『歴史通』2012年3月号を読む2012/02/14

 月刊誌『WiLL』と同じワック出版から隔月で刊行される雑誌。両誌はこれまでの既存の出版社、新聞社系の雑誌が取り組ま(め)なかった分野の論文を網羅して読み応えがある。
 雑誌は広告で成り立つ。私がよく読む『山と溪谷』誌も「山と広告」と揶揄されるくらい広告が多い。『文芸春秋』誌と比較してもホントに少ないから読者の購読収入だけで成り立っている、と推測する。
 どこかの思想団体が資金源としてバックにいるのかとも思われる。(例えば産経新聞がある。しかし、『正論』というライバル雑誌がある。)執筆者の自らの研究と調査で書かれている。内容は信頼がおけると思う。
 3月号の総力特集は「この厄介な隣人」のタイトルに基づき、引き続き「韓流はウソだらけ」の三弾目である。よほどの反響が大きく、多いと思われる。
 政治的な配慮と左翼的な(リベラル)な既存の新聞や雑誌が書けなかったから目から鱗の思いである。だから右翼というわけではなく真実(真相)が知りたいだけである。
 日本人として何でこうも貶められなければならないのか、という思いを汲み取った雑誌が渇望されている。
・今月号で注目したのは「イムジン河」の顛末の記事。↓こんな歌。
 http://www.youtube.com/watch?v=1-eJDL3zLCQ
 懐かしい思いのする歌である。以前に映画「パッチギ」を鑑賞した際もバックに流れていたと記憶している。
・宮脇淳子氏の心を許せない隣人ー詐術に落ちた日本ー「毛沢東が仕掛けた偽史の罠」なんとも込み入ったタイトルだ。20歳代のころ、知識欲を満たすために岩波新書でエンサイクロペディアを作るよ、と年長の友人に言ったら褒められたことがあった。(その人は戦前の共産党員だった。戦後は一貫して批判するが)岩波書店は一定の信頼が置かれていたのである。
 その岩波新書の執筆者が中国の言いなりで書いていた、という趣旨。岩波系列の鈴木書店の倒産もリベラルな傾向が嫌われて売れなくなったことが背景にあろうか。もう何年も岩波新書は購入してないなあ。本来は文学の書店だったはず。
・拳骨拓史氏の「高天原は韓国にあった」もかつて読んだ万葉集は韓国語で書かれていた、という本の話と似ている。日本の古典をからかう様な内容だったと記憶している。さもありなん。
・古田博司氏の「あの、朝鮮民族とつきあう方法」は巻頭論文。バランスのとれた内容は読んで不快感がない。どちらか一方的な批判は引いてしまうが日本人の弱点も突いている。そこがいい。
 
 本誌と関連する記事として週刊新潮2/16号の変見自在ー踊る朝鮮ーの中で高山正之氏は末尾で「日本を悪く言う元凶が米国だとなぜ気づかない」と正鵠を得た指摘をなされている。
 日中、日韓外交のこの鬱陶しさは確かにアメリカが絡んでいる。東アジアの国は常に争いのある状態を保つことがアメリカの国益に適うからか。