朝日新聞の「声」から”成年後見人はしっかりして”2011/08/21

 8/20付け朝日新聞朝刊の「声」はいつも目を通す。今日は若い世代が特設されている。目を引いたのは「成年後見人はしっかりして」の見出しだった。ドキッとする。
 投稿者は名古屋市のS君で13歳の中学生。自宅の曾祖母が寝たきりで家人の世話になっており、S君がお金の管理について母に聞いたらしい。母曰く、ある弁護士が地位を悪用してお金を騙し取った事件のことも教えた。
 S君の反応はきわめて素直で「許せない行為」であり同業の弁護士の信用もなくすと感じている。そして成年後見人になった人たちには、人が年を取っても最後まで安心して生きられる手助けをして欲しいと思います、と結んでいる。
 われわれ行政書士の成年後見制度の研修においても一に倫理、二に倫理、三に業務知識ということで倫理に重点が置かれた。猫に鰹節という俚諺の通り、認知症の高齢者の多額の財産に目がくらんで横領に及ぶ人が跡を絶たないことが背景にあるようである。元々親族による財産侵害が目に余るので専門職へ信頼から依頼することが広まってきたのだろう。その期待を裏切った事件はショッキングだった。
 関係者は親族を最多として法律専門職、市民後見人など多々あるが防止の決め手はないので報告、連絡、相談の徹底しかないだろう。
 故郷をでて愛知県に就職するときに母方の祖父が「天知る地知る我が知る」と教えてくれた。「他人のカネに手を出すな」ということだ。  
 今、親の意見と茄子の花には一つの仇もない。或いは親の意見と冷酒は後で効く、ということを噛み締める。

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