法務相談2011/09/12

 10:00から12:00まで予約していた相談者が訪問、相談を受ける。60歳代の女性である。夫は会社経営に専心、別会社の財務担当の経営者として、妻、母として多忙な女の人生を送ってきた。会社経営三昧の夫は独断で経営し、家庭を顧みず、つまらない。離婚を決意したもののその手続きは?というもの。夫との間に合意があり、協議離婚になれば書類作成に話を進めていけるがもったいない気がする。
 整理すると
①夫は新規事業への投資を繰り返し、損失が多いというがそもそも投資で簡単に儲かるものではない。ある程度のところで見切りをつけている。金力があれば儲かるまでやるのが投資。オレンジ共済とか、豊田商事、平成電電など騙されて投資しているわけではない。
②浮気など妻(相談者)に対して不実を働いたことはない。ましてDVの話もでなかった。
③経済的には裕福な生活だった。
④現在は取締役を退任して、パートの待遇で自社の事務をするが給料は30万円と非常識な金額で世間の実態を反映していない。せいぜい半分以下。そもそも仕事があるかどうか不明。
⑤義母から贈与された不動産には会社の銀行借り入れの抵当権が付いている。
⑥離婚の条件が整うには経済的に回復して、社業がうまくいき、借金を返済して抵当権を抹消してもらう。万一自社が倒産すれば取締役の責任を追及される可能性がある。
 聞き漏らしたが自社の金銭消費貸借契約書などに連帯保証人の判子をついていないかどうか。
 結局、現状で離婚に踏み切るには時期尚早ではないか。頭を冷やすようにアドバイスした。
 この相談者の場合、普通の主婦ではなく、経営者の側面があり、問題を複雑化する。自分の権利義務を清算し、すっきりすることが第一条件であろう。
 夫の新規事業が成功し、めでたい時に再び離婚の話を持ち出せるかどうか。本当に自分の意思だったのかどうか。中小企業は良い後継者を得られず、廃業、多くは自己破産が増えていることも示唆しておいた。

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