社会福祉士の罪2018/12/29

ソース:https://www.saga-s.co.jp/articles/-/211019

 後見人制度は、認知症や知的障害などで意思決定能力が十分でない人に代わって、それを補い、その人の日常生活や取引を補佐、保護する重要な福祉と言えようか。
 権限として預貯金の解約や財産の売却、相続手続きなどが認められている
◆後見人制度に限らず、今あるいろんな制度、すべてそれは「信頼」が前提で成り立っている。信頼がなければ運用はとてもおぼつかない。社会福祉士という「資格」もまた同じである。難関の国家試験を突破した専門職としての自信と誇りは、社会の信頼を併せ持ったものでなければならない
◆世の中、良からぬ悪事をたくらむ者、いろいろいるだろうが、「佐賀県社会福祉士会」所属の男性社会福祉士が犯した多額の着服事件は、何とも残念で腹立たしい。「法人後見」という立場で、知的障害や認知症のある5人の預貯金口座から着服を繰り返していた
◆福祉の現場で、あってはならない事件である。チェック体制の甘さ、監督責任を指摘される同会では、預かり通帳などの管理システムを見直しているようだが、制度の根幹を揺るがす深刻な事件だと言ってもいい
◆いろんな事情を抱え、「この制度があるから…」と心頼みにしていた人たち。今回の事件発覚で、何を信じたら良いのか、落胆と怒りの声が同時に聞こえてくる。裏切った罪は重い。(賢)

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