。
・神奈川県行政書士会 理事・企画部長
・NPO法人神奈川成年後見サポートセンター 理事
・日本行政書士会連合会 第二業務部専門員
・日本成年後見法学会会員
・福祉住環境コーディネーター
研修用のテキストはなくビデオを見ながらメモした断片的な事柄のみ記載しておく。
・成年後見制度はビジネスではない。社会貢献である。社会奉仕である。
・コンプライアンス
・倫理観をもって対応する
・制度に対して行政書士として正しい知識を習得する
・法廷後見人として6名、任意後見人として4名を担当中
・平成12年9月から活動を開始したが
職域の拡大を目論んだ≠社会に受け入れられなかった
↓
この仕事は社会貢献だと痛感したという
・神奈川県では職業後見人(弁護士、司法書士、税理士、介護士)の成り手が員数不足、
・地域密着度が高い行政書士こそ専門職後見人として行政書士が適任、との見解
・社会貢献では食べていけないという。報酬はほとんどない。しかし
介護保険の市町村への申請
自立支援法の手続きの申請
相談業務がある
・対して弁護士、司法書士は法定後見契約に関わることができるが行政書士はできない。
・行政書士は任意後見契約の起案はできる。作成は公証人が関わる。
・家族でも法定後見人になると善管注意義務が必要。
=善管注意義務とは、「委任を受けた人の、職業、地位、能力等において、社会通念上、要求される注意義務」であり、単に受託業務を処理するだけでよいのではなく、専門家、そのプロとしての平均的な注意を尽くす必要があるということです。専門家、プロとして一般的にこれぐらいは払うであろうと思われる注意をもって管理業務を行わなければなりません。
・能力担保として被後見人のための研修が必要
・訟廷管理官の話では第三者後見人の比率を挙げたい意向。
目標は40%
なぜなら
親族の財産侵害が増加している傾向。
市民後見人の増加にはネガティブでした。
私注:11/19名古屋市北区の市民後見センターに市民後見人になりたい、と申し込んだら10月の「広報なごや」を見て定員50名のところ80名の応募があったとか。社会貢献の機運は高まってきている。
上級の家庭裁判所には市民後見人のトラブルも寄せられているのかな。11/18の別の研修では講師の先輩行政書士から弁護士や司法書士に依頼しても断られるケースがある、といわれた。ビジネスとして美味しくない、からであろう。しかし先生は積極的に請けなさいとアドバイスされた。社会の要請だという。
訟廷管理官=各下級裁判所に置かれる。その下に配置された裁判所速記官の一般執務について指導監督し、かつ、首席書記官、知的財産高等裁判所首席書記官、上席主任書記官、主任書記官の命を受けて訟廷事務(裁判員調整官の置かれている地方裁判所にあつては裁判員及び補充裁判員の選任に関する訟廷事務を、速記管理官の置かれている地方裁判所にあつては速記に関する訟廷事務をそれぞれ除く。)をつかさどる。
・司法書士が先行しているが決して出遅れではない。今後知的障害は増加するから後見人は不足する。
・後見人損害保険加入を前提
善管注意義務を怠り、事故発生の場合の補償が必要
・NPO法人ではなく一般社団法人を設立
(非営利) (寄付行為)
・コンプライアンス体制の確立が重要
家裁からの要請 綱紀委員会があるかどうか
弁護士、司法書士でも問題がある
・業務は手探りが現状
講師:粂 智仁氏(くめともひと)
ホームページには成年後見制度利用支援の専門家をうたう。実際肩書きは以下のとおり。当制度に全力で取り組んでいる。更新は4/29でストップし他のページは閲覧できない。全国規模の活躍と見られる。
・神奈川県行政書士会 理事・企画部長
・NPO法人神奈川成年後見サポートセンター 理事
・日本行政書士会連合会 第二業務部専門員
・日本成年後見法学会会員
・福祉住環境コーディネーター
研修用のテキストはなくビデオを見ながらメモした断片的な事柄のみ記載しておく。
・成年後見制度はビジネスではない。社会貢献である。社会奉仕である。
・コンプライアンス
・倫理観をもって対応する
