IT事始め③2011/06/04

        オフコンからPCへ
 そして98年、IBMのパソコンにOS2をインストールしてオフコンのソフトを搭載することになった。過渡期の方法だが現在まで利用されている。このマシンにしてからFDが小型になった。ハードもソフトも日進月歩で改良されてきた。価格はPCが30万円と格段に安くなった。しかし、プリンターはドット式で100万円近くはした。何よりソフト代がべらぼうな価格に跳ね上がった。メーカーはハードで利益を得られなくなり、多くは撤退していった。ソフトで稼ぐ構造に変換したのだった。
 そして依然として無くならない入力ミス撲滅に取り組んだ。社長命令で100%ミスをゼロにして正しい在庫情報をという。
       ソフトの知恵
 今まで別々のマシンのデータを一つに集めてチエックリストをプリントアウトして2人でデータチエックしたやり方を止めて個々に独立して入力し、FDにコピーしてメインのマシンで照合するというシステムのソフトを作ってもらった。ミスだけをプリントアウトしてミスしたマシンのみ訂正する。合うまで繰り返す。わずか1分もかからない。
 このソフトは半信半疑で使い始めたが若干の改善をしただけで見事にミスをなくすことに成功した。入力ミスは無くならないがチエック漏れをなくすという考え方である。
 人間の頭はみな違う。2人が同じ原始伝票を入力して同じ箇所を間違うことはない。あれば伝票が問題である。
        コロンブスの卵
 この成果の波及効果は大変大きかった。外部からの在庫の問い合わせにも自信をもって回答できる。仕入金額も自社のデータに絶対的の信頼が置かれるようになった。決算書も正しい在庫金額が反映されることになった。何度も繰り返したペーパーチエックを省いてしまった。時間ばかりか紙も節約になったのだ。
 経営者は時に無理難題を吹っかけるべきだと思ったものだ。100%ではなく99.9%ならこうはならなかった。働き一両、考え五両という。昔の言葉は今も生きている。単なる労働より考えて働くことの大切なことを学んだ。

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