『ZAITEN』1月号から特集「行政書士<代書屋の悲劇>」 ― 2011/11/30
「ZAITEN」という雑誌がある。財界展望社という出版社から出している財界事情専門の月刊誌だ。先月は司法書士の業界事情を特集していたが1月号は「行政書士「代書屋の悲劇」」という特集である。
これまでの行政書士像と余り違わないので目新しい情報はなかった。結論を行政書士は食えない士業として編集すればこんな記事になってしまう。独立開業の雑誌を読んでもどんな有望な分野でも成功間違いなしという記事はない。要するに世の中は甘くないと腹をくくれば知恵も出てくるのだ。
事例を見てみよう。
工作機械といえばオークマが超有名であるが設備投資の分野だけに景気不景気に拠る業績の浮沈が大きい。工作機械専業は強みであるが一方では泣き所である。
かつてはミシン専業だったブラザーミシンは戦後早くから多角経営に乗り出した。畦豆商法とかいったと思う。精密機械のミシンの技術から編み機が生まれた。その後は楽器、電化製品へと拡大していった。楽器からカラオケの事業が育っている。ミシンや電化製品の電子化技術はSOに焦点を絞ったコピー&ファクスなどに生かされた。今もここにブラザーありと存在感を見出している。ミシンだけなら倒産していただろう。
私の事務所には36年前の小型冷蔵庫と昨年買ったコピー&ファクス機が同居している。共にブラザー製品であることに感慨に浸る。
ブラザーの例に学べば何かに特化するにしても強みが生きる分野は手がけることである。関連することが多ければ尚更である。
ラーメンとギョウザの小さな店でも考え一つで成功する。ラーメンを湯がいているうちに冷凍ギョウザを蒸し器にいれて解凍すると生産性も高まる。どちらも単価が安いので生産性を高めないと儲からない。
何でもありの中華料理の店でも過大投資、顧客層選別、店舗の位置、値決めなどを間違えると廃業に追い込まれる。事実近くの中華料理の店はいつしか廃業してしまった。
しかし、中華料理が嫌われたわけではない。登山の帰りに寄る中華料理の店は3店以上あるがみな本場の中国人の店で安い、旨い、量も多いときていつも繁盛している。桑名の店はきれいに改装した。中華料理は家族連れで来ることが多い。だから駐車場を十分確保することが重要だ。廃業した都会の店はそこが弱点になったのだろう。
友人のいとこは和食旅館を開業した。親の財産を抵当に入れて資金作り。しかし、見事に失敗し破産。今は小さな和食料理店に活路を見出している。借金してまで開業するものではない。
言わば、地域性を考慮して身の丈に合った投資、能力、人間関係が成功の秘訣だろう。
友人の元銀行員の息子さんも司法書士を開業したが住宅ブームの頃は儲かったそうだ。しかし、近年のデフレ不況でローンを組んでまで家を購入する人は激減し、登記の代理だけでは苦しいという。もともと団塊の世代がもたらした住宅ブームでありバブルだったのである。
一つの事業は30年が寿命といいます。だから常に開発、営業が優先されます。いつまでも同じものでは飽きられるから飯の種を考えるわけです。元をとるために長く使い続ければ陳腐化し、新製品、価格競争に負けるのです。
山種証券の創業者・山崎種二の有名な言葉に働き一両考え五両というのがあります。人に使われるなら1両しかないが自分の考えなら5両儲かるというのです。当然リスクを負いますが・・・。
事業には運もあります。川上哲治は運も実力の内といいます。運を運ぶから幸運というわけです。じっと待っていても黙っていても運は授からないというわけです。いつも勝つにはどうするかを考えていたんでしょう。
閑話休題。難関の試験をパスし、高度な資格だから食えるという時代ではなくなった。そのことが分かればこの特集を読む意義はある。
これまでの行政書士像と余り違わないので目新しい情報はなかった。結論を行政書士は食えない士業として編集すればこんな記事になってしまう。独立開業の雑誌を読んでもどんな有望な分野でも成功間違いなしという記事はない。要するに世の中は甘くないと腹をくくれば知恵も出てくるのだ。
事例を見てみよう。
工作機械といえばオークマが超有名であるが設備投資の分野だけに景気不景気に拠る業績の浮沈が大きい。工作機械専業は強みであるが一方では泣き所である。
かつてはミシン専業だったブラザーミシンは戦後早くから多角経営に乗り出した。畦豆商法とかいったと思う。精密機械のミシンの技術から編み機が生まれた。その後は楽器、電化製品へと拡大していった。楽器からカラオケの事業が育っている。ミシンや電化製品の電子化技術はSOに焦点を絞ったコピー&ファクスなどに生かされた。今もここにブラザーありと存在感を見出している。ミシンだけなら倒産していただろう。
私の事務所には36年前の小型冷蔵庫と昨年買ったコピー&ファクス機が同居している。共にブラザー製品であることに感慨に浸る。
ブラザーの例に学べば何かに特化するにしても強みが生きる分野は手がけることである。関連することが多ければ尚更である。
ラーメンとギョウザの小さな店でも考え一つで成功する。ラーメンを湯がいているうちに冷凍ギョウザを蒸し器にいれて解凍すると生産性も高まる。どちらも単価が安いので生産性を高めないと儲からない。
何でもありの中華料理の店でも過大投資、顧客層選別、店舗の位置、値決めなどを間違えると廃業に追い込まれる。事実近くの中華料理の店はいつしか廃業してしまった。
しかし、中華料理が嫌われたわけではない。登山の帰りに寄る中華料理の店は3店以上あるがみな本場の中国人の店で安い、旨い、量も多いときていつも繁盛している。桑名の店はきれいに改装した。中華料理は家族連れで来ることが多い。だから駐車場を十分確保することが重要だ。廃業した都会の店はそこが弱点になったのだろう。
友人のいとこは和食旅館を開業した。親の財産を抵当に入れて資金作り。しかし、見事に失敗し破産。今は小さな和食料理店に活路を見出している。借金してまで開業するものではない。
言わば、地域性を考慮して身の丈に合った投資、能力、人間関係が成功の秘訣だろう。
友人の元銀行員の息子さんも司法書士を開業したが住宅ブームの頃は儲かったそうだ。しかし、近年のデフレ不況でローンを組んでまで家を購入する人は激減し、登記の代理だけでは苦しいという。もともと団塊の世代がもたらした住宅ブームでありバブルだったのである。
一つの事業は30年が寿命といいます。だから常に開発、営業が優先されます。いつまでも同じものでは飽きられるから飯の種を考えるわけです。元をとるために長く使い続ければ陳腐化し、新製品、価格競争に負けるのです。
山種証券の創業者・山崎種二の有名な言葉に働き一両考え五両というのがあります。人に使われるなら1両しかないが自分の考えなら5両儲かるというのです。当然リスクを負いますが・・・。
事業には運もあります。川上哲治は運も実力の内といいます。運を運ぶから幸運というわけです。じっと待っていても黙っていても運は授からないというわけです。いつも勝つにはどうするかを考えていたんでしょう。
閑話休題。難関の試験をパスし、高度な資格だから食えるという時代ではなくなった。そのことが分かればこの特集を読む意義はある。