・制度に対して行政書士として正しい知識を習得する
・法廷後見人として6名、任意後見人として4名を担当中
・平成12年9月から活動を開始したが
職域の拡大を目論んだ≠社会に受け入れられなかった
↓
この仕事は社会貢献だと痛感したという
・神奈川県では職業後見人(弁護士、司法書士、税理士、介護士)の成り手が員数不足、
・地域密着度が高い行政書士こそ専門職後見人として行政書士が適任、との見解
・社会貢献では食べていけないという。報酬はほとんどない。しかし
介護保険の市町村への申請
自立支援法の手続きの申請
相談業務がある
・対して弁護士、司法書士は法定後見契約に関わることができるが行政書士はできない。
・行政書士は任意後見契約の起案はできる。作成は公証人が関わる。
・家族でも法定後見人になると善管注意義務が必要。
=善管注意義務とは、「委任を受けた人の、職業、地位、能力等において、社会通念上、要求される注意義務」であり、単に受託業務を処理するだけでよいのではなく、専門家、そのプロとしての平均的な注意を尽くす必要があるということです。専門家、プロとして一般的にこれぐらいは払うであろうと思われる注意をもって管理業務を行わなければなりません。
・能力担保として被後見人のための研修が必要
・訟廷管理官の話では第三者後見人の比率を挙げたい意向。
目標は40%
なぜなら
親族の財産侵害が増加している傾向。
市民後見人の増加にはネガティブでした。
私注:11/19名古屋市北区の市民後見センターに市民後見人になりたい、と申し込んだら10月の「広報なごや」を見て定員50名のところ80名の応募があったとか。社会貢献の機運は高まってきている。
上級の家庭裁判所には市民後見人のトラブルも寄せられているのかな。11/18の別の研修では講師の先輩行政書士から弁護士や司法書士に依頼しても断られるケースがある、といわれた。ビジネスとして美味しくない、からであろう。しかし先生は積極的に請けなさいとアドバイスされた。社会の要請だという。
訟廷管理官=各下級裁判所に置かれる。その下に配置された裁判所速記官の一般執務について指導監督し、かつ、首席書記官、知的財産高等裁判所首席書記官、上席主任書記官、主任書記官の命を受けて訟廷事務(裁判員調整官の置かれている地方裁判所にあつては裁判員及び補充裁判員の選任に関する訟廷事務を、速記管理官の置かれている地方裁判所にあつては速記に関する訟廷事務をそれぞれ除く。)をつかさどる。
・司法書士が先行しているが決して出遅れではない。今後知的障害は増加するから後見人は不足する。
・後見人損害保険加入を前提
善管注意義務を怠り、事故発生の場合の補償が必要
・NPO法人ではなく一般社団法人を設立
(非営利) (寄付行為)
・コンプライアンス体制の確立が重要
家裁からの要請 綱紀委員会があるかどうか
弁護士、司法書士でも問題がある
・業務は手探りが現状
研修・知っておきたい税制 ― 2010/11/18
ビデオ研修:講師は国税局から担当者を招いて行われた。
土地や建物を売ったときの税金、財産をもらったときの税金、財産を相続したときの税金についての制度や計算を学んだ。他にe-Taxの利用方法を説明された。
中でも相続とからむ農地の税制は複雑であると知った。先月学んだ事業承継(経済産業省)と同じく猶予税額の制度があると知った。これは農業相続人が死亡した場合、申告期限から20年を経過すれば納税が免除されるというもの。農地の分散を防止する狙いとみられる。
土地や建物を売ったときの税金、財産をもらったときの税金、財産を相続したときの税金についての制度や計算を学んだ。他にe-Taxの利用方法を説明された。
中でも相続とからむ農地の税制は複雑であると知った。先月学んだ事業承継(経済産業省)と同じく猶予税額の制度があると知った。これは農業相続人が死亡した場合、申告期限から20年を経過すれば納税が免除されるというもの。農地の分散を防止する狙いとみられる。
研修・事例に見る相続(遺言と遺産分割協議) ― 2010/11/18
