渡部昇一著『取り戻せ、日本を。 安倍晋三・私論』を読む② ― 2013/05/18
P174~P175
当初、北朝鮮は拉致を認める予定はなかったのですが、「(小泉総理に随行していた)安倍信三・内閣官房副長官と思われる人物が、午前の会談後の休憩中に、北朝鮮政権の公開謝罪の拒否に強く抗議して、首脳会談中断を強力に要求している」と言う内容の盗聴資料を北側が入手し、金正日に報告を上げたため、金正日が午後の会談で、即興的に拉致を認めたことが、後に明らかになりました。
当日の模様を、後日、安倍さん自身がこう語っています。
「午前の会談では、専ら小泉首相が拉致問題などで北朝鮮側を非難し、金正日氏は何も答えず聞いていました。休憩で別室に案内されたとき、私は小泉総理に、北朝鮮が国家として拉致を認めず、謝罪もしないのであれば、平壌宣言に署名する必要もない。決裂でいい。断固帰国しましょう、と申し上げました。当然、盗聴されていると思いましたので、はっきりいいました。」
こうして当初は北のシナリオになかった金正日による拉致認定が実現したのです。
中略
「今回もう一度、総理大臣の職に就いたのは、何とか拉致問題を解決しなければならないという使命感によるものだ。この問題は、必ず安倍内閣で解決すると言う決意で臨みたい。」と強い決意を語りました。
以上
安倍政権発足以来、半年が経過。再来月には参院選という巡り会わせを狙っての訪朝は手堅い安倍総理の強い意思を感じるに充分だ。しかも米国、中国、韓国には秘密裏で行った。その意味を検索で調べると・・・
http://blog.livedoor.jp/gold_7777/archives/51942438.html#comments
白髪頭でズバリと斬る -じじ放談-
政治経済時事ネタを白髪頭でズバッと斬ります。
がヒットした。
ブログ主の文は的確な分析と思われる。全文はブログにアクセスしていただくとして要旨を転載。息が詰まるような駆け引きを想像を交えながら分析されている。それは拉致被害者の救出の邪魔をする人間が日本国内にいるということ。日朝の交流を好まない外務官僚がそれぞれ親中派、親韓派、親米派がいて外国政府に通報し、暗躍する。つまり、早い話がスパイである。ノーコメントに徹するのは、敵を欺くには味方から、という話。
安倍晋三首相は前回の倒閣で賢くなった。敵と見方を峻別し、苦労を肥やしにして、政治生命をかけて、今回の訪朝につなげている。
以下本文から転載
今回の飯島勲参与の訪朝(会談)を巡って我が国(安倍内閣)と北朝鮮の対応が著しく異なっているのはなぜか?日朝間の懸案事項を解決し、日朝平壌宣言に基づく日朝国交正常化では一致しているのに、安倍内閣が「ノー・コメント」を貫ぬくのはなぜか?
