信託はユズリハ型相続2016/09/25

 ブログ「ゑれきてる」のユズリハを読むと「ユズリハは正月の縁起植物で、ウラジロやダイダイとともに正月のしめ飾り、床飾りや鏡餅の飾りにする習慣が古くからある。新葉と旧葉が互いに譲り合って交替するさまを、新旧交代、子の成長に従い親から子へと世代を譲ることにたとえ、子孫繁栄、新春を寿ぐにふさわしいめでたい木(縁起木)とされた。」とある。その通り、俳句歳時記でも春ではなく、新年の季語に入る。

 依頼人から電話があった。これで登記が完了する見込み。いろいろ考え直すと、過去の相談者にも信託を勧めたことはあるが乗り気ではなかった。今の依頼人も遺言書に乗り気ではない。結局、自分の死をもって断続する資産の継承に不安がある点が共通心理である。するともう少し丁寧に具体的に家族信託なるものを説明してみようと思う。前例が少ないから疑心暗鬼だが信託なら継続的な相続になる。ユズリハは新しい葉が生えてから古い葉が落ちる。例えてユズリハ型相続と言える。つまり委託者は不動産の名義を受託者たる子に書き換えて後に死ぬ。生きている間は受益者である。只、専門家でさえ仕組みの理解に不慣れであり、いわんや家族の受託者においておや。