契約書の作り方ー研修2010/10/21

 今回は2回目で契約書の読み方に続く作り方がテーマ。講師は同じ小坂氏。今回も昨年同時期のライブ研修のビデオ録画を再生。

 小坂氏は創業支援の仕事にも携わり大変多忙らしい。週に30社から40社のペースで相談に乗るとか。開業したばかりでは契約書にハンコをついていいものか迷うので依頼者が多いようだ。先ほど予防法務という言葉も聞かれたがその通り文書で保険を掛けることになる。それだけにリスクが高く責任が重いしごとである。

 曖昧な立場が負けるのできちんと交渉してほしい、とアドバイス。

 結局は事前の相談と打ち合わせに十分な時間をかけることで依頼者の本音、ネライ、合意を徹底して聞き出すことになる。力関係で自社に有利なことを強調しては取引そのものが破談になる。だから妥協も必要という。双方が納得する内容を吟味して作ることになる。こうして1~2週間を要するという。疲れる仕事だ、とも言われた。

 骨格となるひな型の選定はそれからのこと。そのままでは絶対だめで適用法のチエックが必要だ。そして条文を修正する。予めお客の苦情をメモしてあればそれをフィードバックする。このうようにかなりカスタマイズして使うのがひな型の宿命なのだ。また他社の契約書も模範に利用してはいけないよ、とアドバイスされた。

 そして36条のチエックシートでチエックする。続いて形式的チエックだ。チエックの依頼を受けてお客の契約書を見ると重複が度々見られるという。ひな型を採用し、また別のひな型からもコピペした跡が見られるということらしい。

 次は「法令データ提供システム」で法律名のチエックだ。「e-Gov(イーガブ)は総務省が運営する総合的な行政ポータルサイトです」とあるように調査に便利な糸口を探すには便利だ。

 http://www.e-gov.go.jp/

これは初見だ。早速コピーしておこう。

 次はダブルチエックに入るが単独でやる場合は小坂氏は一晩おいてからまたチエックするという。この段階まで進んだらプリントアウトする。
そして依頼者に提示する。最終的な修正を加えて完成する。

 細部に渡る表現として3日(みっか)とあれば3営業日と書き直すことも言われた。

 ある事例として代理店契約に関わったが顔の見えない相手だったから印鑑証明を求めたら送って来なかった。この人物は代表ではなかったこと、上役の承認も得ていなかったことが後で分かった。本人確認の重要性を再確認された。実態があるかどうかは印鑑証明にような公的な証拠書類が欠かせないのである。変な取引をせずに済んだ。
 この後も36条項のチエックを重ねる。そして納品になる。