第1:日朝平壌宣言は凍結され仮死状態に追い込まれた
日朝平壌宣言は拉致問題を解決し、北朝鮮の経済発展と朝鮮半島の非核化を企図したものであった。我が国と北朝鮮が国益の最大化を求めて妥協した産物であった。我が国や北朝鮮にとっては望ましい共同宣言であっても、これを快く思わない国もある。日米韓と中朝の対立構造を保持したい米国、北朝鮮に対する日本の影響力(経済力)が強まることを恐れる中国(中共)、そして共産主義の防波堤という役割を失って特権的利権を失う韓国だ。この構造は現在でも変わっていない。
米国、中共、韓国の画策によって日朝平壌宣言が凍結され、仮死状態に追い込まれた。以来、朝鮮半島の非核化は中国(中共)が取り仕切る6か国協議に全面委任された。結果は周知のとおりだ。何らの成果も上げることができず11年間が虚しく過ぎた。北朝鮮は巧みな弁論術と交渉力によって大願成就、核保有国となれたし、大陸間弾道弾の発射実験にも成功した。
(潮の流れが変わった)
日朝平壌宣言が合意された11年前、米国はアフガン・イラク戦争で疲れ果て、東アジアにかかわる余裕がなかった。半島の非核化問題は中国(中共)に丸投げ、虚しい6か国協議が延々と続けられた。当時、我が国は長引くデフレと金融機関の再生で生きも絶え絶えの状態にあった。逆に、中共は外資導入によって年率二桁の経済成長・軍備の近代化を続ける等順風満帆であった。
あれから11年、潮の流れが変わった。我が国は大震災・原発事故の国難を乗り超え、自民党安倍内閣が打ち出した経済政策アベノミクスによって雰囲気を一変させた。円高解消と株の急騰によって経済に光明が射している。一方、中国(中共)は官僚組織の構造的腐敗、天文学的不良債権の表面化、地方政府の財政破綻、環境悪化に対する抗議運動の続発(工場建設を断念させる)等13億中国人民の怒りは土石流となって荒れ狂う。
日朝平壌宣言から11年。日朝国交正常化を喜ばない米国、中共、そして韓国及び彼らの代理人の構図に大きな変動はない。しかし、北東アジアの情勢及び各国の国内事情は一変した。何よりも、北朝鮮は核保有国になった。核弾頭搭載の長距離ミサイルを配備するのも時間の問題。以下略。
第2:日朝交渉(秘密)が官邸主導でなされる背景
11年前に合意された日朝平壌宣言が凍結され仮死状態に追い込まれたのは、既得権が脅かされる米国、中共及び韓国が猛烈に反対したためというのが通説になっている。加えて、我が国のメデイア、政党、官僚(特に外務官僚)の対米従属派・媚中派・親韓派が外国政府と通謀し又は意向を忖度し、小泉内閣を集中攻撃したからとみなされている。
米中韓3国の内政干渉及びエージェントによる対日工作によって日朝平壌宣言は凍結され休眠状態に追い込まれた。小泉総理・飯島総理公設秘書・安倍官房副長官(いずれも当時)は全面撤退に追い込まれ涙を飲んだはずだ。拉致被害者を救出できなくなると心を痛めたはずだ。安倍晋三と飯島勲は11年前の敗戦を昨日の如く記憶し、敗戦に至った経緯、敵の動き、外患誘致勢力の暗躍等、敵の一挙手一投足を脳裏に刻んでいるはずだ。
賢者は「同じ轍は二度と踏まない」し、戦国乱世では「歯向かった者は絶対許さない」が掟だ。敵に憐憫の情をかけるようでは命がいくつあっても足りない。我が外務官僚は「外国の利益第1」で動く性癖があって、国益を毀損する国賊であるとみなされている。という訳で、重大な外交案件(拉致被害者の救出)について外務官僚が除外されるのも自業自得というべきなのだ。彼らは米国・中共・韓国政府と結託して、我が政府に敵対し「日朝国交正常化協議をぶち壊せ」と叫ぶなど売国行為に励む。
以上、今回の日朝(秘密)交渉から外務官僚が排除されたことはやむを得ない。米中韓の既得権を侵害する虞れがある外交については、外務官僚から敵国にもれる危険が高いから危なくて使えない。という訳で、今回の日朝協議の再開に当たり、安倍総理・飯島参与、菅官房長官・古屋拉致担当相ラインが中核となって動いているのは、緊急避難又は危機管理といってよい。外務官僚は自己の信念で国を売る。