中央支部研修:18:00~20:00 講師:磯村修司氏
・愛知会で月2回の無料相談会を立ち上げた。(現在は月1回)
・相談業務で力をつける
・相続案件には繊細な心で臨むこと。事務的には扱わないこと。
・依頼者は深い悲しみの只中にいる。相手の心を傷つけないこと。
・突然の相続のことで依頼者はまず無料相談にいくが結局何も進まないことを知って我々の事務所に来られる。
・どんなことに悩んでいるかできるだけ丁寧にまず聞く。
・悩みの解決方法をまとめて提案する。
行政書士としてできること。案内をする。見積もりを出す。一旦は帰っていただく。改めて相談があれば対応してあげる。
・公正証書遺言の例 財産目録作成 原案作成 承認
2名のうちの証人になる+遺言執行者になる
↓
公正証書遺言の作成
・民法903条3項 持戻免除の意思表示のこと
・証人の立場をわきまえて
死亡後 申立(保管者として) 行政書士の業務ではないから報酬は受け取れない 検認は司法書士の仕事
・遺留分は内容証明郵便で出す
・遺言書に「残余財産は妻に渡す」の一言が要る-中途半端な遺言書はトラブルの元
・成年後見も積極的にやる。家裁を知る。
事例として
ある自営業の40歳代の男性 脳梗塞で倒れる 妻はすぐ離婚 残された老母 家裁の依頼で後見人になる
もう一例
健常者の親族がいるが家裁から依頼 親族から預金通帳と印鑑など預かる 抵抗に遭う 親族から嫌われる 被後見人の死亡後の態度好転 感謝される
行政書士は大変な仕事だがやりがいがあるよ、とはこのことだろう。
・愛知会で月2回の無料相談会を立ち上げた。(現在は月1回)
・相談業務で力をつける
・相続案件には繊細な心で臨むこと。事務的には扱わないこと。
・依頼者は深い悲しみの只中にいる。相手の心を傷つけないこと。
・突然の相続のことで依頼者はまず無料相談にいくが結局何も進まないことを知って我々の事務所に来られる。
・どんなことに悩んでいるかできるだけ丁寧にまず聞く。
・悩みの解決方法をまとめて提案する。
行政書士としてできること。案内をする。見積もりを出す。一旦は帰っていただく。改めて相談があれば対応してあげる。
・公正証書遺言の例 財産目録作成 原案作成 承認
2名のうちの証人になる+遺言執行者になる
↓
公正証書遺言の作成
・民法903条3項 持戻免除の意思表示のこと
・証人の立場をわきまえて
死亡後 申立(保管者として) 行政書士の業務ではないから報酬は受け取れない 検認は司法書士の仕事
・遺留分は内容証明郵便で出す
・遺言書に「残余財産は妻に渡す」の一言が要る-中途半端な遺言書はトラブルの元
・成年後見も積極的にやる。家裁を知る。
事例として
ある自営業の40歳代の男性 脳梗塞で倒れる 妻はすぐ離婚 残された老母 家裁の依頼で後見人になる
もう一例
健常者の親族がいるが家裁から依頼 親族から預金通帳と印鑑など預かる 抵抗に遭う 親族から嫌われる 被後見人の死亡後の態度好転 感謝される
行政書士は大変な仕事だがやりがいがあるよ、とはこのことだろう。
研修・車庫証明について ― 2010/11/19
ビデオ研修 13:00~ 愛知県警の担当者を講師に招く
現代生活になくてはならない自動車。その保管場所は常に悩むところである。昔は路駐が当然のようにまかりとおっていたが今は厳格な申請とチエックが行われている。
その手続きの流れを説明された。この仕事は伝統的な行政書士の仕事のひとつである。時代の変化で事務の集中処理が行われる傾向がある。OSSという。
事務所としては単価の安い仕事なので多数受注して事務員を多数雇って効率よくやれば儲かるが一人の事務所では効率が悪い。しかし、個別の依頼があれば受注にやぶさかではない。
現代生活になくてはならない自動車。その保管場所は常に悩むところである。昔は路駐が当然のようにまかりとおっていたが今は厳格な申請とチエックが行われている。
その手続きの流れを説明された。この仕事は伝統的な行政書士の仕事のひとつである。時代の変化で事務の集中処理が行われる傾向がある。OSSという。
