御園座再建への一歩!?2012/09/28

9/25
WEB版日刊スポーツから。
「名古屋市の老舗劇場「御園座」が、ミュージカルや若い世代向けのコンサートの誘致を強化し、演目の拡充を図る構想を準備していることが25日、分かった。新たな芸能事務所との提携も視野に入れている。

 歌舞伎や時代劇を中心とした舞台が中心だが、顧客層を広げて収益を強化する。今月末に迎える債務返済期限の延長に向け、銀行と最終調整に入っており、事業継続策を具体化して示し、信用力を高めたい考えだ。

 ただ、銀行側は費用がかさむ事業に難色を示すとみられ、実現には課題が多い。

 御園座幹部は「劇場をリニューアルし、伝統芸能や演歌ショーにとどまらない幅広い公演を招きたい」と意気込む。劇場が老朽化しており、建て替えでは東京の歌舞伎座などに運営手法の助言を求めるという。

 御園座は、三菱東京UFJ銀行など取引銀行から経営の立て直しにつながる具体策を示すよう求められ、策定中の経営再建計画書の素案を提示。返済を先送りする間に合理化を進め、支援先を探して建て替え資金の確保を目指す。

 銀行関係者は御園座について「100年以上続く名門劇場。経営が今春から目立って悪化していない」として、再建への足取りを見定める姿勢だ。 [2012年9月25日17時21分]
9/27
WEB版毎日新聞から。
「経営再建中の御園座は26日、長期借入金7億円の返済期限延長について、三菱東京UFJ銀行など5行の同意を得たと発表した。今月末の期限が、13年3月末まで延びる。延長は5回目。現状では返済が困難として、各行に延長を求めていた。

 御園座は会館の建て替えを柱とする経営再建計画をまとめられず、長期借入金の返済延長を繰り返している。12年3月期連結決算では6期連続の最終赤字を計上。借金が資産を上回る債務超過にも陥っている。

 今回の延長について、御園座は「劇場事業における観覧券販売が伸び悩む状況が続いている。現状の資金水準では返済を進めることは困難」などと説明している。【高橋昌紀】」
WEB版中日新聞から。
「御園座、松竹と業務提携 経営改革へ関係強化
2012年9月27日 13時30分

 経営再建中の御園座(名古屋市)は27日、松竹(東京)と劇場事業で業務提携すると発表した。これまでも歌舞伎公演などで協力してきたが、再建策の一環として、抜本的な経営改革に向けて関係を強化する。

 30日に契約を結ぶ。具体的な内容は今後詰めるが、演劇公演の企画から制作、上演までの業務で相乗効果を高める。

 御園座は2012年3月期連結決算で、最終的なもうけを示す純損益の6年連続赤字を計上し、債務超過に陥った。劇場運営の効率化など経営改革を目指している。劇場のある本社ビルの建て替えも来年4月以降の実現を目指している。

 松竹は、御園座の第4位株主で、今年3月末時点で発行済み株式総数の3・06%を保有。演劇担当専務を非常勤取締役に派遣している。
(中日新聞)
松竹のWEBサイト歌舞伎美人(かぶきびと)から:
名古屋・大須観音でお練が行われたニュース。↓
 http://www.kabuki-bito.jp/news/2012/09/post_324.html
引用は以上で終わる
 26日は7億円の融資返済期限延長の合意を嫌気して一旦、55円まで下げていた。これだけなら絶望的な金額に思う。後ろ向きのニュース以外、これといって明るいニュースのなかった御園座であるが、27日の松竹との業務提携の発表は株価が敏感に反応した。
 一気に前日比30円の棒上げとなり、出来高も10万株を記録した。板を見ると、売り気配が引っ込み、買い気配で25万株の成り行きが出ている。以降も続伸と思われる。本業の歌舞伎で観客を動員し、債務超過を解消し、数字が上向いて欲しいものだ。
 6月の歌舞伎が良かったといわれるが、5月の島津亜矢初座長公演も連日満員御礼が続いた。債務超過の軽減に大きく寄与したはずだ。上の新聞記事にも「経営が今春以降目だって悪化していない」とあるのはその成果である。
 歌舞伎の方が客単価が高いので動員をかければ、この10月で好転する期待が持てる。
 私も大須観音に出かけて、足の踏み場もないくらいの大勢の歌舞伎ファンの前で、あいさつする勘九郎の声を聞いた。一様に「若いなあ!」の声が聞こえる。歌舞伎界を背負って立つ人材なのだろう。初体験だが「伊勢音頭恋寝刃」は行こうと思っている。