以下略
第3:拉致問題の全面解決(日本)と過去清算(北朝鮮)
14日、空路で平壌入りした飯島勲参与を出迎えたのは、北朝鮮外務省アジア局の金哲虎副局長であった。迎えの車は最高級車ベンツで準国賓待遇といわれている。翌15日、朝鮮労働党金永日書記(金正恩第一書記の側近)との会談が設定された。北朝鮮が飯島勲参与の訪朝にいかに期待をかけているかが分かる。北朝鮮は飯島参与を安倍総理の特使とみなしている。「日朝首脳会談・日朝国交回復」を展望していることは明らかだ。
15日、朝鮮労働党機関紙は「過去清算問題」を取り上げた。北朝鮮にとって喫緊の課題は「日本国から多額の賠償金又は清算金を獲得すること」であるが、我が国にとっての喫緊の課題は「拉致被害者全員の帰国を実現すること」である。
力ではなく話し合いで決着をつける場合は「50対50」が落とし所の目安となる。痛み分け、相互利得でなければ合意できない。という訳で、日朝交渉のテーマは財政支援と拉致被害者の救出がメインであって、核やミサイルの廃棄は「米朝交渉への引継ぎ」を超えることはない。そもそも、核保有国の北朝鮮と、核を保有していない我が国が対等な交渉をできる訳がない。
日朝交渉の再開は、北朝鮮にとっては「四面楚歌からの脱出」であるし、我が国にとっては「拉致問題を自力で解決すること」である。中共と韓国が推進している「反日秘密同盟」と「反北秘密同盟」が、結果として日朝交渉を加速させた。
第4:安倍総理の訪朝と日朝首脳会談は既定路線か
安倍内閣最大の外交テーマは拉致問題の全面解決(日朝国交正常化)である。内閣発足直後、安倍総理は飯島勲元総理補佐官(小泉内閣)を参与に任命。危機対応担当としたが、主たる狙いが「北朝鮮との連絡調整役」であることは公然の秘密。
(6か国協議の隠された狙い)
11年前、拉致問題の全面解決に向けた日朝平壌宣言が凍結されたのは、米国から「朝鮮半島の非核化を優先して取り組むべき」との圧力に屈したからというのが通説。「拉致や過去清算も、二国間交渉ではなく6か国協議の場で解決すべき」との圧力があったいうのが通説。
そして米国は6か国協議の運営を議長国中国(中共)に背負わせ丸投げした。結果、6か国協議は何の成果も上げることができず、数年前から中止に追い込まれている。被告役の北朝鮮が出席しないから会議が開けない。北朝鮮は「6か国協議」に参加することで核開発の時間を稼ぐことができた。大陸間弾道弾の発射実験にも成功した。北朝鮮は核保有国になったことで、6か国協議に参加するメリットはゼロになった。北朝鮮が6か国協議に出席する可能性はゼロ。ゼロを何百万回重ねても結果はゼロ。
米国は「半島の非核化」を唱えて核不拡散条約の履行を求める態度を示しながら、一方「北朝鮮が核関連物質を拡散するのは認められない」と核保有を容認した。米国のダブルスタンダードの狙いは(1)米国に被害が及ぶ危険性が高い核兵器及び核関連物質を国際テロ組織等に売り渡さないのであれば、核兵器の開発は容認する。(2)「朝鮮半島の非核化」を強調することで、日本と韓国を威嚇し核兵器を保有したいとの意思を奪うことだ。
つまり、6か国協議を開催する大義名分は「朝鮮半島の非核化」とされているが、米国や中共にとって北朝鮮の核武装は既定路線であった。米国や中共にとって最大のテーマは北朝鮮の核武装ではなく「日本と韓国の核武装を阻止すること」にあった。
なぜ、米国と中共は「北朝鮮が核兵器を絶対に放棄しない」と知りながら、「朝鮮半島の非核化を目的とする6か国協議の開催」に固執しているのか?「6か国協議」は日本国と韓国の核保有を阻止することが秘められた狙いなのだ。米国や中共が無意味な会議に膨大な時間を浪費するとは考えられない。6か国協議は「北朝鮮の核武装を阻止する」との大義名分を掲げながら、その実態は「日本と韓国の核武装を許さない」ことである。巧みに仕込まれた罠であった。
