こんどは弁護士の成年後見監督人が詐取2012/11/01

NHKNEWSWEBから。「成年後見制度」の語彙で一定のアクセス数のサイトのみGアラートにヒットする。読んでみて、こんどは成年後見監督人の弁護士の詐取とあってはあいた口がふさがらない。これは世間の耳目を集める事件になる。折角の制度の信用が揺らぐ気がする。

「成年後見人悪用 弁護士逮捕
 10月31日 21時44分北九州市の弁護士が成年後見人を監督する立場を利用して1800万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されました。

 逮捕されたのは北九州市小倉北区の弁護士、島内正人容疑者(66)です。
 警察によりますと、島内弁護士は、北九州市内に住む成年後見人の男性の仕事を監督する「成年後見監督人」を務めていて、先月、この男性に対して「裁判所からの指示でNPOにお金を預ける必要がある」などとうそを言って、現金1800万円を自分の口座に振り込ませたとして詐欺の疑いがもたれています。
 調べに対して容疑を認めているということです。
 警察によりますと、この男性の「成年後見監督人」をおととし8月ごろから務めていたということで、警察は、さらに調べを進めています。
 島内弁護士は、平成16年度に九州各地の弁護士会でつくる「九州弁護士会連合会」の理事長を務めていたほか、今月初めまで福岡県弁護士会で、弁護士の不祥事などを調べる綱紀委員会の委員を務めていました。
 福岡県弁護士会によりますと被害者の男性は、島内弁護士の口座に合わせておよそ4400万円を振り込んでいたということです。
 福岡県弁護士会の古賀和孝会長は、「国民の信頼を大きく損なう事態だと重く受け止めている。不正を行った弁護士に対しては、除名を含む厳しい態度で臨む」とコメントしています。」
引用は以上

 綱紀委員会の委員まで務めるような社会的信用の高い弁護士の指示であれば、疑って裁判所に確認することまでは期待できない。しかし、再発防止策は必要だろう。弁護士の倫理も地に落ちたと思わざるを得ない。
 元々、国に訴訟をすることもあるというので、監督権は自治に任せられている。それが弁護士会の綱紀委員会である。このシステムが仲間内でかばい合うことになり、人間として相互監視が甘くなる遠因と思う。除名、廃業ということになるのかどうかは分からないが、監督権を国に返上する気概を持つべきだ。

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