日経平均暴騰、大相場に発展か!?2013/03/08

WEB版ロイターから。
〔株式マーケットアイ〕
 <16:30> 日経平均・日足は「中陽線」、節目を抜いて騰勢加速

 日経平均の日足は、高値引けの「中陽線」。終値で心理的な節目の1万2000円を明確に上抜いただけでなく、需給面での節目となるオプション権利行使価格の1万2250円も超え騰勢が加速した。ボリンジャーバンド(25日平均)では、日足がプラス2シグマ(1万2019円03銭=8日)を上回るボラティリティブレイクアウトの順張りパターンを継続している。過熱感は否めないが強気トレンドを揺るがすシグナルはみられない。昨年11月中旬以降の上昇相場では25日移動平均線(1万1460円74銭=同)に一度もタッチすることなく、上昇トレンドを継続している。少なくとも同線を割り込むまで下値不安は乏しい。当面の上値は、2007年3月高値(1万8300円39銭)から2008年10月安値(6994円90銭)までの下げ幅の半値戻しにあたる1万2647円64銭がメドになる。
 週足は短い下ヒゲを伴う「大陽線」。実体部分が5%を超える強い足であり、中期的な上昇トレンドの継続を確認できた。5週移動平均線(1万1520円59銭)がサポートラインとして機能しているうちは大崩れの不安はないが、13週移動平均線(1万0938円21銭)とのかい離が10%を超え、短期的な過熱感は強くなっている。
以上

 この強さは何だろう。昨年11/15に始まったアベノミクス相場はついに12000円を突破した。アメリカの相場格言に「大相場は悲観の内に生まれ、懐疑とともに育ち、楽観の内に果てる」というのがある。今はまさに「日本は、少子高齢化で見切りだ、円高だ、これからは海外だ、国内じゃダメだ」の総悲観から抜け出したところである。
 政治家の考え方ひとつでこうも変わるものか。
 懐疑とは円安のことで、今は95円であるが、それが100円を突破して初めて円安の水準になる。これ以上の円安は貿易関係国のマイナスが大きくなる。今でも中国、韓国とも日本批判がかしましい。この時点で一旦は株価も調整されるだろう。
 それに物価がもう上がってきた。ガソリンだけでない、豆腐も味噌も醤油も食用油など生活に欠かせない食品の原料の大豆は輸入だということを改めて考える。政府は賃上げでカバーしてよ、と経団連にメッセージを送るが、良い回答はない。賃上げは後回しにして、失業者の雇用を優先するのがリフレ政策のキモ。
 リフレ政策の道筋をうまく低収入の国民に説明しないと、参院選でどうなるやら。
 とりあえず、3/31には中小企業向けの金融円滑化法が終了する。これで倒産が増加すると見込まれている。元々は11年3月で終わるところを2回延長された。経済界の掟として「2度はない」はずであるが、民主党政権の政治的な思惑だろう。
 20代のころ、思いがけない会社の倒産に際して、勤務先の役員から「西山君、景気が回復するときはなあ、銀行はそれまでの不良債権を切るんだよ」と教えられた。
 つまり、2014年以降の景気回復のために今、収益力が無く、したがって返済能力もない、いざというときに売れる資産もない、資金繰りの悪い会社は倒産させるのである。そして、資金をこれから発展しそうな会社に振り向ける。資本主義社会ではカネの続かない会社、時代に適合できない会社は淘汰されるのである。
 リフレ政策のキモはまず、雇用の回復にあり。その上で賃上げすれば需要が生まれる。失業者が職を得て収入の恒久性を自覚すれば消費に向かう。今、職にある人は賃上げしても、資産を持っていても、いつかは解雇される疑念があり、カネを貯める方にむかう。雇用されれば、生活保護費も減る。そして10%の消費増税が効いて来る。
 株価の回復は参院選以降の景気回復を織り込み始めたかもしれない。