11年前、我が国は、米国の勧告に従って「6か国協議」を優先させ、拉致被害者の救出の根拠となる「日朝平壌宣言」を凍結した。「6か国協議」に出席すれば、朝鮮半島は非核化され、拉致被害者全員を取り戻せるとの幻想を抱いた。拉致被害者と家族にとっては「無意味な11年」、貴重な時間が空費された「無為の11年」であった。
日米同盟基軸の呪文を唱え、米国が主張する6か国協議を優先しても何も解決されなかった。過去11年の歴史がこれを実証した。米国の勧告に従順であったが故に、拉致被害者の救出が11年遅れた。
我々は今、カッと目を開いて現実を直視すべきではなかろうか。日米安保条約は日本を守るためにあるのか、それとも日本を管理するためにあるのかと。日米安保条約第10条はいう。「条約締結から10年経過後、締結国(日・米)は(いつでも、自由に)条約の終了を通告できる。通告から1年後、条約は失効する」と規定している。日本国憲法はもとより日米安保条約も不磨の大典ではない。いつでも終了通告できる。
我々日本国民は「太平の長き眠り」から目覚め、自己の意思と判断で行動すべき時期ではなかろうか。自らの判断と意思で拉致被害者を救出すべきではなかろうか。米国の恫喝におびえ、甘言に騙される暮らしから抜け出し、自らの足で「一歩前へ」踏み出すべき時期ではなかろうか。
まとめ
世界は今「激動の世紀」に突入した。覇権国家米国が普通の大国に転落する日も遠くはない。扇は要(かなめ)を失うことで分解する。同盟関係の解消、見直し、再編が繰り返される不安定な時代となる。強大な軍事力で世界を席巻し支配してきた米国の軍事予算が大幅に削減される。米国覇権の終わりを象徴する出来事だ。
韓国が中国(中共)に擦り寄り、日本がロシアやトルコと安保対話を始める。日本と北朝鮮が国交正常化を目指して協議を開始。当面、日韓・日中関係の悪化を止める手段は見当たらない。米韓同盟、日米同盟のタガが緩んだことは確かだ。世界中で同盟の見直しが始まっている。
オバマは中東派遣軍を撤退させ、東アジアに重心を移すハラを持っているようであるが、アフガン・イラク駐留米軍の全面撤退は困難だ。イスラエル周辺地域から手を引くことも許されない。かくして、財政難による軍事費の大幅削減と、中東派遣軍の長期駐留及びイスラム原理主義組織による自爆テロ攻撃で、米軍は摩滅し、体力を消耗する。
トルコがクルド武装勢力と和解。トルコはクルド武装勢力の後見人席を狙って準備運動中。ロシアは欧米とイスラエルの反対を押し切ってシリアのアサド政権に最新型対空ミサイルを売却。欧米列強の力の衰えを見て、各馬一斉に走り出した。
仮に、米中韓3か国の反対を押し切って我が国が「日朝国交正常化」を実現したとする。日中対立、日米対立・日韓対立はさらに激化するであろうか?それとも沈静化するであろうか?筆者の見立ては以下の通り。
「力の衰えた米国と中共は、慣れ親しんだ「支配・服従」の同盟関係を修正し、現実の力関係を勘案した緩やかな同盟関係又は友好関係に組み替えざるを得ないと考える。
徐々に、支配・服従関係から対等関係に移行せざるを得ないだろう。かっての宗主国が、かっての保護国(属国)に受容してもらうためには自らの態度を変えなければならない。変えることができない<かっての宗主国>は見捨てられる。力の衰えたボス猿のように」
世界の最貧国とされる北朝鮮が核保有国となったことで、北東アジアの安全保障環境が激変した。中共から北朝鮮が自立したことで、日米同盟、米韓同盟が大きく揺らいでいる。
日本国と韓国は自立志向を強めている。従属外交から独自外交にギアを切り替えようとしている。米国には同盟国を経済力・軍事力で抑えこむだけの力は残っていない。