事務所としては単価の安い仕事なので多数受注して事務員を多数雇って効率よくやれば儲かるが一人の事務所では効率が悪い。しかし、個別の依頼があれば受注にやぶさかではない。
研修-職業倫理 ― 2010/11/20
新入会員ライブ研修 於:日行連渋谷からインターネット配信で
開講挨拶:中央研修所 所長 田宮 章氏(兼愛知会会長)
会長挨拶:日本行政書士連合会会長 北山 孝次氏
に始まり
1時限目 「職業倫理」 講師:弁護士 馬橋隆紀氏 早大OB
名前は初見だった。内容的にはごく常識的なことがらであった。特に弁護士の先生にわざわざお出でいただくものではない。想像するに日本行政書士連合会の上層部で問題になっている業際問題を意識して政治的な配慮で弁護士を立てたのかな、という気がした。行政書士の心がける倫理なら行政書士の大先輩がいるはずである。そういう人から教えを乞いたい。
そこで馬橋先生の名前をググって見たが自前のHPもブログはなくお考えは不明。WIKIもない。2チャンネルを探るとよく出ている。要するに隣接法律家の問題には冷淡な態度らしい。行政書士は伝統的に許認可が本筋だから本来意見や考えが合うはずもない。
8年前の平成14年に行政書士法の改正で弁護士と同じ権利義務、事実証明などが加わり、代理権まで付与されたことから仕事が競合することになった。まだ法律知識に未熟な行政書士が多いから「接木はできても竹は接げない」という論になるのだろう。即ち建設業の許認可で食べていた人が(弁護士がやっていた)相続までも扱うことは何たることか、というのだろう。この二つの仕事は法は法でも知識の根拠がまったく違うからだ。
行政書士に内在する倫理は業際というよりも資格の与え方がいい加減すぎるからだろう。特に公務員を17年以上経験すると無試験で資格をもらえる。ちなみに関西のある都市で公務員をやる従兄弟に「なぜ公務員上がりの行政書士は評判が悪いんだね」と聞くと「市民に対して常に与えてやる」という資質が問題らしい。「見とってわかるやろ」と言われた。
名古屋市の元市長だった松原氏、西尾氏の頃は「子(し)日(のたま)わく、民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむべし。之を知(し)らしむべからず。」の感覚だった。現在の河村市長になって一気に敷居がなくなった。多少市政が停滞しても今がいい。誰彼なしに市政に参加している。確かに、所属する山岳会の会長を交代して名古屋市の公務員OBが着任した。彼に追随したのは国家公務員、愛知県の公務員で脇を固めた。まず最初に着手した仕事は会の規約の変更であった。入会退会の手続きの書面作成やもろもろ。さすが公務員と感心した。同時に数名の会員が退会していった。人間ではなく地位に対する尊厳の念(=封建的)が強すぎるのだ。法治国家も所詮は虚構に過ぎないのだが。
憲法では公僕とまで謳われるが実態は市民に対する偉そうな態度が行政書士になってからでも抜けきれない。先輩の話ではこの故に愛知会にも依頼しても仕事をちゃんとしてくれないと、苦情が寄せられるとか。公務員経験者はビジネス感覚がずれているのだろう。件の名古屋市公務員OBも「(行政書士は)あんな下らない資格はない」と嘯いた。同僚の仕事ぶりを見聞しているのだろう。
実をいうと弁護士にも三百代言の悪口が知られている。規律の厳しい現在でもパラリーガル(法律補助事務員)に法律事務を任せて非弁行為をさせる事務所があるという。日弁連の某会長も非行で弁護士廃業を余儀なくされたことがあった。名古屋市職員だったK弁護士も罷免。法曹資格は回復したが弁護士会には復帰できないままだ。倫理の観点から言えばどの業界も同じである。
右顧左眄せずにわが道(倫)を歩みたいものだ。
開講挨拶:中央研修所 所長 田宮 章氏(兼愛知会会長)
会長挨拶:日本行政書士連合会会長 北山 孝次氏
に始まり
1時限目 「職業倫理」 講師:弁護士 馬橋隆紀氏 早大OB
