任意成年後見2012/09/20

 9/18付けの朝日新聞朝刊に珍しく、「成年後見 財産守れ」「着服被害相次ぐ」といった大見出し、小見出しで、任意成年後見制度の記事が掲載された。
 これまでは、親族や第三者(士業)による、着服後の刑事事件の報道が多かった。確かに、利用者急増を背景に多発傾向にはある。記事もそれに触れている。
 今回は事件後ではなく、一歩踏み込んで、成年後見制度そのもののシステムを紹介し、実例を示しながら、成年後見の現状を時系列で解説しているのが特徴だ。
 新聞配達員が異常に気づき、民生委員に連絡、風呂場で倒れている認知症の女性を救護した。女性には身寄りがないことから、民生委員は頼まれて通帳を預り、日用品などを買い、入院の世話もしたが、ここまでが限界と、ある法律事務所を任意成年後見人とする契約を結んだ。ここで財産管理を依頼し、別の成年後見センターにも生活支援を依頼する契約を結んだ。
 女性の認知症がさらに進んだために第三者の弁護士を任意後見監督人とすることを申立てる。この弁護士が支払いや管理の適正かをチエックすることになる。(任意後見契約が発効)
 これを整理すると、
・任意成年後見人 弁護士法人愛知リーガルクリニック法律事務所 財産管理
・任意成年後見人 NPO法人名古屋成年後見センター  身上監護
・任意成年後見監督人 弁護士   財産管理のチエック
の分業でお世話する体制ができたというわけだ。ここまででも多くの人のチームワークできていることが分かる。つまり成年後見はビジネスというよりは社会貢献なのである。

 高齢で生活することの大変さを実感する。何も罹病しなければいいが、生活習慣病が進んだ結果として、認知症にかかるのは厄介だ。新聞では指摘しないが、民生委員は市(行政)から若干の費用弁償が支払われる程度だが、第三者の成年後見人、成年後見監督人ともに無料のボランティアではなく、有料ということだ。これだけの世話を受けるにはそこそこの財産的基礎が必要と言うことである。生活費、入院費、医療費に加えて、報酬を支払う。この額も一定ではない。依頼する人の財産額、余命、病気の程度などを勘案して決めることになる。成年被後見人が亡くなるまで続く大変な仕事である。
 それゆえに記事の最後に家裁の幹部の「専門職の人数が足りていないという実情」を訴えて記事を結んでいる。
 亡くなった後の事も契約で託すことになる。
 日本公証人連合会のHPのほか、家庭裁判所のHPでも詳細が分かる。ここでは公証人の立場からの制度紹介を一部貼り付けておきたい。
後見契約は必ず公正証書で交付するからどうしても通らねばならないのが公証人役場だ。
 http://www.koshonin.gr.jp/nin.html

気になる報酬の項を見てみる
Q  任意後見人や任意後見監督人に,報酬は支払うのですか?
A  任意後見人に報酬を支払うか否かは,本人と任意後見人になることを引き受けた者との話し合いで決めることになります。ごく一般的に言えば,任意後見人を,第三者に依頼した場合には,報酬を支払うのが普通ですが,身内の者が引き受けた場合には,無報酬の場合が多いといえましょう。
 任意後見監督人には,必ず報酬を支払う必要があります。その報酬額は,家庭裁判所が事案に応じて決定しますが,本人の財産の額,当該監督事務の内容,任意後見人の報酬額その他の諸事情を総合して,無理のない額が決定されているようです。決定された報酬は,任意後見人が管理する本人の財産から支出されます。
 研修によると、任意後見契約が発効するまでは低額、発行後は若干アップするようです。こればかりは法定の料金ではないので柔軟に考えるしかないのが現状です。
 
この記事のテーマの使い込みのことは

Q  任意後見人に,大切な預貯金等を使い込まれる心配はないのでしょうか?
A  もともと,任意後見人は,あなた自身が,最も信頼できる人として,自分で選んだ人です(契約に際しては,真に信頼できる人かどうかをよく吟味して選ぶことがとても大切です。)。しかも,前記のように,任意後見人の仕事は,家庭裁判所によって,任意後見監督人が選任された後に初めて開始されます。したがって,家庭裁判所によって選任された任意後見監督人が,任意後見人の仕事について,それが適正になされているか否かをチェックしてくれます。また,任意後見監督人からの報告を通じて,家庭裁判所も,任意後見人の仕事を間接的にチェックする仕組みになっています。
 さらに,任意後見人に,著しい不行跡,その他任務に適しない事由が認められたときは,家庭裁判所は,本人,親族,任意後見監督人の請求により,任意後見人を解任することができることになっています。
 以上によれば,万一のことをご心配されて,契約を躊躇するよりも,ご自分がしっかりしているうちに,ご自分の判断で,積極的に老後に備える準備をされた方が賢明といえるのではないかと思います。

後見事務2012/09/20

 13:30に被後見人の入院中の病院へ行く。丁度、玄関で親族の人と遭えた。夏がようやく終わったら急に患者が増えたらしい。それで先生との月1回の面談も15:24になってしまった。約十数分病状の説明を受けた。なんでも夏は水分を取り過ぎるので精神的には不安定になるとか。9月に入って水分量が減ってきて落ちついたとも言われた。そんなことがあるのかと思う。退院後は天白区役所に行き、今日受信した国保の金額訂正の説明を受けて還付の手続きをした。納付し過ぎた分を一旦返還するのではなく前受金として受領済みにするのが市の考え方である。一括納付と同じ考えか。