米国も「同盟国を力で押さえつけるのではなく、同盟国と協議して妥協点を見出す」ことを学んでもらわねばならない。いつまでも過去の栄光に拘っているならば、誰にも相手にされない寂しい国家に転落する。
以上
戦後レジュームの脱却は奥が深い。まずは拉致被害者の無事帰還を祈ろう。次はアメリカとの戦後関係の清算である。日本国憲法の破棄、大日本帝国憲法の改正、再軍備、日米安保条約の解消、個人的には第二次東京裁判でアメリカから原爆投下、日本大空襲への謝罪を引き出すべきだ。
当初、北朝鮮は拉致を認める予定はなかったのですが、「(小泉総理に随行していた)安倍信三・内閣官房副長官と思われる人物が、午前の会談後の休憩中に、北朝鮮政権の公開謝罪の拒否に強く抗議して、首脳会談中断を強力に要求している」と言う内容の盗聴資料を北側が入手し、金正日に報告を上げたため、金正日が午後の会談で、即興的に拉致を認めたことが、後に明らかになりました。
当日の模様を、後日、安倍さん自身がこう語っています。
「午前の会談では、専ら小泉首相が拉致問題などで北朝鮮側を非難し、金正日氏は何も答えず聞いていました。休憩で別室に案内されたとき、私は小泉総理に、北朝鮮が国家として拉致を認めず、謝罪もしないのであれば、平壌宣言に署名する必要もない。決裂でいい。断固帰国しましょう、と申し上げました。当然、盗聴されていると思いましたので、はっきりいいました。」
こうして当初は北のシナリオになかった金正日による拉致認定が実現したのです。
中略
「今回もう一度、総理大臣の職に就いたのは、何とか拉致問題を解決しなければならないという使命感によるものだ。この問題は、必ず安倍内閣で解決すると言う決意で臨みたい。」と強い決意を語りました。
以上
安倍政権発足以来、半年が経過。再来月には参院選という巡り会わせを狙っての訪朝は手堅い安倍総理の強い意思を感じるに充分だ。しかも米国、中国、韓国には秘密裏で行った。その意味を検索で調べると・・・
http://blog.livedoor.jp/gold_7777/archives/51942438.html#comments
白髪頭でズバリと斬る -じじ放談-
政治経済時事ネタを白髪頭でズバッと斬ります。
がヒットした。
ブログ主の文は的確な分析と思われる。全文はブログにアクセスしていただくとして要旨を転載。息が詰まるような駆け引きを想像を交えながら分析されている。それは拉致被害者の救出の邪魔をする人間が日本国内にいるということ。日朝の交流を好まない外務官僚がそれぞれ親中派、親韓派、親米派がいて外国政府に通報し、暗躍する。つまり、早い話がスパイである。ノーコメントに徹するのは、敵を欺くには味方から、という話。
安倍晋三首相は前回の倒閣で賢くなった。敵と見方を峻別し、苦労を肥やしにして、政治生命をかけて、今回の訪朝につなげている。
以下本文から転載
今回の飯島勲参与の訪朝(会談)を巡って我が国(安倍内閣)と北朝鮮の対応が著しく異なっているのはなぜか?日朝間の懸案事項を解決し、日朝平壌宣言に基づく日朝国交正常化では一致しているのに、安倍内閣が「ノー・コメント」を貫ぬくのはなぜか?
第1:日朝平壌宣言は凍結され仮死状態に追い込まれた
日朝平壌宣言は拉致問題を解決し、北朝鮮の経済発展と朝鮮半島の非核化を企図したものであった。我が国と北朝鮮が国益の最大化を求めて妥協した産物であった。我が国や北朝鮮にとっては望ましい共同宣言であっても、これを快く思わない国もある。日米韓と中朝の対立構造を保持したい米国、北朝鮮に対する日本の影響力(経済力)が強まることを恐れる中国(中共)、そして共産主義の防波堤という役割を失って特権的利権を失う韓国だ。この構造は現在でも変わっていない。
