日本人よ、もっと怒れ!?2013/07/02

WEB版産経新聞から
【異論暴論】
正論8月号 「大人の対応」より、もっと怒れ! 保守政治家よ、今こそ火中の栗を拾え
2013.7.2 07:39 [月刊正論]
 歴史認識問題をめぐり、最近の保守政治家の言動が萎縮していると感じる人は少なくないだろう。河野談話と村山談話の見直しに意欲的だった安倍政権も、今やすっかりトーンダウンしてしまった。橋下徹大阪市長の慰安婦発言に対しても、「もっと冷静になれ」「政治家は口を出すな」といった批判が、むしろ保守派から相次いでいる。

 こうした中、日本維新の会の山田宏衆議院議員が「今、日本人に必要なのは、冷静さではなく怒りである」とし、次のように訴えている。

 「(慰安婦問題などで)実態と懸け離れた不当なプロパガンダによって、自国の名誉が汚されようとしているのだ。大義を信じて戦陣に散った英霊たちが、卑劣なレイプ魔にされようとしているのだ。地団駄を踏んで悔しがっても良いではないか。拳で机をがんがん叩いて反論しても良いではないか。父祖が辱められているとき、我を忘れて激高することが、そんなにいけないことなのか」

 日本はこれまで、「大人の対応」を繰り返してきた。それでよかったのか、考えさせる論文だ。(川瀬弘至)
以上

 日本の政治家で怒っているのは石原慎太郎議員くらいだろう。カネに不自由せず、企業に阿る必要がない。大抵の政治家は企業から献金を受ける。日本共産党以外はみな企業や支持団体の利益を慮っている。だから、自由に発言せず、「大人の対応」にならざるを得ない。

 前にも随所に書いているが、友人が立山登山で偶然、同行した韓国人の登山客から、日本の自然を礼賛する話から政治の話に及んで、「日本人はもっと怒るべき」、云々と議論になったそうだ。友人の夫は某地方都市の市議で、社民党所属というから、日本を貶めている村山元首相、福島瑞穂議員の同士である。

 村山氏らは大人の対応で、アジア諸国に謝罪をしてきた。

同紙にも
「村山元首相が訴え「談話を見直せば日本は孤立する」
2013.7.2 09:33 [歴史認識]
 村山富市元首相は1日、憲法改正に反対する集会で講演した。

 村山氏は、過去の「植民地支配」と「侵略」を認めた平成7年の村山談話について「談話を見直せば昔の日本に返ることになりかねない。国際社会の中で日本は孤立する」と訴えた。」と報じられた。

 村山氏といい、鳩山氏といい、元総理級の重大発言に、益々、混迷の度合いを深める日本政治である。

 国際社会の中で孤立するのは中国ではないか。東アジア共同体構想は壮大であるが、各国の文化の土壌が違うから、何でも仲良くし、一緒にやるには無理が多いと思う。

 欧州にも混沌(カオス)という言葉がある。大陸におけるキリスト教社会の中の混沌であろうか。アジアは海で隔たれた弱小国家の集合である。一つにまとまれたことはなかった。程ほどに孤立するが良いと思う。

 怒るには多大なエネルギーが要る。休火山のようにいつしか噴火する時が来るまでは溜めておく。眠れる獅子といわれた清国に挑んで勝利したように、今日、再び、中国と対峙する時代になった。しかし、中国の民衆は覚めている。怒る対象は中共政権である。

 自滅を待つことも戦略であろう。静かな怒りを秘めてときを待つ。

 誰か、論語は待つことと喝破された。その一節を引くと
「「学而第一――十六」の中に「子曰く、人の己を知らざるを患(うれ)えず、人を知らざるを患(うれ)うなり」とあった。分り易く意訳すれば「自分が社会的に認められていないことを嘆くな。自分が人の取り柄を見付ける能力が乏しいことを憂えろ」ということだ。そして或る日本人学者はこれを「人生とは八割以上が待つことである」と超訳している。

 今西錦司氏も言われた。日本人は変わるときが来たらみな一斉に変わるんだ、と。劇的に誕生した安倍政権がいい例だ。変わるときまでマグマ(怒り)を溜めて待つ。