生活保護騒動 ― 2012/07/05
今日の朝日新聞朝刊の私の視点に変な視点の論考が掲載されている。執筆者は藤本貴之氏で東洋大准教授の肩書きになっている。1976年生まれというから36歳とまだお若い。気になったのは「ネット世論の未熟さ見えた」というキャッチである。
藤本教授には『WiLL』8月号の片山さつき氏の論考「不正受給を許せば国は滅びます!」をまずお読みいただきたいものである。これまでの生活保護騒動の経緯が整理されて書かれているからだ。
ネット世論が最初から強く非難した訳ではないことが分かる。ネット世論を強火にしたのは吉本興業だった。言わば、天に向かって唾を吐いたのである。火に油を注いだ感がある。
吉本側の弁護士が法令違反ではない、との見解を背景にしてのことだったと思う。他のサイトの例えば新日本法規出版の会員向けWEBサイトで無署名の弁護士でも同じ見解であった。
法律上、不正というにはあたらない、だからそのまま受給してていい。もらえるものはもらっておこう、とこんな解釈が敷衍して行ったら、やっぱりおかしい。本当に必要としている人に利用してもらう制度なわけです。
ここまで書いて思い出すのは、ガス器具大手のパロマのことだ。WIKIから少し引くと、
「2006年に28件のパロマ湯沸器死亡事故が発覚。経済産業省から2006年8月28日付けで回収命令が出されるとともに、会社幹部らの刑事訴追に発展した。
創業100周年となった2011年2月1日には、製造子会社のパロマ工業と合併。特許権など知的財産権の継承の関係で、パロマ工業を存続会社としたが、社名は商標としても知られている「株式会社パロマ」へ変更した。合併の目的としては、製販一体化による「お客様品質」の向上、リスク情報の共有化によるコンプライアンスの強化、および経営のスリム化と意思決定のスピードアップ、と言うことであった。」と、明らかに反省の色がある。
事件の詳細は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AD%E3%83%9E%E6%B9%AF%E6%B2%B8%E5%99%A8%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BA%8B%E6%95%85を参照。
ここにいうコンプライアンスには企業倫理も含まれていると思う。文中に「自社及び同製品に責任はないとする姿勢を見せていたが、直後に系列サービス業者による不正改造や製品自体の安全装置劣化を原因とする事故が27件中13件あることが判明した。」とあるが、この時点までは弁護士はパロマに法的責任はない、と逃げていた。
この事例と酷似している。とりあえず、法的責任はないと逃げる。その結果、信用を失い、大きく売上を減らした。法律の専門家がコンプライアンスの真の意味を履き違えているのだ。クレーマーへの対応と勘違いされているように思う。ネット世論はクレーマーではない。
片山氏は国会議員の仕事として支持者からの要請で取り組んだが、逆に「政治家の人気取り」のバッシングを受けて困惑されておられた。それをネット世論が支持し、擁護していった。そんな経緯だったと思う。藤本氏は人気取りの政治家を浅ましい、と批判的である。
長い引用になったが、ネット世論は未熟ではなく、玉石混交というべきだろう。継続して読みたい質の高いブログもあるし、二度と読みたくない未熟なブログもある。未熟なものはスルーするだけのことだ。新聞や雑誌ならば買わない、読まないだけのことだ。おかしなものは生き残れないのである。
藤本教授には『WiLL』8月号の片山さつき氏の論考「不正受給を許せば国は滅びます!」をまずお読みいただきたいものである。これまでの生活保護騒動の経緯が整理されて書かれているからだ。
ネット世論が最初から強く非難した訳ではないことが分かる。ネット世論を強火にしたのは吉本興業だった。言わば、天に向かって唾を吐いたのである。火に油を注いだ感がある。
吉本側の弁護士が法令違反ではない、との見解を背景にしてのことだったと思う。他のサイトの例えば新日本法規出版の会員向けWEBサイトで無署名の弁護士でも同じ見解であった。
法律上、不正というにはあたらない、だからそのまま受給してていい。もらえるものはもらっておこう、とこんな解釈が敷衍して行ったら、やっぱりおかしい。本当に必要としている人に利用してもらう制度なわけです。
ここまで書いて思い出すのは、ガス器具大手のパロマのことだ。WIKIから少し引くと、
「2006年に28件のパロマ湯沸器死亡事故が発覚。経済産業省から2006年8月28日付けで回収命令が出されるとともに、会社幹部らの刑事訴追に発展した。
創業100周年となった2011年2月1日には、製造子会社のパロマ工業と合併。特許権など知的財産権の継承の関係で、パロマ工業を存続会社としたが、社名は商標としても知られている「株式会社パロマ」へ変更した。合併の目的としては、製販一体化による「お客様品質」の向上、リスク情報の共有化によるコンプライアンスの強化、および経営のスリム化と意思決定のスピードアップ、と言うことであった。」と、明らかに反省の色がある。
事件の詳細は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AD%E3%83%9E%E6%B9%AF%E6%B2%B8%E5%99%A8%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BA%8B%E6%95%85を参照。
ここにいうコンプライアンスには企業倫理も含まれていると思う。文中に「自社及び同製品に責任はないとする姿勢を見せていたが、直後に系列サービス業者による不正改造や製品自体の安全装置劣化を原因とする事故が27件中13件あることが判明した。」とあるが、この時点までは弁護士はパロマに法的責任はない、と逃げていた。
この事例と酷似している。とりあえず、法的責任はないと逃げる。その結果、信用を失い、大きく売上を減らした。法律の専門家がコンプライアンスの真の意味を履き違えているのだ。クレーマーへの対応と勘違いされているように思う。ネット世論はクレーマーではない。
片山氏は国会議員の仕事として支持者からの要請で取り組んだが、逆に「政治家の人気取り」のバッシングを受けて困惑されておられた。それをネット世論が支持し、擁護していった。そんな経緯だったと思う。藤本氏は人気取りの政治家を浅ましい、と批判的である。
長い引用になったが、ネット世論は未熟ではなく、玉石混交というべきだろう。継続して読みたい質の高いブログもあるし、二度と読みたくない未熟なブログもある。未熟なものはスルーするだけのことだ。新聞や雑誌ならば買わない、読まないだけのことだ。おかしなものは生き残れないのである。