米国、中共、韓国の画策によって日朝平壌宣言が凍結され、仮死状態に追い込まれた。以来、朝鮮半島の非核化は中国(中共)が取り仕切る6か国協議に全面委任された。結果は周知のとおりだ。何らの成果も上げることができず11年間が虚しく過ぎた。北朝鮮は巧みな弁論術と交渉力によって大願成就、核保有国となれたし、大陸間弾道弾の発射実験にも成功した。
(潮の流れが変わった)
日朝平壌宣言が合意された11年前、米国はアフガン・イラク戦争で疲れ果て、東アジアにかかわる余裕がなかった。半島の非核化問題は中国(中共)に丸投げ、虚しい6か国協議が延々と続けられた。当時、我が国は長引くデフレと金融機関の再生で生きも絶え絶えの状態にあった。逆に、中共は外資導入によって年率二桁の経済成長・軍備の近代化を続ける等順風満帆であった。
あれから11年、潮の流れが変わった。我が国は大震災・原発事故の国難を乗り超え、自民党安倍内閣が打ち出した経済政策アベノミクスによって雰囲気を一変させた。円高解消と株の急騰によって経済に光明が射している。一方、中国(中共)は官僚組織の構造的腐敗、天文学的不良債権の表面化、地方政府の財政破綻、環境悪化に対する抗議運動の続発(工場建設を断念させる)等13億中国人民の怒りは土石流となって荒れ狂う。
日朝平壌宣言から11年。日朝国交正常化を喜ばない米国、中共、そして韓国及び彼らの代理人の構図に大きな変動はない。しかし、北東アジアの情勢及び各国の国内事情は一変した。何よりも、北朝鮮は核保有国になった。核弾頭搭載の長距離ミサイルを配備するのも時間の問題。以下略。
第2:日朝交渉(秘密)が官邸主導でなされる背景
11年前に合意された日朝平壌宣言が凍結され仮死状態に追い込まれたのは、既得権が脅かされる米国、中共及び韓国が猛烈に反対したためというのが通説になっている。加えて、我が国のメデイア、政党、官僚(特に外務官僚)の対米従属派・媚中派・親韓派が外国政府と通謀し又は意向を忖度し、小泉内閣を集中攻撃したからとみなされている。
米中韓3国の内政干渉及びエージェントによる対日工作によって日朝平壌宣言は凍結され休眠状態に追い込まれた。小泉総理・飯島総理公設秘書・安倍官房副長官(いずれも当時)は全面撤退に追い込まれ涙を飲んだはずだ。拉致被害者を救出できなくなると心を痛めたはずだ。安倍晋三と飯島勲は11年前の敗戦を昨日の如く記憶し、敗戦に至った経緯、敵の動き、外患誘致勢力の暗躍等、敵の一挙手一投足を脳裏に刻んでいるはずだ。
賢者は「同じ轍は二度と踏まない」し、戦国乱世では「歯向かった者は絶対許さない」が掟だ。敵に憐憫の情をかけるようでは命がいくつあっても足りない。我が外務官僚は「外国の利益第1」で動く性癖があって、国益を毀損する国賊であるとみなされている。という訳で、重大な外交案件(拉致被害者の救出)について外務官僚が除外されるのも自業自得というべきなのだ。彼らは米国・中共・韓国政府と結託して、我が政府に敵対し「日朝国交正常化協議をぶち壊せ」と叫ぶなど売国行為に励む。
以上、今回の日朝(秘密)交渉から外務官僚が排除されたことはやむを得ない。米中韓の既得権を侵害する虞れがある外交については、外務官僚から敵国にもれる危険が高いから危なくて使えない。という訳で、今回の日朝協議の再開に当たり、安倍総理・飯島参与、菅官房長官・古屋拉致担当相ラインが中核となって動いているのは、緊急避難又は危機管理といってよい。外務官僚は自己の信念で国を売る。
以下略
第3:拉致問題の全面解決(日本)と過去清算(北朝鮮)
14日、空路で平壌入りした飯島勲参与を出迎えたのは、北朝鮮外務省アジア局の金哲虎副局長であった。迎えの車は最高級車ベンツで準国賓待遇といわれている。翌15日、朝鮮労働党金永日書記(金正恩第一書記の側近)との会談が設定された。北朝鮮が飯島勲参与の訪朝にいかに期待をかけているかが分かる。北朝鮮は飯島参与を安倍総理の特使とみなしている。「日朝首脳会談・日朝国交回復」を展望していることは明らかだ。
