尖閣戦争勃発か?2012/11/17

杜父魚文庫ブログに寄せられた宮崎正弘氏の論評です。示唆に富む内容です。

「さぁ、習近平の対日強硬政治が始まる! 宮崎正弘

2012.11.17 Saturday name : kajikablog

宮崎正弘の新刊『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、232p、並製。定価1575円)

 尖閣諸島を強奪しようとする中国に新指導者が誕生した。ところが改革のニュアンスがともなわない守旧派ぞろい、暗い印象がさきにたつ顔ぶれ、指導力がほとんど感じられない。

 習近平は太子党からあがってきた独自的な個性も特色もない、カリスマ性を欠落させた人物。それゆえに周囲の強硬タカ派にたぐられ、対日強硬路線を突っ走るだろう

 昔から中国では二流の指導者ほど国内矛盾をすり替えるために対外戦争を起こした!

 尖閣に「偽装漁民」が上陸し、奪回作戦に挑む日本との間に軍事衝突が起こる可能性が日増しに高まってきた!

 対日経済制裁、日貨排斥は中国経済を苦しめるだろうバブルはすでに崩壊しており、各地の暴動はまったくおさまらない。

 国民の共産党幹部らの腐敗への怒りは沸騰点に達している。これら諸矛盾を日本への感情にすり替える目的で次の戦争が準備されている!そのとき、日本は怯懦*のまま朽ちていくのか?」
* 怯懦=きょうだ=臆病なこと。怖じ恐れること。

 うーん、率直に言えば、憲法9条の縛りをはやく解決しなければ、日本は危ない。護憲派、とかタカ派といった色分けはもう終わった。中国でも韓国でも臨戦体制の国家だ。話せば分かる相手ではない、ということは一般の日本国民にもよく理解されてきた。丸腰ではなめられる。日本は一丸になる時が来たのではないか。
 再軍備し、戦闘に備える段階まで来ていると思う。戦争になれば、中国本土の邦人も通常のままビジネスや観光、留学が安全にやれることはまずない。邦人保護の対策を考慮しておくべきだろう。女子どもは中国から出国させる、家族は引揚げる、中国内の預金や債券は換金しておくなど様々ある。
 現行憲法では、対中戦争になっても、中国本土へ上陸して邦人保護に当たるわけには行かないことを周知させることも必要だ。
 
 以前、動物園に勤める人が、虎の赤ちゃんを抱いて来たことがあって、皆で、触ったり、抱っこした。目を細めるくらい可愛いものだった。飼育員は爪で引っかき傷を負いながらも育てている。しかし、猛獣は猛獣で、いくら愛しても、成長すれば、飼育員でも襲われる。ムチを打って、怖い存在であることを教えておかないと噛みつかれる。猿に芸を教える場合でも、小猿のときに、首の根っこに噛みついて、人間が怖い存在であることを知らしめる。心を通わすことは至難の業である。
 他の民族は猛獣のようなものではないか。中国のみならず、アングロサクソン民族のアメリカ人の非情さも相当なものだ。
 日本は、貧しかった中国へ、大陸で戦争を展開した負い目から贖罪感を必要以上に打ち出して巨額の経済援助をしてしまった。子どもの虎のように警戒心を薄れさせて、日本人の心に擦り寄り、援助を引き出して、世界第二位の経済大国の今では(心の通わない)猛獣のようになってしまった。腹を空かせると(経済が行き詰まると)確実に襲ってくるだろう。何とか内需を喚起してくれと思う。
 中国関連のネット、雑誌、書籍による、これまでの学習では、現状は戦前の二の舞である。日本にいいことは一つもなかった。戦前の中国を観察した長野朗の書籍はGHQの政策で焚書されて、日本は戦前の中国の実情を知らされずに学ぶ機会を失った。これが長く尾を引いている。相手をよく知ることから始めねばなるまい。
 財界人は欲、歴史学者はプライドもあって、真実から目をそらし、中国の言いなりで来てしまった。さあ、どうやって飼いならすのか、知恵の出しどころである。