不当要求防止責任者講習会2013/01/11

 事務所の郵便受けにゆうメールがある。開封すると愛知会からの「不当要求防止責任者講習会」開催の案内だった。義務がありそうでなさそうで分からない。ちょっと検索すると・・・。
Q.
 Aさんは、とある繁華街で喫茶店を始めることにしました。Aさんは知人から、暴力団排除条例ができたので事業者は必ず不当要求防止責任者を選任しなければならなくなったと言われました。さて、Aさんは不当要求防止責任者を必ず選任しなければならないでしょうか。

1.選任しなければならない
2.選任しなくてもよい
A.
正解(2) 選任しなくてもよい
 暴力団対策法14条には、「公安委員会は、事業者(省略)に対し、不当要求(省略)による被害を防止するために必要な、責任者(当該事業に係る業務の実施を統括管理する者であって、不当要求による事業者及び使用人等の被害を防止するために必要な業務を行う者をいう。)の選任、不当要求に応対する使用人等の対応方法についての指導その他の措置が有効に行われるようにするため、資料の提供、助言その他必要な援助を行うものとする。」としているだけで、事業者に対して不当要求防止責任者を選任することを義務付けているわけではありません。
 また、この選任が各都道府県の暴力団排除条例によって義務化されるということもありません。
 したがって、Aさんには不当要求防止責任者を選任する法的義務はありません。
以上
というわけで義務はない。受講して看板(2000円)を購入し、店や会社の玄関に掲げておけば暴力団が恐れて引き返すなら安い対策費になる。がそうはうまくないだろう。
この法律自体は余り力になってくれそうにないが、情報を共有しておくことは重要であろう。だから受講するにこしたことはない。

「調査マンのインテリジェンス経営論」というサイトを転載すると

November 17, 2007
不当要求防止責任者講習
先日、警視庁の不当要求責任者講習に行ってきました。

不当要求防止責任者とは・・・。簡単に言うと、暴力団対策法に定められた不当要求による被害防止の企業内担当者のことです。

当社では、
・取引相手が信用に値するかどうか?
・反社会的勢力とのつながりがないか?
と言ったことを調べる信用調査を行っています。時に、調査対象企業が「これは・・・。」などという事もあります。安全第一なので、明らかにそれと分かる場合は、深入りしない・関わらないのが原則。
でも、表の顔は良くても、行ってみて「ちょっと変だなぁ」と言うことがあります。ある程度、場数を踏んでいると、その空気感が察知できるようになるのですが、年々”隠れ蓑”が巧妙化しているように感じます。
そういう意味では、これら公共機関からマメに情報をもらっておくことも必要と感じました。

ただ、我々は業種的に、あまり直接対峙したり交渉するということはあまりありません。一番シビアなのは企業の総務担当者や店舗の責任者と言った方々ですね。
そういう部署の方で、まだ責任者選任をされていない企業様があれば、是非早めの受講をお奨めします。

不当要求を行う組織
不当要求は、普通の個人が行うケースもありますが(俗に言うクレーマー)、反社会的組織勢力が金銭目当てに行う場合が多いようです。
反社会的組織勢力とは
・指定暴力団(全国21団体)構成員と準構成員(平成18年末全国84,700人)
・経済ヤクザ(共棲者)
・社会活動標榜団体(政治結社・組合活動・部落解放などのエセ行為)
・宗教団体(カルト)
我々は、これらを「セクト」と呼んでいますが、その活動をしている人達個人を見ていると、皆が「見るからに・・」と言う感じではありません。
経済ヤクザには、一見非常に紳士的・知能的なインテリ風な人もいます(詐欺なども同じ)し、社会活動系やカルト系の人達は、独特な正義感に洗脳されて踊らされているようなこともあります。
本人達に、エセとかカルトという意識はなく、真面目な経済活動・政治活動・組合活動・部落開放活動・宗教活動をしている意識なのに、傍から見ると反社会的行為・・・。
「正しい事」と言うのは、人によって感じ方が違うのですね。
だから、それらの人を特別視しないと言うか、先入観を持たないで観ることは大切なことですが、セクトの動向や性質を客観的に知っておく事は大切です。

反社会的勢力との対応の基本
暴追都民センターの発行するパンフレットによると、対応の基本は以下のようなものです。
1、平素の心構えと準備
・トップの毅然とした対応方針
・組織的対応体制の整備
・被害を受けない環境作り
・警察・暴追センター等への連絡及び相談
2、対応の基本的心構え
・恐れず毅然とした態度
・法律・社会のルールにのっとった解決
・冷静にして、根気強い対応
【具体的な対応要領】
1、有利な場所で対応
2、複数で対応
3、相手の確認
4、要件・要求の把握
5、用件に見合った応対時間
6、慎重な言葉の選択
7、妥協せず、筋を通す
8、詫び状などの書類作成は拒否
9、対応内容の記録化
10、早めの警察通報と暴追都民センターなどへの相談

相手は脅しと交渉・論争のプロですから、咄嗟に最良の対応が出来るか?
と言うと難しいかもしれません。イザという時にあわてない、意識と体制作りをしておきたいですね。
以上
 かなり昔の話。勤務先では大量のコンピューター用紙、コピー用紙を消費するので、コスト重視で購入していた。ところが、別会社からある事務用品屋を紹介されて採用してみたが、高かった。それで高いから、と断わったら、男が来て、凄まれたことがあった。「ライバルより安くすりゃ買ってやる」と応戦した。嫌味を言いながら退出していった。どうせ倒産した会社に乗り込んで在庫を現金で買い叩く「バッタ品」だから安定的継続的に供給は難しい。
 その上司にあたる紹介者に「あれは何者か」、と問うと、俺のだち公という。古い友人らしいが暴力団の筋らしかった。頼まれて嫌々会社を紹介したのだろう。それなら益々購入などできない。彼等は情実に訴えて関係を結びたがる。古い友人が会社で役に付いたことを知って、それなら「おい、俺の事務用品を買ってくれ」と迫る。断わりきれずに部下に買ってやれ、と指示したのだろう。これがいわゆる不当要求になろう。結局、上層部の知るところとなり、締め出した。後年、上司も別件で事実上の解雇となった。
 私は若い頃、やくざがたむろする会社に居て、やくざをよく観察できる環境があった。威嚇、脅し、そればかりではないく、<やくざの方が>下手にでて<油断させて>、相手をしっかり探る、社会から見向きもされないコンプレックスの塊のようなチンピラでも拾って可愛がる。親の愛を受けられない子は可愛がられると親分のためならと、鉄砲玉になる覚悟までしてしまう。やくざは人間の本質を実によく理解し、知っている。泣きを入れたり、笑わせたり巧みなこと。話だけのレベルなら義理と人情の世界である。

 普通の人は身内でも親しい人でも簡単に裏切る。義理を重んじると自己犠牲が付いて回る。政治家ほどではないが、離合集散は人の世の習い。世渡りは辛いものだ。だからみな孤独、孤立を避け、親密を求める。そこが弱み、ということである。

 上のサイトの文にあるように「反社会的勢力との対応の基本」に掲げられた条文一つ一つが大切である。

 ちょっとした情実を見せると相手に弱みを握られることになる。一度握られるとしゃぶりつくすまでしゃぶられる。これは暴力団だけではなく外交でも同じではないか。

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