経理業務の初仕事2011/06/01

 同じ会社で経理業務の経験を積みました。知識面でも全商簿記検定1級、日商簿記検定2級とステップアップしていきました。
 帳簿記入だけではなく、手形、小切手の発行、決済時の資金調達、手形割引、手形担保借入、証書借入、信用保証協会の保証による借入等の財務も任されました。
 この時銀行への自社発行の手形の受渡しでミスがあり、経営者を驚かせたことがありました。銀行の機転で問い合わせがありミスは表面化しませんでしたがこの反省で手形の無因証券性という性質を学びました。丁度大学で手形法小切手法の集中講義があったのです。
 手形は商売の決済手段という常識的な利用以外に貸付の際に担保として差入れることがあります。
 コトバンクにはこう説明されています。「証券上の権利が証券の発行行為によって発生し、その行為の原因となった法律関係には影響を受けない有価証券。手形・小切手など。不要因証券。⇔要因証券。」本当は渡さなくて良いものを間違って渡してしまったのでした。相手がワルだとぱくられるところでした。
 昼間は会社で実務をこなし、夜は大学で実務に即した理論と知識を学んだ。この時期に長年かかって知る手形の取り扱いや銀行取引の実務を一気に覚えることができたわけです。
 こうして経理業務を日々こなしながら行政書士の試験は一発で合格。但し本命は税理士試験でしたので2回挑戦しましたが一科目も合格を得られず断念。SEの分野に転進することも考えましたが結局コンピューターは利用する側の視点で知恵を出してきました。会社は変わっても仕事は経理一筋で今日まで生きてきました。
 時代がいかに変遷しても経理業務がなくなることはあり得ない。手書きを基本として計算、記帳の手段こそソロバンから電卓、コンピューター、パソコンと変わりましたがこの判断は間違っていなかったと思っています。
 人生は「まさか」の連続ですが会計帳簿作成が行政書士の法定業務になるなんて考えもしなかったことです。豊橋時代の体験は行政書士になるための修業になっていたのです。
 二十代に在籍していた建築関係の三社はみな倒産(自己破産)しました。最後の会社では在籍中に手形の不渡りをだしてしまいました。和議法による和議の申請をしましたがまとまらず、自己破産を決定。
 会社とはつぶれ易いものです。だから有限責任なのだと得心したものです。人の世は諸行無常です。しかしどんな時代でもちゃんと利益を出している会社はあります。要は経営者の考え方一つです。その話はまた別の機会に。

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