名前は初見だった。内容的にはごく常識的なことがらであった。特に弁護士の先生にわざわざお出でいただくものではない。想像するに日本行政書士連合会の上層部で問題になっている業際問題を意識して政治的な配慮で弁護士を立てたのかな、という気がした。行政書士の心がける倫理なら行政書士の大先輩がいるはずである。そういう人から教えを乞いたい。
そこで馬橋先生の名前をググって見たが自前のHPもブログはなくお考えは不明。WIKIもない。2チャンネルを探るとよく出ている。要するに隣接法律家の問題には冷淡な態度らしい。行政書士は伝統的に許認可が本筋だから本来意見や考えが合うはずもない。
8年前の平成14年に行政書士法の改正で弁護士と同じ権利義務、事実証明などが加わり、代理権まで付与されたことから仕事が競合することになった。まだ法律知識に未熟な行政書士が多いから「接木はできても竹は接げない」という論になるのだろう。即ち建設業の許認可で食べていた人が(弁護士がやっていた)相続までも扱うことは何たることか、というのだろう。この二つの仕事は法は法でも知識の根拠がまったく違うからだ。
行政書士に内在する倫理は業際というよりも資格の与え方がいい加減すぎるからだろう。特に公務員を17年以上経験すると無試験で資格をもらえる。ちなみに関西のある都市で公務員をやる従兄弟に「なぜ公務員上がりの行政書士は評判が悪いんだね」と聞くと「市民に対して常に与えてやる」という資質が問題らしい。「見とってわかるやろ」と言われた。
名古屋市の元市長だった松原氏、西尾氏の頃は「子(し)日(のたま)わく、民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむべし。之を知(し)らしむべからず。」の感覚だった。現在の河村市長になって一気に敷居がなくなった。多少市政が停滞しても今がいい。誰彼なしに市政に参加している。確かに、所属する山岳会の会長を交代して名古屋市の公務員OBが着任した。彼に追随したのは国家公務員、愛知県の公務員で脇を固めた。まず最初に着手した仕事は会の規約の変更であった。入会退会の手続きの書面作成やもろもろ。さすが公務員と感心した。同時に数名の会員が退会していった。人間ではなく地位に対する尊厳の念(=封建的)が強すぎるのだ。法治国家も所詮は虚構に過ぎないのだが。
憲法では公僕とまで謳われるが実態は市民に対する偉そうな態度が行政書士になってからでも抜けきれない。先輩の話ではこの故に愛知会にも依頼しても仕事をちゃんとしてくれないと、苦情が寄せられるとか。公務員経験者はビジネス感覚がずれているのだろう。件の名古屋市公務員OBも「(行政書士は)あんな下らない資格はない」と嘯いた。同僚の仕事ぶりを見聞しているのだろう。
実をいうと弁護士にも三百代言の悪口が知られている。規律の厳しい現在でもパラリーガル(法律補助事務員)に法律事務を任せて非弁行為をさせる事務所があるという。日弁連の某会長も非行で弁護士廃業を余儀なくされたことがあった。名古屋市職員だったK弁護士も罷免。法曹資格は回復したが弁護士会には復帰できないままだ。倫理の観点から言えばどの業界も同じである。
右顧左眄せずにわが道(倫)を歩みたいものだ。
研修-要件事実・事実認定論概論 ― 2010/11/21
ライブ研修2次元目は講師:弁護士 川端基彦氏を迎えて表記の講義を受講。
内容証明郵便や契約書が実際の紛争になり、民事訴訟となったときどんな風に利用されるのか。そんなテーマで売買、消費貸借、賃貸借、物上請求権の4つの事例を挙げながら解説。
行政書士は訴訟にまで関与することはないが予防法務という観点から考えると不完全な契約書などの文書は役に立たない。事実認定の物証となるもので想像力を働かせて作成する必要がある。
内容証明郵便や契約書が実際の紛争になり、民事訴訟となったときどんな風に利用されるのか。そんなテーマで売買、消費貸借、賃貸借、物上請求権の4つの事例を挙げながら解説。
行政書士は訴訟にまで関与することはないが予防法務という観点から考えると不完全な契約書などの文書は役に立たない。事実認定の物証となるもので想像力を働かせて作成する必要がある。