15日、朝鮮労働党機関紙は「過去清算問題」を取り上げた。北朝鮮にとって喫緊の課題は「日本国から多額の賠償金又は清算金を獲得すること」であるが、我が国にとっての喫緊の課題は「拉致被害者全員の帰国を実現すること」である。
力ではなく話し合いで決着をつける場合は「50対50」が落とし所の目安となる。痛み分け、相互利得でなければ合意できない。という訳で、日朝交渉のテーマは財政支援と拉致被害者の救出がメインであって、核やミサイルの廃棄は「米朝交渉への引継ぎ」を超えることはない。そもそも、核保有国の北朝鮮と、核を保有していない我が国が対等な交渉をできる訳がない。
日朝交渉の再開は、北朝鮮にとっては「四面楚歌からの脱出」であるし、我が国にとっては「拉致問題を自力で解決すること」である。中共と韓国が推進している「反日秘密同盟」と「反北秘密同盟」が、結果として日朝交渉を加速させた。
第4:安倍総理の訪朝と日朝首脳会談は既定路線か
安倍内閣最大の外交テーマは拉致問題の全面解決(日朝国交正常化)である。内閣発足直後、安倍総理は飯島勲元総理補佐官(小泉内閣)を参与に任命。危機対応担当としたが、主たる狙いが「北朝鮮との連絡調整役」であることは公然の秘密。
(6か国協議の隠された狙い)
11年前、拉致問題の全面解決に向けた日朝平壌宣言が凍結されたのは、米国から「朝鮮半島の非核化を優先して取り組むべき」との圧力に屈したからというのが通説。「拉致や過去清算も、二国間交渉ではなく6か国協議の場で解決すべき」との圧力があったいうのが通説。
そして米国は6か国協議の運営を議長国中国(中共)に背負わせ丸投げした。結果、6か国協議は何の成果も上げることができず、数年前から中止に追い込まれている。被告役の北朝鮮が出席しないから会議が開けない。北朝鮮は「6か国協議」に参加することで核開発の時間を稼ぐことができた。大陸間弾道弾の発射実験にも成功した。北朝鮮は核保有国になったことで、6か国協議に参加するメリットはゼロになった。北朝鮮が6か国協議に出席する可能性はゼロ。ゼロを何百万回重ねても結果はゼロ。
米国は「半島の非核化」を唱えて核不拡散条約の履行を求める態度を示しながら、一方「北朝鮮が核関連物質を拡散するのは認められない」と核保有を容認した。米国のダブルスタンダードの狙いは(1)米国に被害が及ぶ危険性が高い核兵器及び核関連物質を国際テロ組織等に売り渡さないのであれば、核兵器の開発は容認する。(2)「朝鮮半島の非核化」を強調することで、日本と韓国を威嚇し核兵器を保有したいとの意思を奪うことだ。
つまり、6か国協議を開催する大義名分は「朝鮮半島の非核化」とされているが、米国や中共にとって北朝鮮の核武装は既定路線であった。米国や中共にとって最大のテーマは北朝鮮の核武装ではなく「日本と韓国の核武装を阻止すること」にあった。
なぜ、米国と中共は「北朝鮮が核兵器を絶対に放棄しない」と知りながら、「朝鮮半島の非核化を目的とする6か国協議の開催」に固執しているのか?「6か国協議」は日本国と韓国の核保有を阻止することが秘められた狙いなのだ。米国や中共が無意味な会議に膨大な時間を浪費するとは考えられない。6か国協議は「北朝鮮の核武装を阻止する」との大義名分を掲げながら、その実態は「日本と韓国の核武装を許さない」ことである。巧みに仕込まれた罠であった。
11年前、我が国は、米国の勧告に従って「6か国協議」を優先させ、拉致被害者の救出の根拠となる「日朝平壌宣言」を凍結した。「6か国協議」に出席すれば、朝鮮半島は非核化され、拉致被害者全員を取り戻せるとの幻想を抱いた。拉致被害者と家族にとっては「無意味な11年」、貴重な時間が空費された「無為の11年」であった。
