オリンパスの損失隠しはのれん代?で会計操作2011/11/18

のれん代とは何か?

 のれん代とは各企業が持つ「ブランド」「ノウハウ」「顧客との関係」「従業員の能力」等、無形固定資産のこと。

企業が他社を買収する際にかかる金額には、買収する企業の純資産に加えてのれん代がかかるとされている。

つまり買収金額-買収される企業の純資産=のれん代と定義することができる。

 オリンパスの場合
購入した金融商品が値下がりで含み損を抱えた場合、海外の小会社などへ簿価以上で売却して損を計上しないように操作する。これが「飛ばし」というもの。「飛ばし」先の損失はどうするか。オリンパスの経営者が考えた方法は企業買収をして「のれん代」を計上することであった。以下に参考の記事。 
 
産経ニュースから

オリンパスの経営で最大の焦点となっているのが、資産として計上している買収企業の「のれん代」だ。企業買収では、実際の純資産に付加価値や将来の収益などを上乗せして買収金額を決め、上乗せ分を「のれん代」として計上することが認められている。

 通常は段階的に償却(損失として処理)していくが、買収企業の価値が毀損したり、買収価格が過大だと判断されると、監査法人から一括償却を求められるケースがある。

 オリンパスが計上している「のれん代」は今年6月末時点で1683億円に上る。自己資本などの純資産1510億円を上回っており、「極端に多い」(アナリスト)。菊川社長時代に積極的な企業買収を繰り返した結果だ。

***極端に多い、と指摘されるがこの矛盾に気づいた会計人はいたのだろうか。実はいたのである。但し、指摘した監査法人を解約して別の監査法人に変えていた。守秘義務の関係から漏れることは無かったと思われる。
 投資家の視点として監査法人の交代は要注意ということになる。

***会計の数字は仕掛品、在庫、のれん権、減価償却費など勘定科目によっては恣意性があるということも知っておきたい。上場企業はがんじがらめに縛られているようであるが経営者の意図で会計操作することも可能なのである。経理不正は公、官から個人、法人まで後を絶たない。最後は誠ということか。