白人と結婚するのは止しなさい-『サンデルよ、「正義」を教えよう』から2011/09/07

 表題は高山正之『サンデルよ、「正義」を教えよう』(新潮社 2011.8.20)の中の第三章 恥を知らない人々 にある見出しである。
 高山正之氏(1942~)は元産経新聞記者で海外特派員の経験が長い。週刊新潮のコラムや月刊誌でたまに執筆論文を読んだことはあったが朝日新聞を標的にした論調はかえって朝日新聞の優位性を促すようで受け入れがたい印象の書き手だった。
 同じく先輩の司馬遼太郎も産経新聞OBだったと思うが作家になって週刊朝日の紀行もので親しみを覚えたものだ。その司馬さんもまな板に挙げて批評している箇所がある。
 世界を相手に戦ってきたスケールの大きい記者体験が日本よ、日本人よしっかりせよと、叫んでいる本にも思える。
 岡崎市出身の志賀重昻(1863~1927)は世界的な地理学者として活躍した。あるサイトからちょいと引用すると志賀重昻は「大正11年(1922)、チリのアンデス山脈の谷間で石油採掘の現場を目の当たりにし、「油の供給の豊富なる国家は光り栄え、油の無き国家は自然に消滅する。油断大敵どころか油断国断だ!」と看破している。」油断大敵という言葉は彼の造語と思っていたがそうではなさそう。
 世界を広く、深く見聞すると、しかも植民地の実情を目の当たりにするとこれは危ないぞと危機意識を抱くのだろう。高山氏にしても体を張っての取材から世界の本質が見えるようになったのだ。

 表題は世間(世界)知らずの優秀な日本人女性の白人男性との結婚願望に警鐘を鳴らす。女性特有の驕りもあって、自分は白人男性と結婚したと、ブランンディング(泊付け)した積もり。しかし、期待した生活にはならず、夢破れ、已む無く離婚し、子供を連れて日本の親元へ帰国する。
 しかし、元夫はそこへも執拗に追いかけてきて子供を取り戻そうとする。それが「ハーグ条約」という網だった。日本は批准していないが外国を従わせようとするアメリカを始めとする白人国に都合のいい条約だった。
 白人なら誰でも良いと結婚したわけではないだろう。日本の男性同様玉石混交である。結局は人を見る目が無かった。良縁を得るのは中々難しい。
 しかし、この記事の日本人女性は無事子供を取り戻している。米人男性が日本国籍を取得し、重婚の疑いもあったと結ぶ。ワルに引っかかったのである。
ハーグ条約は

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%A5%AA%E5%8F%96%E3%81%AE%E6%B0%91%E4%BA%8B%E9%9D%A2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84

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