日米同盟基軸の呪文を唱え、米国が主張する6か国協議を優先しても何も解決されなかった。過去11年の歴史がこれを実証した。米国の勧告に従順であったが故に、拉致被害者の救出が11年遅れた。
我々は今、カッと目を開いて現実を直視すべきではなかろうか。日米安保条約は日本を守るためにあるのか、それとも日本を管理するためにあるのかと。日米安保条約第10条はいう。「条約締結から10年経過後、締結国(日・米)は(いつでも、自由に)条約の終了を通告できる。通告から1年後、条約は失効する」と規定している。日本国憲法はもとより日米安保条約も不磨の大典ではない。いつでも終了通告できる。
我々日本国民は「太平の長き眠り」から目覚め、自己の意思と判断で行動すべき時期ではなかろうか。自らの判断と意思で拉致被害者を救出すべきではなかろうか。米国の恫喝におびえ、甘言に騙される暮らしから抜け出し、自らの足で「一歩前へ」踏み出すべき時期ではなかろうか。
まとめ
世界は今「激動の世紀」に突入した。覇権国家米国が普通の大国に転落する日も遠くはない。扇は要(かなめ)を失うことで分解する。同盟関係の解消、見直し、再編が繰り返される不安定な時代となる。強大な軍事力で世界を席巻し支配してきた米国の軍事予算が大幅に削減される。米国覇権の終わりを象徴する出来事だ。
韓国が中国(中共)に擦り寄り、日本がロシアやトルコと安保対話を始める。日本と北朝鮮が国交正常化を目指して協議を開始。当面、日韓・日中関係の悪化を止める手段は見当たらない。米韓同盟、日米同盟のタガが緩んだことは確かだ。世界中で同盟の見直しが始まっている。
オバマは中東派遣軍を撤退させ、東アジアに重心を移すハラを持っているようであるが、アフガン・イラク駐留米軍の全面撤退は困難だ。イスラエル周辺地域から手を引くことも許されない。かくして、財政難による軍事費の大幅削減と、中東派遣軍の長期駐留及びイスラム原理主義組織による自爆テロ攻撃で、米軍は摩滅し、体力を消耗する。
トルコがクルド武装勢力と和解。トルコはクルド武装勢力の後見人席を狙って準備運動中。ロシアは欧米とイスラエルの反対を押し切ってシリアのアサド政権に最新型対空ミサイルを売却。欧米列強の力の衰えを見て、各馬一斉に走り出した。
仮に、米中韓3か国の反対を押し切って我が国が「日朝国交正常化」を実現したとする。日中対立、日米対立・日韓対立はさらに激化するであろうか?それとも沈静化するであろうか?筆者の見立ては以下の通り。
「力の衰えた米国と中共は、慣れ親しんだ「支配・服従」の同盟関係を修正し、現実の力関係を勘案した緩やかな同盟関係又は友好関係に組み替えざるを得ないと考える。
徐々に、支配・服従関係から対等関係に移行せざるを得ないだろう。かっての宗主国が、かっての保護国(属国)に受容してもらうためには自らの態度を変えなければならない。変えることができない<かっての宗主国>は見捨てられる。力の衰えたボス猿のように」
世界の最貧国とされる北朝鮮が核保有国となったことで、北東アジアの安全保障環境が激変した。中共から北朝鮮が自立したことで、日米同盟、米韓同盟が大きく揺らいでいる。
日本国と韓国は自立志向を強めている。従属外交から独自外交にギアを切り替えようとしている。米国には同盟国を経済力・軍事力で抑えこむだけの力は残っていない。
米国も「同盟国を力で押さえつけるのではなく、同盟国と協議して妥協点を見出す」ことを学んでもらわねばならない。いつまでも過去の栄光に拘っているならば、誰にも相手にされない寂しい国家に転落する。
以上
戦後レジュームの脱却は奥が深い。まずは拉致被害者の無事帰還を祈ろう。次はアメリカとの戦後関係の清算である。日本国憲法の破棄、大日本帝国憲法の改正、再軍備、日米安保条約の解消、個人的には第二次東京裁判でアメリカから原爆投下、日本大空襲への謝罪を引き出すべきだ。